「ブギウギ」 第85回
第18週「あんたと一緒に生きるで」
※無断転載対策のため、不本意ですが、
しばらく、注意喚起させていただきます。
こちらの記事は、「日々のダダ漏れ」 の
記事です。ご覧になっているブログ名が
「日々のダダ漏れ」、以外のブログ名は、
記事を無断転載しているブログです!!
↓ オリジナルのブログはこちらです♪
(郵便受けに愛助からのハガキ)
ハガキ・愛助) 「今は食欲も出てきて、
快方に向かってるで。この病院、ごは
んがえらくうまいんや。あとはおなか
の子の名前を考えるのが、毎日の楽
しみや。帰る帰るばっかりでなかなか
帰れんで、申し訳ないけど、予定日に
は絶対に戻るつもりです」。
スズ子) アホ! 無理して。
(おなかがピクッ)
スズ子) おっ! せやな。返事書こ。
待っててくださいよ~。
**********
(ベッドに、虚ろな目の愛助)
(そばに、手つかずの朝食)
**********
(医者と向き合ったトミ)
トミ) あの子は・・・絶対に死なさへん。
**********
<病室>
トミ) 調子はどないや?
愛助) お母ちゃん・・・。
僕、もうあかんねやろ・・・。
トミ) な・・・何言うてるのや。
あんたは絶対、治る。治すんや。
お母ちゃん大阪中の医者
集めてでも治したる!
愛助) 僕な、お母ちゃんの子で・・・
ホンマよかったわ。何より僕を、
ようけ笑かしてくれて・・・ありがとう。
せやけどな・・・僕は・・・スズ子さん
と結婚するで。僕は・・・あの人の
明るさに救われたんや。あの人は、
僕の人生を明るうしてくれた、
唯一の女の人や。
あっ、お母ちゃん以外やな。
トミ) (涙)
愛助) せやから・・・
絶対一緒になるんや。
トミ) そやったら・・・病気治し!
あんたが病気治したら、お母ちゃん
何でも言うこと聞いたるわ。
そやから・・・治して。なあ、治して!
(愛助の頬をなでる)
愛助) 絶対治して・・・結婚するで。
**********
そして、数日後のことでした。
スズ子) 今晩は、野菜たっぷりの
おうどんやで。よいしょ。
ほな、頂きましょか。
(部屋に吊した丹前を見る)
スズ子) はい、頂き・・・ま・・・せん!
来た・・・。来たんか・・・?
**********
<大阪の病室>
(雨の音)
(診察をした医者がトミを見る)
(色のない顔で朦朧とした愛助)
**********
電・坂口) 助かるんやろ?
助かるんやろなあ! おい!
何とか言えよ! おい!
矢崎) ボンは・・・頑張ってます。
必死で、生きようとしてます。
山下) だいぶ、悪いんか?
坂口) 危篤やて・・・。
福来さんには・・・どうしましょ。
山下) 今は、言えんやろ。
ボンの頼みでもあるんや。
坂口) せやけど・・・何も知らんで、
よろしいでっか!?
**********
<三鷹の家>
スズ子) ああ・・・。フゥ~。
(荷造りをするスズ子)
スズ子) 痛いっ! うう・・・!
**********
(表に山下と坂口)
山下) やっぱり、あかん。
ボンの願いは、福来さんが安心して、
出産することや。
坂口) ボンかて、福来さんの声、
聞きたいんちゃいまっか?
声聞いたらもしかしたら・・・。
スズ子の声) ア・・・アイタタタ・・・。
山下) え・・・ちょっと待て。
(耳をすます)
スズ子の声) 痛い・・・イタタタ・・・。
坂口) ちょちょちょちょ・・・!
ちょっ、福来さん、入りまっせ!
スズ子) 痛い・・・。
坂口) どうしたんでっか!?
スズ子) じ・・・陣痛が、
は、は・・・始まってもうて。
坂口) じ・・・陣痛て、
う・・・産まれるんか!?
あっ、お湯か!?
こういう時はお湯やな!
山下さんお湯や! お湯!
山下) お湯って、ここで産むんかいな!
スズ子) アホ言わんといてください。
イタタタタッ!
山下) とにかく、はよ病院行きましょ!
坂口) 大丈夫でっか?
スズ子) 荷物・・・。
坂口) あっ、これでんな!?
これでんな!?
スズ子) あと、愛助さんの、丹前。
山下) 丹前。
坂口) はようはようはようはよう!
はよう!
スズ子) ちゅうか、お二人は、
何でここに・・・?
坂口) 何でて・・・
何でもええやないですか。
行きましょはよう!
山下) 虫の知らせですわ。
坂口) ゆっくり、ゆっくりや!
山下) ゆっくりや!
ゆっくりやで! ゆっくりやで!
