Tiny memory(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

気持ちを

たくさん閉じ込めて



エサもねだれないウサギみたいに。



黒い瞳を潤ませて。




目の前のそんな彼女に


結城はすっと近づいた。



自分にそんな気持ちがあったなんて

全く思いもせずに。



だけど


屈託なく笑う彼女の笑顔は


自分の重い気持ちをどこかにやってくれそうで。



心が揺れるって

こういうことを言うんだ



そんなことを考えているうちに


本当に自然に彼女を抱きしめた。



結城は本当に素直な気持ちで



「ごめん、」



と彼女を抱きしめる手に力を入れた。



「ごめんな、」



もうその言葉だけしか出てこなかった。



茜はそんな彼の言葉でも

胸がいっぱいになるほど嬉しかった。




彼とは

結ばれることはないんだろう。



思いが通じたとしても


きっと

あたしたちはダメだって思う。






結城は麗子の部屋を訪ねた。



「何しに来たの、」



麗子はドアにチェーンを掛けたままで

睨みつけるように彼に言葉を投げつけた。



「・・謝りに来た、」


「謝りに? え? なにを? 今さら・・」


麗子は半分笑いながら、それでも目は鋭く彼を諌めた。



「おれ。 事業部辞めるから。 だから・・・きみはオケに戻って欲しい、」



「え、」



麗子は少し驚いた。



「おれが出て行くから。 頼むから・・・きみは戻ってくれ。」



真剣な彼の表情を麗子は言葉なく聞いているだけだった。





オケの練習は麗子抜きで再開することになった。



「みなさん。 佐田さんが戻るまで。 頑張りましょう。 あたしも・・・微力ながら頑張ってやっていきます、」


茜は自分よりも年上の楽団員たちにそう言って、深く深く頭を下げた。




千堂さん・・・



有吏はそんな彼女の姿に胸打たれた。



結城は茜への不思議な気持ちに心揺れますが・・・・


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