「ひよっこ」第145回～早苗の初恋・・・永遠の25歳でいる理由

「ひよっこ」 第145回
第25週 「大好き」
早苗の初恋・・・

永遠の25歳でいる理由

おはようございます。

増田です。明美です。

愛子さん風に言ってみました。

さて、先週は、早苗さんが

自分の話をしようとする

ところで、終わりましたね。

早苗）　私の…恋の話。
　　いや、人に話すつもりなんてなか
　　ったし、そんな相手ができると思
　　ってなかったけど。何かね、話し
　　たいんだ。聞いて下さい。
 

では続きをどうぞ。

早苗）　18で、東京に来たんだ。一関から。

　　兄が２人と、弟が１人いて、まぁ、家の

　　ことはそんなに考えなくていい環境で

　　はあったから。高校を出たら、勤めに

　　出て…あっ、地元でね。で、嫁に行く、

　　みたいなのが、普通のコースだったか

　　な、周りでは。私も、漠然と、あ～そう

　　やって生きるのかなと思ってて。でも、

　　東京で、暮らしてみたくてね。どうして

　　も。で、東京に来た初日も初日。夜行

　　で来て、朝着いて、あかね荘で大家

　　さんに、挨拶して。あっ、餅持ってった

　　から、富さんとってもご機嫌で。

　　（富のまねで）あ～ら、田舎から来た、

　　かわい子ちゃんって。

（回想）

富）　田舎から来たかわい子ちゃん。

早苗）　…って。

みね子）　かわい子ちゃん…。

早苗）　うん。

　　で、仕事は次の日からだったんで。

　　まぁやっぱり、行きたいでしょ？

　　「ここが東京だ！」みたいな所に。

　　で銀座のデパートに行って、でも、

　　まだ働いてなかったし、お金もなか

　　ったんで、あっ、そうだ、屋上に行

　　ってみようと思って。生まれて、初

　　めての、エレベーターだ。

みね子）　生まれて…。

世津子）　初めての？

邦子）　エレベーター？

愛子）　何があったの？

早苗）　エレベーターにね、

　　閉じ込められた。

　　突然止まって、５時間も。

４人）　え～！

早苗）　乗ってたのは、２人。

　　私と、男の人の、２人きり。

４人）　え～！？

愛子）　大丈夫だったのよね？

早苗）　はい。ただ、その時の私は、ただ

　　ただ怖くて怖くて、泣いて泣いて。

４人）　あ～。

邦子）　で、どんな男の人だったの？

早苗）　そこですよね。

　　その人は、泣きじゃくる私に、

　　「大丈夫だよ」って言って、

　　手を握ってくれて。

　　優しい人で、私よりも背が高くて…。

　　25歳くらい…かっこよくて。

４人）　へぇ～！

早苗）　音楽を、やってる人で。ドラム

　　をたたいてるって言ってました。

愛子）　「おいらはドラマー」？

早苗）　そうです。そのドラマー。

　　赤坂のクラブで、ドラムをたたいてる。

　　そして、アメリカに、ニューヨークに、

　　その日の夜の飛行機で、勉強する

　　ために行くんだって、言ってました。

　　もうとにかくかっこよくて。２人でいる

　　間、いろんな話をしてくれて。笑わせ

　　てくれたり、私のつまんない話を聞

　　いて、大笑いしてくれたりして…。

　　…で、私、恋をしました。

　　まぁ、初恋みたいなもんですね。

４人）　お～！

早苗）　…で、５時間が経って、エレベー

　　ターが動き始める感じになって。そし

　　たら、あっ、この人アメリカ行っちゃう

　　んだ。もう会えないんだなって思って、

　　また泣いて。そしたら、きつく抱き締

　　めてくれて。またドキドキして離れた

　　くなくなって…。

４人）　わ～！

早苗）　…で私言おうと

　　思ったんですよ。そしたら、彼が、

　　「参ったな。恋しちゃったな」

　　って言って。

４人）　キャ～！

早苗）　もう気を失うかと思いましたね。

　　「私も、好き、離れたくない」

　　って言いました。そしたら彼が、

　　言ってくれたんですよ。

　　「これは運命だよな。必ず、

　　一人前になって戻ってくるから、

　　待っててくれ」

　　「私、待ちます」

　　「そしたら、結婚しよう」

　　「はい」

　　「何歳まで、待ってくれる？」

　　「25」

　　今でも後悔してます。何で「いつまで

　　でも」と言わなかったんだろうって。

４人）　あぁ…。

早苗）　その時の私は、25って、遠い

　　遠い未来だったんでしょうね。

　　バカです、本当に。でも彼は、

　　「分かった。頑張らないとなぁ」

　　って言ってくれて。

　　そして、２人は救出されました。

世津子）　すごい恋だね～。

みね子）　えっ？ で？

早苗）　ん？ 話はそこまで。それっきり。

　　私は25を超え、５年ほど、たちました。

みね子）　だから早苗さんは、

　　　永遠の25歳…。

早苗）　まぁな。

　　それに、彼が知ってるのは、私の名前

　　と、年齢と、職場と、アパート。だか

　　ら、どちらも動くわけにはいかなくて

　　ね。…で、こんなことになった。

みね子）　はぁ…。

愛子）　…で、どうするの？ 

　　早苗ちゃんは。

早苗）　う～ん…分かんないです。

　　さすがに限界かなとは思う

　　んですけど。わかんない。

愛子）　すてき。かわいい。

愛子）　ねっ！

邦子）　うん。

早苗）　ありがとう。スッキリした。

（グラスを置く邦子）

邦子）　はい。

早苗）　おっ、ありがとう。

　　のど渇いた…。フフフ！

４人）　　おぉ～！

（飲み干す早苗）

早苗）　あ～！ あ～！

邦子）　それ麦茶だけどね。

早苗）　あれ…？