**********
<村西医院>
坂口) 先生!
山下) すぐやすぐや!
坂口) 先生! 先生~!
はよはよはよはよ!
村西) はいはいはいはい!
慌てないでください!
慌てんのが一番よくないから!
坂口) 慌てんな言うたかて!
スズ子) 先生!
だいぶ痛なってきましたわ!
村西) 大丈夫大丈夫!
スズ子) わあ~!
東) まだ息まないでよ!
スズ子) 痛い!
**********
<大阪の病室>
(雨の音)
(愛助に付き添ったトミ)
愛助) お母ちゃん・・・。
トミ) 何や?
愛助) 手紙・・・。
トミ) 手紙? 手紙て何や?
愛助) ス・・・スズ子さんに・・・
手紙、書きたい・・・。
(紙と鉛筆を用意する矢崎)
トミ) 何や? 何て書くんや?
愛助) 自分で・・・書くわ。
トミ) ああ・・・。
**********
<村西医院>
スズ子) せ・・・先生、痛いわこれ!
ホンマ痛い! 愛助さん、痛いで~!
**********
<大阪の病室>
(トミと矢崎に支えられ、
体を起こした愛助)
(鉛筆を持つ)
(力を振り絞り、一文字目に、
カタカナの「ス」を書く)
**********
<村西医院>
(丹前を掴むスズ子)
スズ子) う~ん・・・痛い!
村西) いやいや、でも上手上手!
東) 赤ちゃんもお母さんもね、上手よ!
スズ子) 下手でもええから、はよ、
出てきて! う~ん・・・痛い!
**********
(廊下に坂口と山下)
山下) お前座っとけや。
坂口) せやけど・・・!
山下) 座るから!
**********
<大阪の病室>
(文字を書く愛助)
(支えるトミと矢崎)
トミ) 愛助!
矢崎) ボン!
(鉛筆を持ち直す)
(涙をこらえるトミ)
**********
<村西医院>
(息む声)
スズ子) 愛助さん! お母ちゃ~ん!
痛いわ~!
東) もう見えてるよ! 見えてるよ!
スズ子) はあっ!
**********
<大阪の病室>
(懸命に鉛筆を動かす愛助)
**********
<村西医院>
スズ子) う~ん!
**********
<廊下>
(産声)
坂口・山下) ああ~っ!
山下) 産まれた~!
(抱き合う山下と坂口)
坂口) ボンにも教えたらな!
**********
<村西医院>
東) かわいらしい女の子ですよ。
(スズ子に赤ん坊を抱かせる東)
(腕の中の赤ん坊を見つめるスズ子)
**********
(電話をする坂口)
電話・坂口) 産まれたわ!
ははははっ! まだ見てへんけど、
めちゃめちゃかわいいわ!
ワシにそっっくりや! ちゃうわ!
ボンにそっくりなはずや!
はははははっ!
聞いてるか? おい。ははっ。
**********
(受話器を耳にあてた
矢崎が、うずくまる)
(雨の音)
矢崎) (すすり泣き)
**********
(ベッドのそばに座ったトミ)
**********
(赤ん坊の頬に触れるスズ子)
スズ子) あんた、
めちゃくちゃかいらしなあ・・・。
**********
(受話器を握りしめた坂口)
(立ち尽くす山下)
山下) まさか・・・。
**********
<村西医院・病室>
(ちっちゃな口で、
大きなあくびをする赤ん坊)
スズ子) ふふっ・・・。
(赤ちゃんの声)
スズ子) うん? そっか。
**********
生と死のコントラストが切なすぎて・・・辛い。
でも・・・そういうものなんだよね、リアルは。
生も死も、待ってはくれない。思いどおりに
はいかない。愛助のモデルとなった人は、
実際は出産の10日前ぐらいに亡くなってし
まい、笠置シヅ子は出産前に知ることにな
るというあまりに過酷な話だったみたいで。
ドラマでは、愛助の死と、スズ子の出産が
同時進行で描かれ、それもまた残酷では
あったけれど、そうしてくれてよかったと思
った。「らんまん」の時も思ったけれど、これ
こそが、フィクションの醍醐味というか救い
だと思うわけで。せめて、そうあってほしか
ったことが、描かれてもいいよね~と思う。
似ているけれど、ちょっと違うパラレルワー
ルドとして楽しむのが、モデルのある人の
フィクションを観る、コツなのかもしれない。
最期までよく頑張りました。もっと頑張って
ほしかったけど・・・。うん、頑張った愛助!
そして、出産おめでとうスズ子! こちらも
すんごく頑張った。頑張ったね、スズ子!
赤ちゃんも頑張った。ありがとう、ようこそ。
「ブギウギ」関連ブログはこちらから↓
ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪
にほんブログ村
にほんブログ村