「あさが来た」第146回~不安な時ほど大きいもんに頼りたなるのは人の常だす | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第146回
第25週 「誇り高き人生
不安な時ほど、大きいもんに頼りたなるのは人の常だす


あさ) 榮三郎さんの興しはった、生命保険だすけ
    どなぁ、契約数伸びてたのに、この不況で
    止まってしもてましたな。
榮三郎) はい。戦争のあとで、保険金が支払われ
     た事で、日本でも、ようよう生命保険のあり
     がたみが分かってきたいうのに、契約を増
     やす競争は、余計厳しなってしもて…。
平十郎) ひょっとして奥さん、
     炭坑だけやなく、生命保険の商いまで、
     手放すおつもりですか!?
榮三郎) え!?
あさ) いいや。いっそ、大きしよ思てますのや。


**********

あさ) うちとおんなじように、経営に行き詰ってる
    保険会社はようけあります。そこを2つほど
    見繕うて、手ぇ組んで、合併して、より大き
    い保険会社にしたらどないか思いますのや。
平十郎) へ!? 合併? いや~しかし、
     今保険は、欠損が続いております。しかも、
     この金融恐慌のさなかやいうのに…。
男性) そうです!
    合併なんてややこしい事、してられません。
男性) そうだす。
    まずは自分らで、黒字に持っていきまひょ!
あさ) 不安な時ほど、大きいもんに頼りたなるの
    は人の常だす。そやけど、小さい会社が守
    りに入ってたら、結局大きい会社にのみ込
    まれておしまいだす。まずは自分らが大き
    なって、この保険業界に、風穴開けまひょ。
榮三郎) まさか、最初からそのつもりで炭坑を?
あさ) ご明察だす。頭取も言いはったとおり、こ
    の国は、保険のありがたさに、ようよう気ぃ
    付きましたのや。加野屋の事業の中でも、
    生命保険は、この先の日本で、一番見込
    みのある事業だす。これを伸ばさへん手あ
    らしまへん。
亀助) え~これが、今現在廃業しそうになって、困
    ってるいう噂のある、保険会社の一覧だす。
平十郎) へぇ!
     これは北から南までありますなぁ。
あさ) 困ってるとこに手ぇ差し伸べたら、合併交渉
    かて有利に進められます。今が好機だす。

**********

亀助) こっちゃが、頭取が披露宴に呼んでほしい
    言うてはります、大阪のおもだった経済人
    の方々の一覧だす。
啓介) はぁ~。
千代) こないにようけなぁ。
榮三郎) 当たり前だすがな。
     こないな時やからこそ、啓介さんを大阪中
     にお披露目して、加野屋はこの先も安泰
     やいうとこ見せとかなあかんのだす。ほん
     なら皆さん、よろしゅう頼みましたで。
あさ) お気張りやす、千代。あんたの啓介さんの
    妻としての、初めての大事なお務めだっせ。
千代) 分かっております。せや、お父ちゃん、
    お母ちゃん。啓介さんと話してて、うちら
    の住む家の事なんやけどなぁ。
啓介) はい。僕ら、そんなに慌てて、
    家を建てる必要はないんじゃな
    いかと思っているんです。
あさ) へぇ。
啓介) 銀行が大変な今、僕たちだけが結婚した
    からといって、ぜいたくをしている場合では
    ありません。
新次郎) ほ~う。
啓介) 商社の商いも、
    今は何かと厳しいと聞きますし。
あさ) そうだすのや。新しい商法で、ようよう
    諸外国とおんなじ仕組みが出来たとこ
    だすさかいなぁ。これからだすのや。
啓介) それでしたら、僕たちも、とりあえず、
    近くに仮住まいをしたいと思います。
    僕も、もっと大阪の事を知ってから、
    家を建てたいですし。
千代) …という事だすのや。
亀助) はぁ~
    そないな事まで考えてはるやてなぁ。
啓介) あ…それから、
    次からこちらに来た際には、僕も会議に
    参加させてもらえませんでしょうか?
あさ) え?
啓介) 無論、末席で結構です。
    もっと商いの事を知りたいんです。
新次郎) はぁ。そらそら、熱心な事やな。
あさ) なぁ。そないな事言うてくれはんのやったら、
    ほんまにありがたい事だす。びっくりぽんや。
    おおきに、啓介さん!

