「てるてる家族」(再放送)第38回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第38回

参考出場選手としての出場だったために優勝
できなかった夏子(櫻谷由貴花)。夏子はどう
しても悔しさが晴れず、もう二度とスケートは
しないと言い出す。春男(岸谷五朗)は夏子を
励まそうと秋子(足立悠美加)と冬子(田島有
魅香)を誘い、バタコに乗って、夜の飛行機を
見るために河原の土手に行く。四人でのんび
り夜空を眺めているやさき、止めて置いたバ
タコがすべり落ちてしまう…。

**********

アナウンス) ジュニア選手権大会、
       女子の公式順位を発表します。
照子) えっ…? ちょっと…何言うてんの?
    発表って…もうさっきしたやないの。
アナウンス) 優勝、井上町子さん。
照子) えっ…。
アナウンス) 2位、山崎みどりさん。3位…。
夏子) ウソや…。ウソや…。
    ウソや! 何で!?
照子) ちょっと田中コーチ! 
    これは一体どういう事ですか?
田中) いや~残念ですけど、
    仕方のない事なんです。
照子) そやから何でって!
田中) 最初から言うてたでしょ。参考出場や
    言うて…。まあ、成績1位という事は、
    実力1位いう事ですから、
    すごいやないですか。
照子) 1位や言うても
    1位やないやないですか!
田中) …そうです。成績がなんぼようても、
    順位には関係ないんですわ。
照子) 成績と順位は関係ないって…。
田中) そやから、参考のために
    出場したいう事ですから。
照子) そしたら成績も参考までに
    出したいう事ですか?
田中) …そう。そうなんです!
照子) な…何で…何で夏子だけそんな目に
    遭わんとあかんのですか!?
田中) そやから…ジュニア選手権には
    年齢制限があるんですよ。
夏子) (泣)
冬子) 夏子姉ちゃん。
夏子) (泣)
照子) 夏子、もう泣かんとき。しゃあないやん。
    参考出場なんやから。夏子!
春子) 夏ちゃん!
照子) 夏子!? 夏子!
田中) おかあさん!
(審査員のもとへ滑っていく夏子)
夏子) 何でですか!? 私は1位やのに
    何で優勝やないんですか!?
照子) 夏子!
夏子) 何でですか!? 成績で1位いう事は
    1等賞いう事でしょう!? 1等賞いう
    事は優勝でしょう!? 違いますか!?
    何で!? …何で!? (すすり泣き)
田中) すいません。すいません。
申し訳ありません。すいません。すいません。

**********

ヨネ) そやからいつも言うてますやろ?
    結果が分かってから肉買うたら
    ええもんを…。
春子) おばあちゃん。
春男) 肉はどうでもええやろ。
ヨネ) ほな食べてよろしいな?
春男) あかん! 夏子からや。
ヨネ) ややこしなあ…。
照子) 夏子。早よ食べ。
    いつまでそないしてんの?
(冬子のお腹が鳴る音)
弘子) さあ、夏ちゃん。
ヨネ) おネギやったらよろしい?
春男) あかん!
照子) もうええやないの!
    1位は1位やない!
春男) そやそや。そやな。しかも、
    ほかの選手はみんな年上なんやろ?
    すごいな! それで1位や! 1位や!
    1位や! わ~い…。
夏子) みんな食べたらええやん。
    肉、かたなるで。
照子) それもそやな。そしたら、頂きます!
ヨネ) 頂きます!
照子) は~い。
春男) 何や…。
    いつもはお前の方が落ち込むやろ。
照子) そうかて今日は負けたんと違うんやで。
    「勝負では勝って、試合に負けた」
    いう事や。
春男) そやそや。負けた訳やないねん。
    みんな食べえ!みんな、
    食べ食べ食べ! 頂きます!
秋子・冬子) 頂きます!
春男) はいはい、頂きます。はいはい…。
    食べ食べ。ほら…ほら…。ほら春子。
    負けた訳やないねんから。
あっ、いや
    別に、負けてたかてええんねんで。
    お父ちゃんとしては。なっ?
照子) 何言うてんの? あんた…。
春男) ほら…。
春子) 頂きます。
春男) うんうん。
照子) 弘子ちゃんと静子ちゃんも食べえ!
    せっかく店早よ閉めたんやからな。
弘子) はい。ほな頂きます!
静子) 頂きます!
照子) ぎょうさん食べよ。
春男) うんうん。おいしいやろ?
冬子) おいしい!
照子) おいしいね~。
弘子) うん! おいしい! フフフ…!
夏子) おやすなさい。
春男) 夏子…夏子ちゃん? 夏子ちゃん!
照子) あの子はほんま強情やなあ。
    誰に似たんやろか。はあ~。

**********

春男) どやった?
春子) ほんまに寝てしもたみたい。
春男) 疲れたんやな…。しばらくスケート
    休ましたったらええわ。
照子) またそんなのんきな事言うて…。
    そう言うてもあの子は休まへんわ。
春男) 何でえな?
照子) 今日という今日は、あの子の根性
    見してもろたわ。あれはすごい!
    夏子の中に、あれだけの競争心が
    隠されてたやなんて。私知らんかっ
    たわ。
何や私、安心したわ。
春男) それだけ傷ついたいう事やで。
    何で安心すんねんな。
照子) フフフ…。

