Tiny memory(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ゆうべ。 ずっと考えていました。  やはり、結城は・・あのお義母さんのことを、」



玉田は会議室で斯波と向かい合っていた。



「ん・・・」



それは


斯波も気づいていた。




話の流れからすると


結城は恐らく子供のころから馴染みであった彼女に

恋心を抱き。


その人が


自分の母になるというショックで


恐らくピアノも投げ出した。




「その気持ちを今も引きずっているんじゃないでしょうか、」



「でも。 ・・自分の父親とあの人が再婚して・・・10年以上になるというのに。 そこまで引きずるかな、」


斯波はタバコを灰皿に押し当てた。




確かに

そうは思うが。



結城の心の闇は間違いなくあの義母との関係でありそうだった。






「・・会って、みようか。」



結城はポツリと言った。



「え?」



泉美は涙の顔を上げた。



「・・その人に。 んで。 いい子だったら。 結婚して。 『ゆうき』を継いでもいいよ、」



「比呂くん、」


あんなに嫌がっていた料亭の跡取りになるという彼に

泉美は信じることができない。



「そんなにヤケにならないで!」


思わず声を荒げた。



「・・だって。 おれが『ゆうき』を継げば。 全てが丸く収まる。 泉美さんだってあそこを出て行く必要なんかない。おれが・・・気持ちを封印すればいいことだ。」






いつもの

涼しい瞳が


本当に悲しげで。



「比呂くん、」



泉美はまた涙ぐんでしまった。




彼が本当にそうしたいのか


と言ったら


絶対にウソになる。




「もう。  全てを断ち切るには。  おれが覚悟を決めるしかないんだ、」



結城は

遠くを見るような目でそう言った。




泉美が帰ったあと


どのくらい経っただろうか。



またマンションのインターホンが鳴る。



「はい、」


と出ると



「あの・・」



モニターには所在無さげに立つ茜の姿が目に入った。




胸が

一瞬

締め付けられそうなほど

痛くなった。



もう何もかも捨てて、結城は実家に戻ろうかと思ったようですが・・



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