Tiny memory(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

玉田は思い切って結城の自宅を訪ねた。



もちろん彼の家を訪ねるのは初めてで。


少し緊張しながらマンションのエントランスのインターホンを鳴らすと


「ハイ、」


普通に彼は出た。



「あ、玉田だけど。 ごめん夜遅く。 ちょっと話あって、」


しばらく間があって、結城は


「どうぞ。 少し散らかっていますけど、」



とあっさりと施錠を解いてくれた。





そして、彼の部屋のリビングに通されて驚いた。



段ボール箱がいくつかあり、それに荷物が詰められている。



「引っ越すの?」


結城に聞くと



「実家に戻ろうかと思います。」



ガムテープで封をしながら言った。



「え、」



玉田はいろんなことを思い、少し驚いた。



「父の勧める人と見合いをして。 ・・いい人そうだったら結婚をして。 そして。 料亭を継ごうかって。」



「本当に、辞めるつもりなのか。」



「自分はこうした組織の中でやっていけそうもないですから。」


そっけなくそう言った。



「佐田さんが。 オケに戻ってきたよ。」



そう言うと手を止めた。



そして、振り返りふっと微笑み


「そうですか。 よかった。」


と言った。



「おまえのことも、きちんと整理をして。 おまえが今後どうなるかとか、そういうことを含めて・・・彼女もわかってくれたと思う。」


「おれは彼女を傷つけました。 その責任は取ります。 ・・・千堂茜のことも、」



茜の名前を出すのに

少し声が震えた気がした。



「実家に帰って。 ・・おまえはまた『あの人』と暮らせるの?」



玉田は何だか我慢ができずに

彼が恐らく一番触れられたくないところに踏み込んだ。



「え・・・」



ゆっくりと結城は振り返った。




「それが耐え切れなくて。 家を出たんじゃないの?  一緒にいるのが・・つらいから。」



もう

玉田の方が胸がいっぱいになってしまった。




玉田は思い切って結城の心の中に踏み込んでゆきます・・


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