(啓介の手を取り、握手するあさ)
千代) あっ、ちょっと…。
平十郎) 奥さ~ん! あれ?
あさ) はれ?
亀助) あの声、へぇさんと違いますのか?
新次郎) ああ…。
平十郎) 奥さん、朗報です!(荒い息遣い)
あさ) どないしはりましたんだす?
    そないな格好で…。
うめ) へぇ、お風呂入ってたのに、走ってきたて。
平十郎) へぇ! 今家の方に、新聞記者やってる
     友人が来まして。大阪の金融恐慌に、日
     銀の、救済融資が決定したそうです!
あさ) あ…ほんまだすか!? よろしおました!
    やりましたな。
新次郎) これで、銀行も大阪も安泰だすな。
亀助) あ~よろしおました。


**********

千代) 近頃は、婚礼で、
    ドレス着る花嫁もいるそうです。
啓介) そう。僕は常々、
    女性の洋装は苦手だったんだ。
千代) 着物の方がお好き?
啓介) うん…。
千代) うちも、そうだす。
啓介) しかし、お母さんの洋装は、悪くないね。
千代) ふ~ん…。
    母と仲がええのは、うれしい事だすけど。
    それ以上言いはったら、ちょっとやきます。
啓介) ん…?
千代) いいや、何も。


**********

新次郎) 啓介さんは頼もしなぁ。あないなふう
     やったら、安心して千代託せます。
あさ) そうだすなぁ。何や加野屋にも、
    新しい風、吹き込みそうな気ぃします。
新次郎) せやろ? わてなぁ、近頃よう、昔の事
     思い出しますのや。例えば…。


(回想)
あさ) 明治の世やなんて、誰が作りはったんや!
    くそ食らえだす! わ~っ!

あさ) フフッ。嫌や…よりによってそないな事。
新次郎) あれからもう30年以上も
     たったやなんてなぁ。
あさ) そうだすなぁ。五代様や、大久保様の願て
    はった、国づくりがようよう出来上がろうと
    してます。五代様も、ちょっとは立派になっ
    た言うて、褒めてくれはりますやろか?
新次郎) さあ、まあそら、どないだすやろな?
あさ) 旦那様が昔話やて…珍し事なぁ。
新次郎) はれ? そうだすか?
あさ) へぇ。


**********

翌朝、平十郎の言葉どおり、
新聞で、大阪の金融恐慌に、
日銀の救済融資が決定した事が、
大々的に報じられました。


亀助) あんだけ出ていくばっかりやったお金が、
    こないに一転して、戻ってくるとはなぁ…。
平十郎) 現金だけに、現金なもんですなぁ。
亀助) へ?
平十郎) へぇ。


**********

榮三郎) 経済はまだ不安定だす。今のうちに、
     今はまだ弱いこの生命保険部門を強化
     したい。
平十郎) 保険部門を強化すれば、
     長期の契約を増やす事ができます。


生命保険会社の合併への動きは、
一気に進みました。


**********

そして、あさは、新次郎と東京へ足を運び、
念願だった、女子大学校の授業に出席しました。


絹田) ディナイ ザイ ファーザー アンド リフューズ
    ザイ ネーム オア イフ ザウ ウィルト ノット
    ビー バット スウォーン マイ ラブ アンド
    アイル ノー ロンガー ビー ア キャピュレット。
    ジュリエットはこう言うてます。
    「おお、ロミオ! ロミオ!
    なぜあなたはロミオなのじゃ?」。


(授業を受けているあさを見ていて、
若き日のあさの姿を見る新次郎)

**********

あさ) へえ~宜ちゃんがみんなをまとめてなぁ。
宜) はい。成澤先生に、学生生活の自治組織
  化を図るようにと言われてるんですけど…。
女学生) 白岡のおば様、こんにちは。
女学生) こんにちは。
あさ) へぇ、こんにちは。
女学生2人) はぁ!
宜) 次に来はりました時は、成澤先生の、
  実践倫理の講義をおすすめ致します。
  あの、火山から立ち昇る、
  火柱のような熱弁ゆうたら!
あさ) はぁ、そら聞いてみたいなぁ。
    せや。女子寮の方は、どないだす?
宜) はい…寮監のくせに、世間知らずがたたり、
  台所道具を買い集めるとこからまごつきました。
  せや。千代ちゃんも、結婚の支度で、
  頑張ってる頃ですね。
あさ) へぇ、そらもう。
宜) そうですか。千代ちゃんもそのうち、洋館で
  ドレス着こなす、貴婦人になるのやろなぁ。
あさ) へ? 千代がドレス?
宜) はい。千代ちゃんは、子供の頃からドレスが
  好きで、それが、何や、気に入らんお人が先に
  着たせぇで、意地張って、ず~っと、興味ない
  フリしてたみたいです。
あさ) 気に入らん…?

