「泣くな、はらちゃん」第6話~家族になりましょ | 日々のダダ漏れ

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「泣くな、はらちゃん」

第6話
家族になりましょ




ユキ姉) はぁ。冗談じゃないわよ。何が工場長代理だ。
マキヒロ) そうだ。冗談じゃないぞ。
あっくん) まあまあまあ、飲みましょう。
はらちゃん) そうですね。
ユキ姉) 私はね、嫌なんですよ。本当に。そういうね、
     大きな判断をするとか、責任をとるとかですね、
     ホント嫌なのよ。
嫌いなの。だからあの工場で
     地味に働いてるわけじゃない
ですか。
     そうでしょう?
マキヒロ) そうだ。そうだ。
あっくん) 飲んじゃいましょう、ユキ姉。
はらちゃん) そうですよね。
ユキ姉) どう思う? たまちゃん!
たまちゃん) 破壊するしかないな
ユキ姉) なるほどね・・・
     やりますか。5、4、3、2、1




ブオン! ブオン!

越前) はぁ・・・癒された。

**********



はらちゃん) 越前さん。なぜでしょう? あぁ。
ユキ姉) ごめんね、はらちゃん。
     なんか、主役、取っちゃったみたいで。
はらちゃん) ユキ姉、なんか嬉しそうですね。
ユキ姉) そんなこと・・・あるかな? うん。
     気持ちよかったあ。
はらちゃん) どうしてなんでしょう? 神様は私のこと
       嫌いになったんでしょうか?
ユキ姉) ごめんね、はらちゃん。でもね私が、頼んだわ
     けじゃないしさ。私が悪いわけじゃないんだよね。
はらちゃん) なら、謝らないでください。
ユキ姉) あ、何イライラしてんの?
笑いおじさん) おい! なんでだよ! なんで俺が忘れら
        れて、
こいつが活躍するんだ?
たまちゃん) あら? 俺?
マキヒロ) あれじゃないっすか? おじさん2人、似てるか
      らじゃないですかね。
あっくん) 確かに。
はらちゃん) そうかもしれないですね。
笑いおじさん) ふざけるな~! なんで俺が忘れられて、
        こいつに名前があるんだ?
たまちゃん) 全ては神の意思なんだろう? 神様の愛は
       全てに平等ってわけじゃないんだよ。


**********
 
百合子) おや~工場長代理、デートですか?
越前) いや・・・
百合子) へえ~。そっかそっか。
     いい感じなのね。2人は。
越前) いや・・・あの・・・
はらちゃん) 私たち両思いですから。チューまたの名
       をキスもしましたしねえ。はははは。
百合子) うぇー。そうなんだ、そうなんだ。ごめんね。
     邪魔したくないんだけどさ、狭い店だからさ。
越前) どうぞ。
百合子) 顔が赤くなってるよ、工場長代理。




越前) なってません。
百合子) なってるよ。
はらちゃん) ほら、越前さん、なってるそうです。
越前) いいです。顔が赤い問題は。
百合子) で、何の話してたの?
はらちゃん) チューまたの名をキスをした
       次の段階の話をしてました。
越前) 違いますよ!
    違います。あの、結婚のほうですから。
百合子) あ、そう思ったけど。
越前) あっ、そうですか。
はらちゃん) あれ。越前さん。
        また一段と顔が赤くなってます。
越前) それは、もういいです!
百合子) そっか。
     二人の結婚について話し合ってたか。
はらちゃん) はい。
越前) いや、そうではなくて。
百合子) するつもり?
越前) え?
はらちゃん) あの、結婚とは、何なんでしょう?
越前) 結婚・・・したことないのでわかりません。
はらちゃん) ん?
百合子) 私も。
はらちゃん) そうですか。私もです。
越前) 知ってます。
はらちゃん) そうですよね。
越前) はい。
百合子) 面白いねえ。あんたたち。
はらちゃん) 越前さん。私と結婚しましょう。





はらちゃん) だって、結婚したら幸せになるんです
       よね? 
工場長さんが言ってました。
百合子) へえ~。そんなこと言ってたんだ。
はらちゃん) はい。だから結婚しましょう越前さん。
       私は越前さんを幸せにしたいんです。
       越前さん。
越前) あ! ごめんなさい。約束の時間なんで。
    今日は。ごめんなさい。


**********
 
百合子) ごめんねえ、越前さん。
越前) なんで百合子さんが謝るんですか?
百合子) えっ? あっ、だよね? ふふふ。変だよね。
     楽しいね。はらちゃんとの恋は。・・・でしょ?
越前) はい。でも・・・
百合子) でも、その分、切ないよね。
越前) はい。
百合子) 楽しいことってのはさあ、その分、切ないん
     だよね。楽しい分切ない。切ない分楽しい。
     そういうもんなんだよねえ。

     結婚か・・・。プロポーズされちゃったねえ。
     いいプロポーズだった。
越前) はい。は・・・できるわけないのに。結婚なんて。
百合子) でも、ちゃんと考えてあげないとね、あなたが。
     物語の終わりを。でしょ? 神様。




百合子) はぁ・・・ごめんねえ。
越前) だからどうして百合子さんがあやまるんですか?
百合子) さあ・・・?