**********

私は考えていました。
なぜ夏子姉ちゃんは、
あそこまでなれたんだろうと…。

きっとそれは、
あのスケートリンクに…
あの場所に立った者にしか、
分らないのだろうと思いました。
だから春子姉ちゃんだけは、
あの時泣いていたような気がするのです。

だけど、夏子姉ちゃんの傷が、
そこまで深いとは、
翌朝まで誰も気付きませんでした。

**********

照子) 夏子。もう機嫌直しい。
    そら初めての試合やったから腹立つ
    んも分かるけど。もっと
頑張って、
    の試合で、堂々と
優勝したらええね
    んや。
ねえ? 早よ練習行こ。
夏子) 嫌や。
照子) もう…そんなん言わんと…。
夏子) 1等やのに、1等になられへんような
    スケートなんか嫌いや! もうやめや!
照子) 何アホな事言うてんの!?
    スケートやめる言うの?
夏子) そうや。
照子) そんな事したら、今まで一生懸命
    頑張ってきた事がみんな無駄にな
    んねんで。
夏子) 無駄になってもええ!
照子) もう何をそんなに腹立ててんの?
夏子) 私はな、お母ちゃん。
照子) うん。
夏子) ほんまは勝負なんて、
    どうでもええねん。
照子) うん?
夏子) あの試合でフリーで滑ってる時、私、
    ものすご気持ちよかってん。私が世界
    の中心やってん。光がいっぱい当たっ
    てて、みんな私だけを見てて、私の動
    きに、みんなざわざわしたりため息つ
    いたり、ほんまに楽しかったんや。
照子) そしたら何が不満なん?
夏子) それにケチつけられた事や!
照子) はあ?
夏子) 何で私があんな思いせんとあかん
    の!? もうスケートは続けたない!
    試合すんのなんか一生嫌や!
    みんなお母ちゃんのせいや!(泣)
照子) そしたら、勝手にしい!
夏子) 勝手にするわ!
照子) あっ! もう…。春子! 行くで!

**********

照子) よう分からへんわ。
松本) ああ、おはようさん。
照子) 分からへんわ。
松本) え…? 松本やで?


**********

弘子) なあ、夏ちゃん。
    ほんまにスケートやめてしまうの?
ヨネ) (せきばらい)


それから、夏子姉ちゃんの前で、
スケートや試合の話は、
禁句になりました。

**********

春男) ♪秋子、冬子、秋冬子
    ハハハ…。夏子はどないしてる?
秋子) 学校から帰ってきて、
    部屋に閉じこもったまま。
春男) そうか…。
    毎日一人で何してんのやろなあ。
冬子) ごろごろしてる。
秋子) ため息ついてる。
冬子) 時々笑てる。
春男) な…何でや?
冬子) 知らん。
春男) ほな、呼んどいで。
冬子) えっ?
春男) それから秋子と冬子も、
    う~んと暖かい格好しといで。


**********

(バタコの後ろに乗る冬子、夏子、秋子)
冬子) お父ちゃん! どこ行くの?
春男) ええもん見したるわ~!

**********

春男) 着いたで!
冬子) 何やの? ここ?
秋子) 何が見えんの?
春男) 飛行機や。
冬子) 何や、飛行機か。
春男) 「何や」て、何や。こっから一番
    ようきれいに見えんねんで~!
    さあ、来るで~! 飛んでくるで~!
冬子) わあ!
秋子) きれいや~!
春男) どや? すごいやろ?
    きれいやろ? 夏子。
夏子) 大きいホタルみたいやな。
春男) そやなあ。ほんまや。
    ホタルみたいや。
冬子) お父ちゃん!
    私も飛行機乗ってみたい。
秋子) 私はそんな高いとこ怖いわ。
春男) そうか。夏子はどうや?
    乗ってみたいか?
夏子) 私は、自分で空飛んでみたい!
春男) ハハハ…!
冬子) ほな、私かて飛びたい!
春男) きっと飛べるで!
冬子) ウソや!
春男) あんな鉄の塊かて飛べたんや。
    人間にかて飛べんはずない!
    そやろ? 夏子。
春男) ああ…飛んでいってしもたな。

(バタコが動きだす)
冬子) あっ! ああ~っ!
春男) うわ~っ!
秋子) ああ~っ!
春男) えらいこっちゃ!
秋子) バタコ…ほんまにバタコしてしもた!
冬子) 空飛ぼう思たんやろか?
春男) そんなん言うてる場合か!?
    どないしよ…。


**********

夏子の激しさにびっくり。なるほど~のちにスタ
ーとなる下地が今から見えてきたわけですね。
スポットライトを浴びる、みんなの視線を独り占
めする心地を良さを知った夏子。スケートに対
する思いが、春子とは違う方向に向かっていく
んだろうなぁ、きっと。華がある人は、その華を
きれいに咲かせる事ができる場所が相応しい。

秋子、冬子、夏子を連れ出して、夜の飛行機を
見せる春男のやさしさが好き。飛行機を大きい
ホタルみたいだと言って、私は自分で空が飛び
たいと言う夏子。空を飛べたなら…いいよね~。
な~んて実は飛行機が苦手なので、私はムリ。
地面を走るばかりのバタコまでが、空を飛びた
いと思ったかは分らないけれど…バタコ~!!
バタコがまた元気に走ることができますように。


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