「あさが来た」第147回~淀川生命誕生。もう夜明けやなんて言うてられしまへん | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第147回
第25週 「誇り高き人生
淀川生命誕生。もう夜明けやなんて言うてられしまへん


経済が危機を迎える中、
あえて事業の拡大に打って出たいという、
あさの思いはかない、
合併交渉は滞りなく進みました。

榮三郎) ここに、3会社を合併し、一大生命保険
     株式会社を、設立するものとする。
     よろしゅうお願い申します。
古田) よろしく。
富永) よろしくお願いしますよ。
榮三郎) お願い申します。

(拍手)
新次郎) よろしゅうお頼申します。
古田) よろしくお願いします。
新次郎) どうぞ。
富永) どうぞ、よろしくお願いします。
古田) あなたが、白岡女史ですか!
あさ) へぇ、お見知りおきを。
古田) 大阪の実業家の女傑と
    聞いていましたが…。
富永) いや、噂よりず~っと穏やかで、  
    優しそうっちゃのう。
新次郎) ハッハッハ。
     そらそらどないだすやろなぁ。
富永) いやいや…。
あさ) よろしゅうお頼み申します。
古田) よろしく。
富永) どうぞよろしくお願いします。
あさ) へぇ。


**********

あさ) あ…おおきに。甘酒だすなぁ。
うめ) へぇ。
あさ) せや。これ、福岡土産やて。食べてな。
うめ) まあ、おおきに。
    あ…こら新しい会社の名前だすか?
あさ) そうだす。ようけ意見が出てましたのやけど、
    これで決まりそうだす。
うめ) ふ~ん。
あさ) 淀川は、京都や、奈良や滋賀やらいろんな
    とこから水集めて、海から世界中に流れ出し
    ていくんやて。なかなかええ名前だすやろ?
うめ) へぇ。そやけど、
    もうちょっとお体いたわりはらな。
あさ) うちの事やったら心配あらしまへん。コマも
    回っているうちは倒れへんいいますしなぁ。
    それより…旦那様…どっかけったいなような
    気ぃせぇへん?
うめ) そうだすか?
    お千代様のご婚礼の事で、張り切って
    はるようにお見受けしますけどなぁ。
あさ) そうだすか…。
    それやったらよろしのやけどなぁ。まあ、
    うちみたいなおなごが、女の勘やなんて、
    当たらしまへんのやろけどな…。


**********

その夏、政府から認可が下り、
本社を大阪市東区に置く、
淀川生命が誕生しました。

初代社長には、加野生命から、
加野屋八代目、
白岡久左衛門榮三郎が就任。
取締役には…
平十郎が就き…


(ノック)
さち) どうぞ。
平十郎) 失礼します。頭取、そろそろ。
榮三郎) へぇ。

**********

亀助) まだだすか?
    そない、いろいろ頭に載せて…。
あさ) へぇ…どない? これでええやろか?
千代) よろしおます。
    うちのセレクト、信じとくなはれ。


あさは、創立の功労を買われて、
特待役員として、
相談役の地位を与えられました。
また新次郎は、
淀川生命の榮三郎に次ぐ
2番目の大株主となりました。


あさ) 旦那様も、
    たまには洋装しはったらよろしいのに。
新次郎) いいや。わてはな、これが好きなんだす。
あさ) そうだすか。ほんなら、社屋の落成式、
    行ってまいります。
千代) 行っといでやす。
うめ) 行っといでやす。
亀助) 行っといでやす。
新次郎) あさ。よう似合てますがな。
あさ) おおきに。
亀助) あ…わても行かな!


**********

淀川生命の資本金は、30万円となり、
今まで加野屋が興した中で、
最大規模の、事業となりました。

**********

弥七) やっぱり、けったいやなぁ。
あさ) 弥七さんもそない思いはります?
    旦那様、どっかなぁ…。
弥七) いいや! けったいなんは、あっちだす。
あさ) はぁ?
新次郎) ん?
弥七) あらちょっと仲よすぎだっせ。
あさ) う~ん?
新次郎) そないゆうたらへぇさんなぁ、こないだ、
     里帰りしてきた息子さんとお母さん、ここ
     連れてきた言うてましたな。
あさ) はぁ、息子さんとお母様を!
平十郎) へぇ。よし、弥七、行こか。
弥七) へぇ。
平十郎) お先です。
新次郎) へぇ。
あさ) ほんならよろしゅう頼みましたで。
    うちもすぐ戻りますよってな。
平十郎) へぇ。
美和) おおきに。また来とくれやす。


