Rainy blue(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

なんか


すごい・・・



三味線のことなんかわからないけど。


だけど

同じ弦楽器を扱うものとしては

その音色にものすごく心惹かれる。




不思議なひと




つきはなすようなそっけない雰囲気かと思えば


優しくしてくれたり。


ウサギをかわいがっていたり


三味線をこんなに美しい姿で奏でたり。




茜はもう


結城を見ているだけで

胸がいっぱいになるほど


彼のことで埋め尽くされてしまった。



「最近は全然弾いてないから。 ずいぶんヘタクソになったってばあちゃんに言われる。」


結城はそう言って笑った。



「いいえ・・。 ほんと、きれいな音でした、」


茜はぼうっとしたままそう言った。



「きみもね、」



結城の言葉に茜は少し驚いた。



「きみのヴァイオリンの音は。  本当にきれいだよ。 一点も曇りがない。 ピュアで伸びやかで。 ・・そこがいいって思う。」



「結城さん・・」


また心臓がドクドクいい始めた。




「この間のコンサートも。 素晴らしかったよ。」



とニッコリ微笑まれ。



彼にこんなに褒めてもらったことが

何よりも嬉しく

幸せだった。



「・・・結城さん、」



「日本で終わらせるの、もったいない。 もっともっと海外のコンクールなんかもバンバン出て。 そのためには音楽の本場に行ってヴァイオリンを極めていったほうがいいと思う。」




また

留学をやんわりと勧めてくる。



「あ・・ありがとうございます。 でも、あたしにはそこまでの力、あるのかって、」



恥ずかしくなってうつむいた。



結城は間髪をおかず



「あるよ。」



と、真剣な眼差しで彼女を見た。



その真剣さにハッとする。




「こんな。 日本のいちオケの楽団員で。 日本でどんだけ人気が出たって。  そこまでだろ?  音楽さえあればきみは世界にも行けるんだ。」



世界・・・



「玉田さんだって斯波さんだってきみの実力は認めている。  世界に出ることを止めることはできないはずだ。」



結城は少し怖い顔で三味線を布袋にしまった。




怖いほどに茜のヴァイオリニストとしての将来を見据える結城。 そんな彼の気持ちが・・・


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