「あさが来た」第145回~加野銀行には両替屋時代からの伝統と信用がございます | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第145回
第25週 「誇り高き人生
加野銀行には両替屋時代からの伝統と信用がございます


加野屋の大奥様の、
よのが亡くなりました。

和歌山では、
養之助が、無事に家に戻り、
東京では、
あさの支援していた日本初の、
女子の大学校が、創立の日を迎えました。

しかし…


榮三郎) お兄ちゃん、えらい事だす!
     難波銀行も、七十九銀行も
     支払い停止になったそうだす。
平十郎) こら、きっと、
     大きな取り付け騒ぎになります。
新次郎) あさが言うてたとおりに
     なってしもた、ゆう事か…。

**********

平十郎) 部長係長は集まって下さい。
     各支店にも、電信打ってや。
佑作) はい。
榮三郎) 東京のお姉さんにも
     至急連絡を取りたいのや。
藍之助) はい。

大阪恐慌。
明治維新後の大坂に、最大のピンチが
訪れようとしていたのでした。

**********

弥七) はぁ、うめさんにお嬢さん。
    おはようございます。
千代) おはようさんだす。
弥七) こないな朝から、何したはりますのや?
千代) へぇ、それは…。
うめ) 今日は、婚約者の啓介さんが、朝一番で
    おいでになるいう事でな。それで、こない
    して待ち構えてるいう事だす。
弥七) はぁ、そらそら。
佑作) ええ朝でございますなぁ。
男性) おい! 頭取はいてるか?
弥七) いいや、まだ開店前だすさかい。
男性) さてはこの銀行も危ないのやな!?
弥七・佑作) はぁ?
男性) 難波銀行が倒産しそうやて
    聞いたさかいな!
男性) お前んとこも逃げる気やあれへんのか?
弥七・佑作) いやいや…!
男性) あ? どやねん!?
男性) おい!

(ざわめき)

**********

平十郎) あかん…。とうとう難波銀行の、とばっ
     ちりが来ました。大阪はもうどこの銀行
     も、預金者が詰めかけてきてます!
すず) 何でこないな事に…。
藍之助) 去年、清の国で、
     大きい戦乱があったせぇやて。
榮三郎) あれで日本と清国の貿易が止まってし
     もて、それで今までその商いで儲けてた、
     大阪商人たちが、いっぺんにお金が回ら
     へんようになってしまってますのや。
平十郎) へぇ。
榮三郎) へぇさん。やっぱり預金者に安心して
     もらうためにも、支払うた方がええのや
     ないやろか?
平十郎) へぇ…。いいや! あきません。こんな
     大騒ぎになってしもて、言いなりに預金
     支払っていたら、一体どんな額になるか
     分かりません。ここは、よっぽどの理由
     がない限り、うちも一旦支払いを、停止
     するべきです。
榮三郎) わてらが扱うてんのはお客さんのお
     金だす。困ってはる時に返さへんのは、
     おかしいのと違うか?
平十郎) 確かに、それが正論ですが…。

(物音)
佑作) あっ、イッタ!
平十郎) 大丈夫か? 佑作!
佑作) ああ…。
榮三郎) 大丈夫か?
平十郎) あっ、メガネ! 
佑作) ああ…。話し合いにもならしまへん。
    返してくれの一点張りで。
新次郎) えらい事だすなぁ。
榮三郎) 何のんきにお茶飲んではりますのや!
     お兄ちゃん。
新次郎) いいや、わてなんかが深刻ぶって、
     眉間シワ寄せたかて、
     何の役にも立たれへんさかいな。
     それに、お前が小ちゃい頃にも、
     こないな事あったなぁて。
榮三郎) あ…。

(回想)
亀助) 「引き換えせぇへんのやったら、店主
    出せ!」言うて、聞かへんのだす。
榮三郎) それやったらわてかお兄ちゃんが 
     行くしかあらしまへんな。
新次郎) いや~わて、こんなん苦手やわ。
     そやさかいいうて、お前行かせる訳
     にもいかへんしなぁ。
あさ) そうだす!
新次郎) あさ! ひとつ、ここは、頼むわ。
あさ) へっ?
榮三郎) えっ?
亀助) へっ?


新次郎) さて、ぼちぼち、
     わての格別なおなごはんが、
     帰ってくる頃違いますかいな。


**********

(ざわめき)
啓介) これは一体…!
千代) 啓介さん、 こっち!
うめ) はぁ、えらい事になってしもた…。


**********

(ざわめき)
あさ) はぁ~前にもこないな事ありましたなぁ。
亀助) 御一新あとの銀目廃止の時だすわ。
    懐かしなぁ。

**********

男性) どないなっとんのや!
(飛んできた靴が頭にあたる弥七)
弥七) 誰や!? こないなもん投げたんは!
(ざわめき)
あさ) よっしゃ、行きまひょ。
亀助) へぇ!
男性) 奥さんや!
男性) 女社長や。
男性) 来たで、来たで!
男性) 預けた金返してくれへんか!
男性) 金返してぇや!

