Rainy blue(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「雨、上がったみたいだね。 駅まで送る。」



結城は立ち上がる。



このまま時間が止まってしまえばいいのに。



茜はもっともっと

どんどんと

すごい勢いで彼のことが好きになる。





彼女を駅まで送り届けたあと、シャワーを浴びようと結城はバスルームに入って行く。



「あれ?」



洗濯機の上に腕時計が置かれていた。


すぐに彼女のものだとわかった。



まったく・・



ため息をついてそれを手にした。




「あ、結城さん。 おっはよーございます!」


出社すると夏希が大きな声であいさつをしてきた。



「・・おはよ。 加瀬さんは声が大きいねえ・・・。 いつも廊下まで聞こえるし。」


と、席につく。



「そうなんですよ~~。  夏希にナイショ話できないねって友達にもよく嫌がられます。」


いつものように能天気に笑った。



そして、ふっと思い出したように



「ね。 きみはオケの楽団員の名簿とか持ってるの?」


と聞いた。


「は? あたし?  いいえ。 あたしは直接楽団員さんとは話とかもしたことないし。 企画とかはやりますけど、ほぼ部外者状態で。 まあ、そーゆーマル秘っぽいことは斯波さんか、玉田さんか。」



「そ・・・」


「あとは・・ユーリもそのくらいならわかるかも。 今、経理に行ってるから聞いてみましょうか。」


「・・・・・」


結城は少し黙ったあと、


「いや、いいよ。」


と、デスクのパソコンを開き始めた。




あの部屋に女性を入れたのは


彼女が二人目だった。




『カワイイ!』



ウサギを抱きしめるように笑顔を見せた彼女のことをふっと思い出した。




自分のプライベートに触れられるのがいやで。


どんなに女性にせがまれても自宅に連れてくることはなかった。



なりゆきとはいえ


彼女を気軽に自分の家にあげてしまったことは

自分でも理解しがたく。




有吏が経理から戻ってきた。



「あ、結城さん。 おはようございます。」


「・・おはよ、」



すぐに彼は仕事を始めた。



『千堂さんは結城さんのことが好きなんですよっ!』



泣きそうな顔しちゃって。




おれなんかが


彼女とどーなるって言うんだ。



あんな箱入り。



おれみたいな男とどーにかなっちゃうわけにもいかねーし。



10も年下のコイツと三角関係とか

ありえねーし。



そう思いながらも

何だか心が重苦しい。



結城の心の中も少しずつ変化をしはじめているのか・・・




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