(回想)
あさ) どないだす? 似合てます?
千代) ぜ…全然似合てへん。


あさ) あっ! ちょっとも気ぃ付かへんかったわ。
成澤) 白岡さん!
あさ) ああ、先生。

**********

成澤) どうぞ。ああ…。
あさ) はぁ…。
    あっ、ここで寝泊まりしてはりますのか?
成澤) はい、そうです。あれ? ご主人は?
あさ) 亀助さんと一緒に、校内散歩してくる言うて、
    出ていきました。はぁ、この上着もそない継
    ぎ当てして…。
成澤) ああ。私は、なるべく学生たちのそばにい
    たいだけです。彼女たちは、我々が誹謗中
    傷を浴びながらも、苦労してこの学校を作
    ったのと同じように、「なぜ女が大学校なん
    か」と言われながらも、類いまれなる情熱
    を持って入学してきてくれた者ばかりです。
    私は、彼女たちを愛しています。彼女たち
    が成長するならばどんな事でもしてやりた
    い。もっと語りかけ、話をしたい!
    あっ、そうだ。白岡さんもそのうち、学生た
    ちに訓示を与えてやって下さい。
あさ) うちだすか?
成澤) はい。
あさ) そやけどうち、何話したらええのか…?
成澤) 何を話すどころか、あなたの人生経験
    そのものが、女子の一つの指標です。
    何でも語って下さい。
あさ) そない言うてくれはりますのやったら。
    そうだすなぁ、いつか、是非。
成澤) ええ! どうぞ。
あさ) 頂きます。
成澤) 頂きます。ああ、うまい! お代わりを。
宜) はい。


**********

大阪に戻ると…

あさ) 東京行ってこの、古川生命の様子見て
    きたんだすけど。悪ない会社でしたわ。
榮三郎) おお。農商務省からは、ここと、ここを
     勧められました。営業している地域や顧
     客層が、うちとは、違てますしなぁ。合併
     したらお互いに有利やないかて。
あさ) へぇさん、印つけたとこ、
    交渉始めてもらえますか?
平十郎) へぇ。任しといてください。


**********

平十郎) この保険業界きっての好機に、我々皆、
     だんごでいてても仕方ありません。契約
     内容をすり合わせて、いいものに一新し
     ていけば、これまでの各社単独の時の、
     何倍もの急伸を見る事間違いありません。
男性) しかし、役員はどう選出するんですか?
平十郎) へぇ。
男性) そもそも、契約者の層も違いますが?
平十郎) へぇ。

**********

そして、年を越して…。

あさ) あっ、来はった!

東京の京橋区で営業していた、古川生命、
九州の資産家を発起人とした、福豊生命が、
加野生命と合併相手として、選ばれました。


あさ) 古田様、富永様、ようこそ大阪へ。

加野屋最大の事業誕生への、
最後の山場です。

**********

不安な時ほど、
大きいもんに頼りたなるのは人の常だす。

単純に、小さいところより、大きいところのほうが頼
りになりそうで、大丈夫そうに見えるってのはある。
特に、お金を預けるとなれば、そう思うのは当然で。
なるべく倒産しそうにない会社に大事なお金を預け
たい、保険を掛けたいと思う人間の心理を読んで、
この機会に事業を拡大しようと考えるあさの商売人
らしさに惚れ惚れする。加野屋の危機を支えてきた
炭坑を売り、当主榮三郎の事業を大きくするという、
夫婦ともども八代目の後見人としての役割を全うす
る、最後のお仕事のようにも思えて…。グッジョブ!

念願の女子大学校の授業を受けているあさの姿に、
娘時代のあさを見る新次郎の嬉しそうなこと。勉強
が好きで好きで、赤いそろばんを嬉しそうに、ずっと
大切にしてきた、新次郎の格別なおなご、あさの姿
を愛おしそうに見守る新次郎。この頃昔を思い出す
という新次郎のシーンに出て来た砂時計が、その先
の時間の短さを予感させられるようで、今から辛い。

啓介に、近頃では婚礼にドレスを着る花嫁もいると
いう話を振って、様子を伺う千代。ドレスは苦手だ
ったけれど、あさの洋装はいいという啓介に、まん
ざらでもない様子の理由が、宜ちゃんによって明か
されるのが上手いなあと。千代が小さい頃からドレ
スに憧れていた事に気付かなかったあさは、安定
の鈍さではあるのだけれど…。大きくなってからの
千代の様子に私もすっかり騙されたというか、忘れ
ていたけれど、確かに子供の頃、鹿鳴館の絵に見
とれていたっけ。その時、ドレスをいいなぁと言った
千代は、即座に金魚みたいでどこがええのやとあ
さにケチをつけられるんだよね。なるほど、あの時
から、千代の意地っ張りは続いていたんだねぇ…。
第96回~月曜日のへぇさんと、はつとの10年ぶりの再会
そのくせ、いの一番にあっさりとドレスを着てしまう
あさ。全然似合わないとケチをつけたくもなるよね。

どうやら、気に入らん人への呪いも解けて、千代が
晴れて念願のドレスを着る姿が見られそうな予感。
あさにツンツンしっぱなしだった千代が、結婚を前
に、いよいよ本格的にデレるのか、見どころかも~。


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●「あさが来た」HP


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