Tiny memory(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ずっと。 あの人のことを思って・・?」



玉田は静かに彼に問いかけた。



「子供のころから憧れて。 大好きで大好きで。 仕方なかった人を・・そんなに簡単に諦めることなんかできません。 彼女のことを忘れようとして・・・いろんな女の子とつきあってきたけど。 ますます彼女への気持ちが募って。 オヤジと夫婦として過ごしている彼女のことを思うだけで、もうやりきれなくて仕方なくて、」



結城はぼんやりとそう言った。



「それが『過ち』ってこと・・?」



おそるおそる聞くと、結城は怖い顔で彼を見た。




「・・千堂さんが・・・。 そんなことを言ってたから。 おまえが大変な『あやまち』を犯したって言っていたって、」



玉田はゴクっとツバを飲み込んだ。




「おれはオヤジを裏切ってしまいました、」



「え・・・」



「おれは・・彼女を・・」




その後の言葉を聞くのが少し怖かった。






二十歳になり、祖母の家からも独立して一人暮らしを始めることになった。


泉美は家に戻らない結城を心配し何度も説得に訪れた。




「もういいって。 ほっといてくれ。 おれのことは、」


うざったそうに言う彼に


「あたしのせいであなたが家に戻ってこないんじゃないかって、本当にどうしていいかわからなくて、」


彼女は泣きそうな顔で言った。



「あたしのことを・・母親として見られないのなら。 それでもいいから、 だから。」




その言葉で何かが切れた。




「・・母親として見られなかったら?  そんなことになったら。 おれ、どーすりゃいいんだ、」



結城は彼女を蔑むように笑ったあとに



「おれは! 泉美さんのことが好きなんだ!」




おなかの底から絞りだすような声で言った。



「え・・」



そんなことを夢にも思っていなかった泉美は

もう

呆然とし



 

「好きだから! オフクロだなんて思えるかよ!  一緒になんか暮らせるか!!」



自分も感極まって涙をこぼしてしまった。



そして、

固まって動けなくなってしまった彼女を

思い切り抱きしめてしまった。




「ひ・・比呂くん・・・」




「やだ・・・。 本当は誰にも渡したくなかったのに!!  なんで・・よりによってオヤジと結婚なんかしたんだ!!」



今までの気持ちが溢れて

溢れて


止まらない。



二十歳の若く拙い感情が


一気に爆発してしまった。



その気持ちに耐え切れなくなった結城はついに・・


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。