**********

美和) そや! 生命保険の会社、えらい立派な
    2階建ての建物だすなぁ。
あさ) へぇ。大阪駅も改築が終わって、えらい
    ハイカラな、石造りの建物になりました
    やろ? うちらも大阪代表として、負けて
    られしまへん。
美和) どんどん景色も変わっていきますなぁ。
ヴォリンガー) はぁ~あ、もったいない。
あさ) ん? もったいない?
ヴォリンガー) はい。
        それは非常に、もったいない事です。


**********

うめ) こない日本中相手する会社になったてなぁ。
亀助) わてなんか、何やちょっと、寂しおますわ。
    会社も増えて、こないようけの働き手がいて
    たら、なかなか全部の顔と名前かて、すぐに
    は結び付けへん。東京や、福岡の支社なん
    かいうたら、なおさらだす。それに、わて、も
    う、一応役員だすやろ? そやさかい、新しい
    働き手なんかは、みんなこう…遠慮しますの
    や。だ~れも昔の弥七みたいに、やんちゃな
    ちゃちゃ、言うてくれしまへんのや。
うめ) ほんまだすなぁ。昔はみんなでここで寝起き
    して、ごはんも食べてましたのになぁ。
亀助) そうだすわ。
    な~んもかも筒抜けで、漬物の好みまで
    知ってたあの頃が懐かしおますわ!

(笑い声)
うめ) 亀助さんの恋のお相手もなぁ。
亀助) ちょちょっ…恥ずかし!

**********

ヴォリンガー) 私は、日本の文化と宗教観に興味
         を持って、アメリカから来ました、
         ヴォリンガーと申します。
美和) アメリカでは、
    建築学を学んではりましたんやて。
新次郎) ふ~ん。
ヴォリンガー) はい。
新次郎) さあさあ。
ヴォリンガー) 日本は、何世紀かは、封建制で
         外からの影響を受ける事なく過ご
         してきました。
あさ) ああ、徳川様の事だすなぁ。
美和) ず~っと鎖国だしたさかいなぁ。
新次郎) それにしても、
     えらい日本語、お上手だすな。
ヴォリンガー) それがたった30年で、どうです!?
         過去を何もかも捨て、今や、どこをど
         う取ったって、西洋のものまねです。
         もう、ワンダーランドは、
         消えてしまった…。
あさ) そやけどそれは、日本が、生き延びるため  
    だしたのや。この国守るためには、むやみ
    に戦うのやのうて、柔軟に西洋の文化受け
    入れて、政治でも経済でも、大きなるのが
    一番やったさかいだす。
ヴォリンガー) ああ…それはそうかもしれない。
あさ) そこは新政府のおかげだす。
    そら、やり方がどないかて
    思た事はようけありますけど…。
美和) 藩が県になったり…。
新次郎) 慌てて髷切ったり、
     日曜休みにしたりなぁ。
あさ) そうだす。そやけどそないして、みんなで、
    日本ゆう船乗って、漕いだり、流されたり
    して。ようよう今の朝迎えた事は、間違い
    やあらしまへん。
ヴォリンガー) なるほど。
あさ) な~んて偉そうに言うてましてもなぁ。
    もうそろそろ、朝も終わりだすなぁ。もう
    夜明けやなんて言うてられしまへん。
新次郎) そうだすなぁ…。あとはここまで、肩肘
     はって大きなったこの国が、どないなる
     か…。よっしゃ。こない大事な事はお酒
     飲んで、じっくり話しせなあきまへんな。
美和) そうだすなぁ。
    おビールでもお持ち致しまひょか。
新次郎) へぇ。
あさ) へぇ。


**********

(あさの寝顔を見つめている新次郎)

**********

それからしばらくして…

新次郎) ごめんやす。
はつ) まあ、新次郎さん。
惣兵衛) やぁ! よう来はりましたな。
     どないしはったんだす?
新次郎) いやいや、大阪の町も変わってしまいま
     したよってな。何とのう昔からの日本の景
     色見たなって、来てしまいましたのや。
はつ) そうだすか。
新次郎) はぁ、何や、ほっとしますわ。ハハッ。
養之助) おっ、おじちゃんや!
新次郎) ああ、養之助。
養之助) お久ぶりです。
新次郎) 無事に帰ってこられてよろしおましたなぁ。
     ん? この赤ちゃんは…養之助の?
養之助) はい。
惣兵衛) そうだす。初孫だすわ。
はつ) あさに、手紙書こ思てたとこだす。
新次郎) はぁ、そらそら、めでたいことだすなぁ。
     ハハッ。