（笑い声）

早苗）　えっ？ 本当に？ あれ？

　　お酒の味が…あれ？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

早苗）　人にしゃべってしまったぁ…。

（ベッドに寝転び、ドラムの

 スティックを見つめる早苗）

（太鼓をたたく早苗）

早苗）　フフ…。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（部屋の壁に貼った省吾の

 似顔絵を見ている愛子）

愛子）　やだな…。

　　頑張って、振られるのはやだな…。

（似顔絵に背を向け、ベッドに座る愛子）

（振り向き、もう一度似顔絵を見る愛子）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

世津子）　早苗さん、かわいかったね。

みね子）　はい。

ちょっとおさらいしておきますね。

早苗さんの発案で、世津子さんは

みね子の部屋で暮らす事になりました。

（回想）

早苗）　私は、乗り越えてほしいと思う。
　　みね子と、世津子さんには。
　　ちゃんと、つらいことも腹割って話し
　　て、それができて初めて、みね子の
　　言う、悲しいことを、人の力によって
　　打ち消す、なしにする、マイナスをプ
　　ラスにする、ということになるんじゃ
　　ないだろうか。

（部屋に布団をしくみね子と世津子）

みね子）　どうしたらいいがわがんない

　　　　し…。でも、早苗さんの言ってた

　　　　こどは本当かな。愛子さんがい

　　　　でくれで、ちょっとほっとしでた。

世津子）　そりゃそうよ。私も。

みね子）　へへへ…。

　　　何だか不思議な２人ですもんね。

世津子）　そうだよね。

みね子）　でも、これを乗り越えられたら、

　　　素敵だな、すごいなって、思います。

世津子）　うん。うん…。

みね子）　よろしくお願いします。

世津子）　よろしくお願いします。

みね子）　へへ！ 

　　　何か恥ずかしい！ アハハ！

世津子）　アハハ！ あっ、でも…。

みね子）　はい？

世津子）　う～ん…。

みね子）　何でも言いましょうよ。ねっ？

世津子）　そっか…うん…。

　　　あっ、でも…。私と、

　　　みね子ちゃんの、お父さん。

みね子）　はい。

世津子）　私にとっては、

　　　谷田部実さんではなく、雨男さん。

みね子）　はい。

世津子）　私たちが過ごした時間について

　　　は、私は、みね子ちゃんに…。いや、

　　　誰にも。話すつもりはない。絶対に。

　　　私だけの思い出だし。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜谷田部家＞

（布団に寝た実が、天井を見ている）

（横に寝ている進の布団をかけ直し、

 ちよ子と進の寝顔を見つめる実）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

世津子）　それだけは、

　　　絶対に変えるつもりはないんだ。

　　　それが私の本音。

　　　分かってくれるかな？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

早苗さんの恋…初恋は、もう身悶えしたくな

るほど、これでもかってくらいできすぎの、

運命的な出会い、運命の恋バナだった…。

エレベーターに閉じ込められて５時間。たま

たま一緒になった男はドラマーで、その日、

ニューヨークに行く予定で、優しくてかっこ

よくて、キザなイケメンだとは。そりゃ恋に

落ちるしかないわいな～。しかも当時の早

苗さんは高校を出たばかりの18歳。きっと、

みね子…いや、時子のように初々しかった

はずで。すっごくかわいかったんだろうなぁ

って。でもさ、出会ったばかりの女の子に、

「参ったな。恋しちゃったな」なんてサラっ

と言えちゃう男はかなりの遊び人だと思う。

遊び人じゃなくてもそうなる素質十分あり。

25歳まで待つと言っても、７年待つだけで

も十分長い。そこからさらに５年。つまり…

12年も待っていた早苗さん。なんて純情で、

かわいいんだぁ！ なんて、乙女なんだぁ！

話はそこまで、それっきりと言ったけど、あ

の日月時計を飛び出していった日の話は

お預けってこと？ ってことは、早苗の恋に

もオチが…ハッピーエンドが待ってるのか

な？ 待ってたらいいな～ガラスのスティッ

クを持って、王子様に迎えにきてほしいよ。

みね子と世津子の腹を割って話そう問題

は、世津子の、「実と過ごした２人の時間

については誰にも話すつもりはない」とい

うことで解決？ てか、それが答えになる

のかな？ その件について白黒つける気

はないという。まぁ、実と世津子のお話は、

それでいいかもね。それぞれが、自分で

折り合いをつけて納得するしかないこと

なのかも…。それは言わない、聞かない

約束…ってな感じでいいのかもしれない。

少なくとも…世津子さんが誰にも言いたく

ない気持ちはわかるしね。彼女の思い出、

宝物のような時間は彼女だけのものだし。

それにしても…ひよっこのあとの「わろて

んか」の番宣を見て、ひよっこに足りなか

った男性陣への萌えがてんこ盛りの様子

に期待が高まってしまったよ。松坂桃李、

高橋一生、千葉雄大！ これはやばいっ。

ヒデくんが霞んでしまいそうで…やばい。


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