Happiness(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「おはようございます。 高宮です。」



この日は社長と共に横浜まで直行だったので、高宮は車で北都邸まで迎えにやって来た。



「あ、おっはよーございまーす!!」


ドアを開けたのは見慣れぬ女性だった。



新しいお手伝いさんかな・・?




「お、おはようございます。」



とりあえず頭を下げた。



「どーぞぉ~。 まだちょっと仕度中なんで。」




・・にしては。

派手めの美人だし、あまりに軽い対応。



「はあ・・」

高宮はいつものようにリビングで待たせてもらおうと上がっていった。




そして、その女性は


「あ、新しい秘書の人?」

と高宮に話しかけてきた。


「え・・・? あ、はあ・・」


「若いんだあ。 すっごーい。 前は秘書課の課長で『オジサン』だったけどね~~~。」



もんのすごい軽いノリで笑われた。




なんだ?




高宮はもうこの人がナゾでナゾで仕方がなかった。




すると、北都の妻のゆかりがやってきた。


「ああ、高宮さん。 おはよう。 ごめんなさいね。 待たせてしまって。」


「いえ、」


ゆかりに助けを求めるように、チラっとその女性に目を向けた。





「ああ、コレ・・娘。」




ゆかりはそれを察して、いきなりそう言った。


「はっ・・?????」



高宮は激しく驚いた。



「そう。 娘。」

その美女もニコーっと笑ってそう言った。




正直。

社長に娘がいるなんて初耳だった。



今までそんなことさえ耳にしたことなかったし?


子供は専務とあのピアニストの次男だけだと思ってた・・・・。



高宮はものすごく無口になってしまい、いろんなことを考えてしまった。




「あ、びっくりした? ほら、出戻りだから。」

ゆかりはあっけらかんとそう言った。


「はあ??」


「ちょっと、お母さん。 出戻りとかさあ・・デリカシーないこと言わないでよ。」


「だってそうじゃない。 いきなり帰ってきてさあ。」


母娘の言い争いに割って入るように



「あのう・・・」

高宮がさらにそのナゾに迫ろうとすると、



「ああ、この子ねえ。 5年前に結婚して、ずうっとパリにいたの。 外務省の人と結婚してたから。」

ゆかりが説明してくれた。


「外務省の・・」


「書記官だった人。 いい人だったのに。 ほんっとわがままだから・・・。」

ゆかりはため息をついた。


「それで。 いきなり1週間前帰ってきて! 『あたし離婚するから。』って。」


「いきなりじゃないよ。 ずうっとずうっと考えてたの!」


「もうすでに夫婦の話し合いはできてるからって。 離婚届も用意して。 ほんっとにもう・・」




そんないきさつがあったなんて

微塵とも感じさせないほど、彼女は普通だし、すんごく明るいし。



「あ、申し遅れました。 あたし、北都真緒です。 もう離婚届出したんで。」




よく見ると。

彼女の母・ゆかりにすごくよく似ていた。






「は? 真緒ちゃん?」

南はランチの時間がなくて、事業部でサンドイッチをもぐもぐと食べていた。


「・・びっくりしましたよ。 おれ、社長にムスメいるなんて知らなかったし。」

高宮はボヤくように言った。


「ああ。 言ってなかったっけ?」


「言ってないっすよ・・。」



「あのねえ。 真尋と1コ違いだから。 高宮と同い年ちゃうかなあ。 まあ、あたしが真太郎と知り合った頃は中学生だったけどね~~。 高校出てすぐにアメリカに留学しちゃって。 戻ってきたら即結婚だったしね。 ぜんっぜんお嬢さんぽくない子でしょう。」


「まあ・・。」



「すんごいサバけてる子で。 離婚もあっという間やったしな。 年が10くらい上の人と一緒になったんやけど。 まあ、あの子の性格やと・・・なかなか家ん中で奥さんしてられへんかったんちゃうかなあ。 外交官って忙しいねんて。 家にいる時間もほとんどなかったらしいよ。 子供もいなかったし、寂しかったんちゃうのかなあ。」

サンドイッチをぱくつきながら南は小さくため息をついた。




北都家の娘・真緒の登場です! 彼女には何の罪もありませんが、その存在は高宮たちにちょっとした嵐を巻き起こします・・・


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