Tiny memory(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

結城は驚きの表情を隠せなかった。



「申し訳ないと思ったけど。 この前おまえの実家に行って。 お義母さんに話を聞いた。 ・・詳しくは話してくれなかったけど、おまえの心の中に重くのしかかってるのは。 お義母さんの存在なんじゃないか?」



玉田は一気にまくし立てた。



結城は力が抜けたようにその場に座り込んだ。




「違ってたら・・ホント。 ごめんなんだけど! おれは、そう感じた。   おれが考えていることが当たっているとしたら。 おまえがどんなにつらかったかと思う、」



彼はしばらく黙って



そして



「・・・それだけで。 終わってればよかったんだ、」



ポツリと言った。



「え、」



「あの人は。 母の妹芸者として、うちにも昔から出入りしていて。 おれのことを本当にかわいがってくれました。 母が亡くなった時も泣きじゃくるおれに一晩中ついていてくれて。」





ひとり言のように話を始めた。




「ずっと。 好きだった・・・」



玉田は彼の横顔をずっと見ていた。







『オヤジと結婚するって・・・ホントなの?』


『・・いろいろ考えたんだけど。 大女将さんもあたしのことを気に入ってくださって、』




あのとき。


彼女からその現実を聞かされたときは

もう頭が混乱した。


8つも年上で

自分のことなんか弟のようにしか思ってないって


やりきれない気持ちはあったけど。




『オヤジのこと、愛してないんだろ? なんで・・結婚なんかするの?』


必死に彼女に言った。


『旦那さんは。 とてもご立派な方です。 尊敬しています。  ぜひにあたしを、と言って下さるのなら、』



もうカーッとなって。



『・・おれは・・いやだ!』



駄々をこねるように言った。



『比呂くん、』


『泉美さんが・・・母親になるなんて! 絶対にいやだ!!』



その場から逃げ出してしまった。




母親になる人を

好きでいることなんか


できっこないし。



一緒になんか絶対に暮らせない。



これからはオヤジの女房としての彼女を見なくてはならない。




父も祖母も。


自分を説得したけれど。


おれが家を出ることで一見解決したように思えた。



誰もが


父親の再婚に反対をする思春期の少年の複雑な気持ちとしか


思ってなかっただろうけど。



結城は義母・泉美への気持ちを抑えきれずに・・・








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