月曜ゴールデン特別企画 「恋」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

月曜ゴールデン特別企画
「恋」



1972年(昭和47年)2月28日。軽井沢で起こった連合赤軍
浅間山荘事件に、日本人の目が釘付けになっていたあの
日、事件現場からさほど離れていない静かな別荘地で、
もう一
つの殺人事件が起こっていた。加害者は22歳の女
子大生、
矢野布美子(石原さとみ)。被害者は、地元の電
気屋のア
ルバイト青年と大学の助教授。電気屋の青年は
射殺され、
助教授は下半身不随の重傷を負った。事件現
場には助教授
の妻も居合わせたが、まるで貝のように固
く口を閉ざして
何も語らない。ごく普通の女子大生であっ
た布美子は、英
文学翻訳のアルバイトで出会った大学助
教授の片瀬信太郎
(井浦新)と妻・雛子(田中麗奈)と倒
錯した“恋”に落
ちる。やがて、その恋はひとりの青年・大
久保勝也(斎藤
工)の出現によって急速に崩壊していった
のだった。そし
て、布美子は事件の動機を一切語ることな
く、全ての罪を
受け入れた。彼女には、何よりも守るべき
“ある秘密”が
あったのだ。浅間山荘事件の陰で、社会欄
の片隅に小さく
取り上げられたこの事件は、痴情のもつ
れが原因の衝動殺
人として処理され、やがて人々の記憶
から消えていった。
しかし、事件から40年以上たった2013
年、偶然この事件に
興味を持ったルポライター鳥飼三津
彦(渡部篤郎)は、矢
野布美子を探し真相を探ろうとする
が、長い服役を終え年
老いた布美子(原田美枝子)は末
期ガンを患っていた。死
を目前にした布美子は、ついに心
の奥へと隠していた秘密
を告白。事件の背後に隠された
運命的な悲劇と葛藤が、徐
々に明らかになっていく……。








**********


信太郎) 私の五感は燃えて騒ぎ立ち、身体的な激動、
     「激しいうねりに、体が震えるほどの感覚」という
     ことかな。
布美子) 素敵表現ですね。
信太郎) うん。
     私が愛している青年を感じることで、眠りさえも、
     悦楽の延長になる。明日の朝…


**********

雛子) 私をここから連れて逃げてくれる?
信太郎) どこに?
雛子) どこでもいい。
    ここにいたら酔っ払って死んじゃう。
信太郎) いいよ。今すぐでも。

**********

信太郎) ふうちゃんには、
     そのうち、わかってもらえると思う。
     僕のことも、雛子のことも。


**********

布美子) 嫌じゃないんですか?
     雛子さんが、他の男の人と…。
信太郎) 雛子を傷つけたり、束縛する奴は、許せない
     よ。でも…、雛子を楽しませる奴は、大歓迎だ。
     あいつが本当に愛してるのは、僕だけだって
     わかってるから。いびつだと思うかい?
     僕らの関係。
布美子) わかりません。
     でも…お2人のことが好きです。


**********

信太郎) ありがとう。ふうちゃん。
     僕たちを好きになってくれて。



**********

布美子) さっき、部屋に迷い込んできた蛾の話をした
     でしょ?翌朝、雨戸を開けると、レールの所に、
     平たく押しつぶされた、蛾の死骸があったの。
     バカな話だけど、私はそれを、あっ、夕べの蛾
     だって、思い込んでしまったのね。私には、そ
     の蛾の死骸が、あの夜が確かに存在した証の
     ように思えて、愛おしかった。その死骸が跡形
     もなく消えるまで、毎日眺めては、あの夜感じ
     た、幸福感を思い出していたんです。
     思えばあの時から、最後に引き金を引く瞬間
     に向かって、歩き出したような気がします。

**********

布美子) 先生…。
信太郎) うん。何だい?
布美子) 私、
     このままずっと、先生と雛子さんと暮らしたい。
信太郎) ふうちゃん…。



**********

布美子) 離して。
雛子) 離さないわ。
    私たち、あなたのことが大好きなのよ。



信太郎) 今は、理解してもらえないかもしれないけど、
     僕たちの本当の気持ちなんだ。いつか、いつか
     きっと、わかってもらえる時が来る。


**********

雛子) 私、勝也と暮らそうと思ってる。
    こんな気持ち初めてなの。
    今までみたいな遊びの関係じゃない。
    セックスなんてどうでもいい。
    勝也の心が欲しいの。勝也さえいれば…
布美子) わかりません!
雛子) 何怒ってるの?
布美子) 先生のこと…もう愛してないの?
雛子) 愛してるわ。愛してる。
    でもね、愛の中身が違うの。
布美子) 嫌!






雛子) いつかちゃんと話すわ。いつかきっと…。




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原作を訳すにあたり、
常に私の支えとなり、
同時に私にとって、
忘れられない思い出を山のように残してくれた、
かけがえのない助手、矢野布美子嬢に、
心から感謝し、この本を捧げる。



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●STAIRWAY TO HEAVEN (Lyrics on screen) HQ - Led Zeppelin



マルメロの苗を抱え、草原をゆっくりと歩く石原さとみ
が美しい。もう、それだけでいい。それだけで十分…。
布美子がずっと胸に抱えてきた、大切な大切な時間。
他の誰にも理解されはしないかもしれないけれど、そ
こに確かに存在したかけがえのない時間の愛おしさ。

小説は読んではいないけれど、小説が描きたかった
世界観はよくわかったような気がします。そして多分、
その世界観をそれほど壊さずに映像化されているよ
うに思いました。これは小説の世界なのだ…そういう
感じ。小説を読まなければと、思わせてくれる映像。

あれこれ言うのは野暮な気がするので、小説を読ん
でいない私が言うのもなんなのですが、興味を惹か
れた方は、ぜひ、小説を読んでほしいと思いました。
もちろん、ドラマのほうも合わせて観ていただきたい。

こういう感覚は、わかるわからない、理解できる、でき
ない、好き嫌いが分かれるものだと思われますが…。
私は好きです。小説として、嫌いじゃない世界観です。
石原さとみも、田中麗奈も、井浦新もとても良かった。

「恋」か…。布美子は確かに、2人に恋していたのだろ
うと思います。2人でなければ、どちらかだけではダメ。
ラストで、ある意味、長い長い、布美子の恋が叶った
ようで、観る側も、どこか、救われたような気がします。


●「恋」HP


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