Daybreak(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

なんか。


スゲー泣いちゃった。



いい年こいて。


恥ずかしいったら・・




玉田は帰りの電車の中で鼻をすすりながら思った。




ほんと。


やりきれない毎日を過ごしてきたんだろうな。


あいつ。



すっげー大人な感じしたけど


実際はすっごく子供っぽくて。



たぶん、子供のころにお母さんを亡くして

すごく母性に飢えてたのかもしれない。



自分が犯した罪を


ずっとずっと


背負い込んで生きていこうって思ってたんだろーな。



だから


人の気持ちとか

自分の気持ちを

考えることができなくなって。




窓の外に映る夜の景色をぼんやりと見ながらそう思った。





翌朝早く。



結城は父から電話を受けた。



「いつ帰ってくるんだ? おまえの部屋はそのままになっているけど。 あと、田崎さんのお嬢さんとの約束は・・」



急かすように言う父に



「ごめん。」



小さな声でポツリと言った。



「おれ。 やっぱり戻れない。 料亭も・・継げないよ、」



「比呂・・?」



「ほんと。 ごめん・・ごめん。 オヤジにはほんっと迷惑ばっかかけて、」



こんなに素直に父に謝ることができたのか、と自分でも不思議なくらいだった。




「やっぱり。 ハンパな気持ちで承知したら絶対にうまくいくわけないし。 もっと自分の気持ちに素直になってやっていきたいって・・今は思う、」



今までの息子の様子とは明らかに違っていた。



妻を亡くしてから、母親っ子だった彼は全く元気がなくなり。


どこかへ行こうと誘っても、家に篭るばかりで、

ピアノを弾いてばかりで。



亡き先代女将が、泉美を気に入って。

後添えにと熱望し。



それを全く受け入れなかった息子は家を出た。


実家には年に1度か2度しか戻らず。

もちろん電話もしてこない。


いったい息子が毎日をどうやって過ごして、何を考えているのか全くわからなかった。




どうしていいのかわからない気持ちのまま

13年になる。




「・・わかった・・」



父は小さな声でひとことそう言った。




息子の思いをわかりきれない自分には


もう何も言う資格はないのだ・・。




結城は自分の気持ちをごまかすことをやめて、素直に生きようと思います・・


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