Tiny memory(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ウサギがエサをおいしそうに食べている。



「・・・おなか空いてたんですね、」



茜はゲージを覗きこみながら思わず微笑んだ。



「・・朝、エサやるの忘れて、」



結城はボソっと言った。



「かわいそう。 おなかが空いたって言えないんですから。」



茜はふっと笑った。



「そうだな、」




少しの沈黙の後



「このまま・・・逃げないでって。 言いたくて。」



茜はポツリと言う。



「え、」



「大人として。 社会人として。  結城さんは責任を取るべきです。 ・・玉田さんはあなたを信じてる。」



まっすぐに結城を見た。



「オケのメンバーは、もうあなたと佐田さんの噂をしています。 何だか気持ちもバラバラになってしまったみたいで。」



8つも年下の彼女に

自分自身を正されている気がした。


情けない気持ちと

彼女が何だかすごく逞しく思えて。



「おれから、佐田さんに話をするから、」



と言った。



「結城さん、」



「彼女にしたことは、あまりに誠意がないことだと思う。 おれは彼女のことを特別な存在とか、そんな風に思ったことなくて。 彼女の気持ちを思いやったりすることなく、上辺だけ優しくしたり。 ・・おれが悪い、」



素直にそう言ったあと、



「そして。 きちんとして事業部をやめる。」



きっぱりとそう言った。



茜はハッとして彼を見る。



「そして。 父の勧める人とお見合いをして。 結婚して。 料亭を継ぐ、」



「え・・」



茜は驚いたように小さな声を上げた。




何もかも

諦めたように言う彼に



「本当に? そうしたほうがいいって・・思ってるんですか?」


声が震えた。



「もう。 みんなが望むように。 そうやって生きるしかないって思う、」



彼の瞳が本当に寂しそうで。



「あたしの・・気持ちはどうしたら・・いいんですか?」



茜は目を潤ませた。



胸の前でぎゅっと拳を握った。



「きみとも。 もう関われない。」



そんな風に言われて



「あ、あたしだって。 どーしていいかわからないけど。 でも・・でも、この気持ちはどうしていいのか、」



茜は思わずポロポロと涙をこぼしてしまった。



茜の苦しい思いは・・・



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