**********

啓介) 危ない!
(出て行こうとする啓介を止めるうめ)

**********

男性) 加野銀行が危ないて
    聞いて来たんやけどな。
あさ) まだ開店まで5分ございます。
    お待ちになっとくれやす。
男性) わしら預金者やで! 預けた金が無事な
    んかどうか、説明してもらわなあかんな!
あさ) 無事に決まっております!
    信用してお待ちになっとくれやすて
    申し上げてるんだす。
男性) 加野銀行が潰れるて聞いたで!
男性) そや! ええ?
あさ) はぁ? 誰が言いましたんや、そないな事!
    何根拠にそないな事言わはりますのや!
    加野銀行には、両替屋時代からの伝統と
    信用がございます。めったな事ではビクと
    も致しまへん。ええ加減な事言うてもろた
    ら困りますがなぁ。どうか私どもを信用して、
    あと5分…。
亀助) あっ…。
あさ) ん? あっ…。
    あと4分、お待ちになっとくれやす。


**********

平十郎) 難波銀行がいよいよ
     あかんようになりましたわ。
あさ) 知らせてもろておおきに。
    遅なってしもて堪忍だす。
平十郎) へぇ。危ないと聞いてましたが、
     こんなに早いとは思いませんでした。
あさ) 難波銀行は、
    取引先がようけ潰れてしもたさかいなぁ。
榮三郎) これから恐慌は、日本中に飛び火する
     思います。きっとまたあの頃の両替屋み
     たいに、ようけ銀行が潰れますやろなぁ。
     あっ、いや…みんなに、お金支払うた方が
     ええのは分かってます。そやけど、万が一
     とばっちり受けて共倒れになったら…。
あさ) 大丈夫だす。うちのお得意さんは、
    おおかた経営もしっかりしてはります。
    表にいる預金者には、店開けて、
    全額支払いまひょ。
平十郎) へぇ!?
あさ) 何のために
    炭坑売った思てはりますのや?
平十郎) そない言いますけど奥さん。
     ほかが、支払いを停止して、うちだけ支
     払ったら、今日だけやない、これから先、
     どれだけの客がうちに詰め寄せてくるか
     分かりません。
あさ) そやけど恐慌いうたら、日本そのものの
    危機だすわなぁ。政府が、ほっとく訳あれ
    へんて思いはりまへんか?
平十郎) その政府で働いてた私が、
     まずいと言うてるんです!
あさ) あれま。
新次郎) そうだすなぁ。まあ、へぇさんの言わはる
     事よう分かります。そやけど何やわて、銀
     行の神さんの言葉、思い出してしもてな。
あさ) ああ…。


(回想)
渋沢) 銀行にとって、最も必要なのは、
    信用がおけるかどうか。
    信用さえあれば、あとは自然に、
    人が金を運んできます。

新次郎) それだす。
     ほかの銀行が支払われへん中、
     うちが無理してでも支払うたら、
     お客さんはきっと喜んでくれはる。
     そしたらまたいつかきっと、信用して、
     お金預けてくれはる。
     円は、ご縁だすさかいな。
あさ) 旦那様。
榮三郎) そういうたら、お父ちゃんも
     ようそない言うてはりましたな。


(回想)
正吉) お金という大切なもんを
    扱うてますのやさかいなぁ。
    お互いにこう、まことの心を持って、
    信用をし合わん事にはどうにもなら
    しまへんやろ?


亀助) わても何べんも聞きましたわ。
あさ) へぇさん。どうか、頼みます!
    甘いやつらやなぁて思いはるやろけど…。
    これが、この加野屋のやり方なんだす!
平十郎) へぇ! こうなったら腹くくります。
     よっしゃ、払うで! 店! 開けるで!
亀助) へぇ。承知!

**********

多くの銀行が支払いを停止する中、
加野銀行は、
預金者への支払い戻しを続けたのでした。


男性) いや~加野銀行様様ですな!
    払てくれたの、ここだけやで。
男性) 助かりましたわ。
男性) ああ、ほな!

