「乳がんの新しいくすり」
佐治重衡先生
福島県立医科大学
腫瘍内科学講座主任教授付属病院副院長
がんに対する新しい薬は日々増えています。これまでの主役であったいわゆる抗がん剤に代わり、がん細胞に特徴的な標的に対して効果を発揮する分子標的治療薬がその中心となってきました。
2018年2月までに開発された分子標的治療薬は88剤で(日本がん分子標的治療学会ニュースレター2018年3月号)、さらに今も増え続けています。
このような新しいくすりはどうやって、日本で使えるようになるか御存知でしょうか?
以前は、海外では使用できる薬剤が日本ではなかなか承認されず、ドラッグラグといわれた時もありました。
しかし今は、世界中の患者さんが参加する大規模な臨床試験に、日本からも多くの患者さんが参加してくださっているおかげで、それほど時間差なく新しい薬剤を使えています。
そんな新薬の中で、いま注目されているのはBRCA1 もしくはBRCA2遺伝子に変化のある患者さんに使用できるPARP阻害薬、そして皮膚がんや肺がんの治療を大きく変えている免疫チェックポイント阻害薬です。
このシンポジウムでは、このような新しいくすりのお話と、それに伴って問題となってきたゲノム医療との関わりについてお話しします。
以上、ピンクリボンシンポジウム2018東京パンフレットより。
佐治先生の詳しいお話は後日記事にする予定です。