**********

新次郎) …で、今は、みかんの山で、
     どないな事してますのや?
養之助) 毎日水さしや。みかんてなぁ、水まくの
     やのうて、こう…一本ずつに水ささな育て
     へんねん。今の時期やったら毎日、有田
     川からおけで水くみ上げて、丁寧に丁寧
     にやってます。
新次郎) へえ~。養之助はええなぁ。生きる力
     があるいう感じしてますわ。わても明日、
     山でええ空気吸わしてもらお。
はつ) 旦那様。今日はちょっと、
    量が多すぎるのと違いますか?
惣兵衛) そやけどうれしやないか! あの田舎
     嫌いの新次郎さんが、「山ええなぁ」
     言うて、遊びに来てくれてんのやで!
新次郎) そうだすなぁ。
惣兵衛) そやろ? どない世の中変わっても、わし
     らはな~んも変わられへん。そやけど、新
     次郎さんがいつしんどなって来てくれても、  
     こないして、変わらず迎えられる。大きいお
     店も家やけど、これはこれで、大事な家や。
     へへへ。
はつ) せやけど、今日はここまでだす。
惣兵衛) え~…ええやないか。
養之助) お父ちゃん酔うと、
     イノシシの話ばっかりするんやよって。
新次郎) イノシシ?
養之助) あ…おじちゃん知らんかった?
     お父ちゃん、初めて大阪出て、和歌山
     来た時、山でイノシシに会うたんやて。
惣兵衛) へへへへ…。そうだすのや。一刻も
     早はつのとこ帰らなあかんさかいな、
     こう…拳で戦うて、倒しましたんや。
はつ) へぇ、おみかん持って
    帰ってきてくれましたなぁ。
惣兵衛) あの頃のわしは筋骨隆々やったさかい
     なぁ。こう…こないしてバババ~ンいうて、
     倒しましたんや。なぁ?
はつ) へぇ、そうだすな。
養之助) ほんまかいな?
惣兵衛) ほんまや!
     お前、イノシシはなぁ、眉間や。
     イノシシとヒグマは眉間。

**********

(惣兵衛と新次郎の笑い声)

はつ) 何話ししてますのやろなぁ。

夏の終わりの事でした。

**********

昔を懐かしむ亀助とうめ。亀助同様、昔の加野屋
が恋しくなるのは、同じ時を見てきた連続ドラマだ
からこそ。今回の朝ドラの特筆すべきところは、登
場人物がみな、本当に、上手に少しずつ年老いて
いくところ。みんなちゃんと若い頃のやんちゃで可
愛いかった姿が思い出せるし、今の落ち着いた姿
に、年月がたったことを感じさせられる。大番頭雁
助と亀助のやり取り、亀助と弥七のやり取り。うめ
も、元気に大きな声を出していたっけ…。何もかも、
筒抜けで、プライバシーなんて微塵もなくて。それ
でもみんなあっけらかんと明るくて、いつも笑顔が
絶えない加野屋の賑やかな空気感。会社が大きく
なって、人が増えると、嫌でも変わらざるをえなくな
る。そういうものだと分かっていても、寂しいもので。

急速に近代化、外国のものまねをして変わってい
く日本を、「もったいない」と嘆く外人さんに、戦わ
ずにこの国を守るために必要だったと答えるあさ。
既に便利さを享受している者が、これからの国や、
人たちに、今まで通りの不便を強いるのは身勝手
なお話。この西洋をまねた明治の建物は、今では
古き良き時代、「残しておきたい日本」の財産にな
っていたりする。昔のものと、今のもの、もっと先に
現れる未来のもの。いろいろあって、懐かしんだり、
ワクワクしたり、世代を交代しながら前に進んでい
くものなのかもね。西洋に追いつけ追い越せだっ
た夜明け前から…朝が来て、もっともっと、世界が
見えて来て…。大久保さんや五代さんが思い描い
ていた未来は、今につながっているんだろうか…。

新次郎の様子がけったいに思えるあさの不安を増
長させるような、和歌山に「新次郎が来た~!」編。
酔って同じ話を繰り返すという惣兵衛。筋骨隆々だ
った昔の、イノシシと格闘した話をしたくなる気持ち
が分かり過ぎて辛い。だんだん、分かっちゃうんだ
よね~ホント。年を取っていくと、昔よく聞かされて
いた、年を取ったらああなる、こうなるっていう話が、
本当だって事が。いやでも身にしみて分かってくる。

どない世の中変わっても、
わしらはな~んも変わられへん。そやけど、
次郎さんがいつしんどなって来てくれても、
こないして、変わらず迎えられる。
大きいお
店も家やけど、
これはこれで、大事な家や。


新次郎が、ここに来たくなった気持ちがよく分かる。
しんどくなった時に、迎えてくれる人が、家が、ここ
にもある。若い頃から互いにいいところも悪いとこ
ろも知っている人たちが、そこにいてくれる幸せ…。
人は老いていく。惣兵衛も、新次郎も。分かっては
いることだけど…切ないなぁ。切ない生き物だから、
大事に生きていかないといけないんだね…私たち。


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●「あさが来た」HP


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