**********

うめ) まず建てる家によって、家具を洋風
    であつらえるか、和風であつらえるか
    決めなあきまへんのだす。
千代) はぁ、そうだすなぁ。
    こない選ぶのは楽しいけど。
啓介) うん…。
あさ) はぁ~あ。
    何や、気ぃ張ってたらしんどなってしもた。
    やぁ…すんまへんなぁ。
    啓介さんにこないなとこ。
啓介) いいえ。大変な時にお邪魔してしまって。
新次郎) いやいや、大変やあれへん時の方が
     少ないのやさかい。ほらほら。
     ちょっと、肩の力抜きなはれ。
あさ) いつもおおきに旦那様。
千代) ちょっとお父ちゃん!
    啓介さんもいてはるいうのに。
新次郎) へぇへぇ。そら啓介さんみたいな旦那さ
     んやったらよろしのやけどなぁ。わてはな、
     人に弱み悟らさんと、いつも強気に出て
     道理通すゆうお商売人のやり方を、すっ
     かり、自分の奥さんに託してしまいました
     よってな。まあ、そやさかい、常日頃から、
     ねぎらわなあきまへんのや。
あさ) 何言うてはりますのや、旦那様ゆうたら。
新次郎) へへへ…。
うめ) 肩やったらもう、うめがもみますさかい。
新次郎) そうだすか。ほんならわて、
     お茶でもいれまひょかいな。
うめ) お茶もうめがいれます。
    ちょっと休んどくなはれ。
新次郎) わてが行きますさかい。
     いいや、あかんて、もう…。
あさ) ああ! やぁ、こないな家なぁ。こないな
    造りやったら、洋服でも裾が持っていか
    れへんかも分からしまへんなぁ。
啓介) 裾が持っていく?
千代) へぇ。うちは、元が和風の造りだすさかい。
    母みたいな服は、裾がぶつかって、
    お裁縫道具やら、いろんなもん倒し
    てしもて、たまりまへんのだす。
あさ) へぇ。
    西洋では、物は、下に置けへんそうで。
千代) へぇ。そうみたいだす。

啓介は、加野屋の一員として、
今何ができるかを、考え始めていました。

**********

あさ) はぁ、お茶たててはりますのか。
新次郎) へぇ。このごろ、お三味線仲間減って
     きましたさかいなぁ。これからは、こっち
     ゃの方気ぃ入れてみよ思てますのや。
あさ) うん。そらええこと。
    そやけど、久しぶりにお三味線も、
    聴いてみとおますけどなぁ。
あさ) 旦那様?
新次郎) ん? 何だす?
あさ) いいや…。


新次郎の様子に、
なぜか不安を覚えるあさでした。


**********

電・あさ) へぇ。へぇ…大隈様、決してそないな
     事は…。心配してくれはって、おおきに
     ありがとうございます。また近いうちに
     お伺いさしてもらいますさかい。
     へぇ。ほな、失礼致します。


**********

あさ) 大隈様からだす。
    東京でも、加野屋が潰れるんや
    ないかいう噂があるみたいで。
榮三郎) そうだすか。
平十郎) へぇ…。
     相も変わらず、預金の引き出し、
     相次いでます。
榮三郎) やっぱり、何か手ぇ打たんと。
     このままやったら…。
あさ) あの…頭取。
    これが、手ぇ打つ事になるかどうないか、
    分からしまへんのだすけど…。

あさは、
加野屋最大の大改革を、
考えていました。


**********

あさの予想どおり、大阪恐慌という大ピンチが到来。
御一新あとの銀目廃止で大騒ぎ~ふたたび。押し
寄せる人々の姿にあわてる榮三郎、平十郎の前で、
のんきにお茶を飲む新次郎。こんな時こそ新次郎!
動じない、落ち着いている人がいないとね。その昔
を回想しつつ、あさの登場を匂わせる、新次郎のセ
リフがいい。ヒーロー、ヒロイン登場の前説のよう♪

さて、ぼちぼち、
わての格別なおなごはんが、
帰ってくる頃違いますかいな。

店の前の騒ぎを見ても、慌てるどころか懐かしいと
言うあさの頼もしいこと! さすが、新次郎に格別な
おなごと言わせるおなご。ほんにほんに、いつのま
に、頼りになる、やり手の女実業家らしい風格が感
じられるようになって…。銀行の神様、渋沢の言葉
と、正吉さんの言葉のとおり、信用を大切にする加
野屋のやり方を通そうとするあさ。両替屋時代から
の伝統と信用、それが何より加野屋の財産だから。

苦境の時の行動に、その人の心根、本質が見える。
災害時の無欲な行動が、その後の大きな信用につ
ながること、人の弱みにつけこんだ人を、人は決し
て忘れないし、信用しないことは、たくさんの人が経
験済みだと思う。預けたお金を返してくれない銀行
なんて、そりゃ、信用できないし、2度と使いたくない
と思うだろうし。お金は戻っても失った信用をとり戻
すのは大変なこと。お金は寂しがりだから~信用で
きるところに、安心できる所に、集まっていくのよ~。

新次郎の異変フラグが気になるけれど…人はみん
な年老いていくものだと、改めて感じさせてくれるド
ラマだなぁと。みんな、丁寧に年老いていて、それ
がなんとも切なく、愛おしく…。新次郎とあさは2人
一緒の状態で終わってほしいと、切に願ってしまう。

これから起こる前フリが、丁寧に描かれた、いつも
の月曜日。残り2週間、ドキドキワクワク致しまひょ。


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●「あさが来た」HP


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