福島です。
いわき市の勝見ヶ浦、永崎海岸。
海のすぐ目の前には龍神を祀る祠と、
八大龍王碑や古い石碑が置かれていました。
ここは足場がよくないので、
今日の様な暴風警報が出ている時に行くと、
鳥居をくぐる前に海に飛ばされますので、
嫌いな人を一緒に連れていけば、
火曜サスペンス劇場になるかもしれません
夜明け前に着いて日の出を待ちます。
海を正面に右が小名浜マリンタワー方面、
左はここから60キロ先が福島原発です。
福島の海岸沿いにも、
要所要所に八大龍王が祀られていて、
まるで龍の電気スタンドだな〜なんて思いながら、
なぜここに決めたかと言うと、
珍しい↓「へそ石」が見られると聞いたので。
いわゆるノジュールの類だと思うのですが、
これは球状コンクリーションでしょうか。
「へそ石が動くと災いが起こる」
元々発見されたのは60年とか80年前とか、
かなり昔で、
この場所より数メートル下の、
波打ち際の岩穴に収まっていたそうです。
このへそ石は波に流されあちこちに移動しては、
なにかしら色々なことをやらかしています。
例えば、
「へそ石を動かしたら、その浜にだけ嵐が来て、
漁船が出せなくなった。
へそ石を岩穴に戻したら嵐が止んだ」とか、
ある時は銚子の方へ流れ着き、
1人の男性がへそ石を拾って仕事用に持ち帰り、
藁打ち用にへそ石を使っていたら、
その地域で伝染病が流行り出した。
不安を感じた男性が祈祷してもらったところ、
どっかの神さまが降りてきて、
「藁打ちにするなどとんでもない。
永崎の石だから元の場所に返しなさい」
と怒られたので、
船に乗せて永崎海岸まで戻しに行ったという話も。
↓岩穴にいた頃のへそ石
こうしてへそ石は地元の人たちから、
これ以上災いが起こるといけないから、
絶対に動かしてはいけないという真剣な話になり、
1964年にへそ石を元の岩穴に戻し、
動かない様にセメントで固定したそうです。
ところがどっこい、
周辺の岩の侵食が進み、
へそ石はまたもや行方不明になりました。
実際にへそ石が行方不明になっている間、
2011年に東日本大震災が起こってしまった。
そして2014年6月、
防波堤の復興工事をしていた時に、
本来の位置から20メートル南に離れた場所から、
砂浜に埋まっていたへそ石を、
10数年ぶりに作業員が発見したのです。
しかし元の岩穴は侵食が激しく戻せないので、
初めは自治会館に展示することも検討されましたが、
(ここら辺の正確な話は後で書き直します)
元の位置からあまり離してはいけないという事で、
岩穴から5メートル上にある龍神様と一緒に、
へそ石を祀る事になったそうです。
↓雨の中、お坊さんを呼んで、
へそ石の御祈祷をしているところ。
なぜたった一つの石の為に、
これほど必死になるのか?と思う人もいるかもしれないけれど、
やはりどん底を乗り越えてきた人ほど、
心は優しくなり、
二度と辛い思いはしたくないという、
神への切なる願いと同時に、
自然を侮るなかれという大切な気持ち。
こういった石をノジュールと呼びますが、
↓こちらは南鳥島東約300キロの、
排他的経済水域(EEZ内)にあるノジュールです。
2010年以降しんかい6500による潜航探査で、
深海に大量のマンガンノジュールが密集しているのが発見されています。
広さ的にはなんと九州と四国を合わせた面積です。
このように砂に埋もれずに表面に出ているのは、
石の回転が地球の磁場と関係するそうです。
(詳しくは産総研を検索してね)
そしてこのノジュールを調べたところ、
コバルトやニッケル、銅などの、
現代産業に欠かせない重要な金属元素が、
高濃度に含まれていることが分かりました。
しかも南鳥島にはマンガンノジュールの他にも、
豊富なレアメタルが見つかっていて、
日本のEEZの開発により、
黄金の国ジパングの再来になるのではと期待されています。
しかし中国はこのマンガンノジュールの研究を、
既に1980年代から積極的に行なっているので、
今後大きな問題となるかもしれません。
↓そして球状コンクリーションですが、
こちらは山の中からも発見されていて、
様々な説が出ているそうですが、
地球の大陸は、
元々は海底火山の噴火によって出現しているので、
日本も中国からではなく、
海底噴火の島から出来たと、
こんな簡単な事を、
なぜ誰も考えないのか不思議です。
下の画像は地球だけど火星みたいですよね。
火星にもノジュールが発見されています。
よく神社にも置かれている玉石なども、
↓これも球状コンクリーションで、
球状コンクリーションは、
何万年と費やす団塊ノジュールとは違って、
数ヶ月〜数年で大きくなり、
内側から風船のように膨張していくので、
こういった綺麗な球状になるそうです。
別に宇宙人が作ったわけではありません(笑)
この球状コンクリーションの研究によって、
今後は地下構造物の劣化防止技術の開発が進むため、
今まで不可能となっていた放射性廃棄物を、
数万年以上に渡って地下に隔離する事が可能になります。
そうなると未来の原発は安定化して、
私たちの元に供給される事となるかもしれません。
それまでは永崎のへそ石が動かないことを願うばかりです。
次回も福島の神社をご紹介します。
ノジュールについては、
裏覚えで書いてしまったので、
また後ほど書き足して更新します。