**********




ユキ姉) あきらめたほうがいいと思うよ。
     神様との恋は。
はらちゃん) どうしてですか?
ユキ姉) あまり深入りすると、殺されるよ。最後は。
はらちゃん) あっ。何言ってるんですか。ユキ姉。
       私たちは殺されませんよ。
       だって死なないんですから。
ユキ姉) 神様は、何でもできるんだよ。
     だから神様なんだ。


**********

はらちゃん) あっ、あの、
       質問してもよろしいでしょうか?
秀子) もちろん。どうぞ。



はらちゃん) あの、
       なぜ、皆さんは一緒にいるんでしょうか?
秀子) えっ? なぜかしら?
越前) それは、家族だから?
はらちゃん) ん? か、家族、とは何でしょうか?
秀子) 出たわね。はらちゃんの基本的な質問。
はらちゃん) ああ、すいません。
秀子) いいのよ。家族っていうのはね、そうね・・・
はらちゃん) はい。
秀子) 人はね、誰かと、寄り添って生きて行くのよ。
    そのための・・・集まりかなあ?

**********



秀子) 人は、生まれて来て、こういう風にどんどん
    成長して大きくなって行くの。この人もその
    うち私みたいになって。
はらちゃん) えっ!
       おかあさんみたいになるんですか?
秀子) 残念ながらね。
はらちゃん) えっ、それで?
秀子) そして、いつかは死んでゆく。
    考えてみれば、不思議よね。
はらちゃん) はい。

**********
 
はらちゃん) 驚きました。私のいる世界と、越前さん
       のいる世界は、全く違うんですね。
       違うんですね。
越前) そうね。・・・はらちゃん。
はらちゃん) はい。
越前) ごめんなさい。
はらちゃん) え?
越前) 私とあなたとは、結婚とか、できないんです。
    ごめんなさい。できないの。ごめんなさい。
はらちゃん) 私が漫画の世界の人間だからですか?
越前) そうです。
はらちゃん) そうなんですね。
越前) はい。
はらちゃん) 家族って、面白いですね。
越前) え?
はらちゃん) あんな風に喧嘩しても、
       一緒にいるんですよね?
越前) ええ。家族ですから。
はらちゃん) はい。それって、何だか素敵ですよね。
       結婚しないと、できないものなんですか?
       家族って。
越前) えっ? いや、そうとは限らないというか。
    いろんな場合がありますけど。
はらちゃん) ああ、そうですか。じゃあ、私の家族は
       ちゃんと漫画の中にいますね。
越前) えっ?
はらちゃん) 時々喧嘩もするんですよ。それでもずっ
       と一緒にいます。それって家族ですよね?




はらちゃん) ごめんなさい。また、何か嫌なこと言い
       ましたか? ああ・・・抱きしめましょうか?
越前) またそんなこと。
はらちゃん) すいません。では、抱きしめません。
越前) 抱きしめてください。




はらちゃん) こうですよね?
越前) はい。
はらちゃん) あったかいですね。
越前) はい。
はらちゃん) ずっとこうしていたいです。
越前) はい。
はらちゃん) でも・・・、ダメなんですよね。
       私は、越前さんを困らせたくないです。
       越前さんに、幸せになってもらいたいので。



越前) ええ?









**********

越前) 大好きよ。はらちゃん。



**********

ユキ姉) 2つあるんだよ。私たちが死ぬ可能性は。 
     1つは、漫画の中で殺してしまう場合。
     もう1つは、漫画を描くのをやめてしまう場合。

     つまり、忘れられて死ぬんだよ。




今回も、ピュアで、切なくて、涙、涙のお話でした。
思い出したのは、有名なマリー・ローランサンの詩。
 
【 鎮静剤 】 マリー・ローランサン(堀口大學 訳)
 
退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。


死んだ女よりもっと哀れなのは忘れられた女だという。
忘れられてしまうことは、死ぬよりも哀しいことかもしれ
ない。漫画の中で殺されるより、漫画自体を忘れられ
てしまうほうが、ずっとずっと、哀しいことなのかも・・・

家族というものが何か。はらちゃんは、この世界とは
違っていても、自分にも家族がいる、と思うのでした。
結婚したら幸せになれる。幸せにする為に結婚する。
そんな、シンプルな想いを抱いていた瞬間がきっと、
そんな単純な願いを信じられた瞬間がきっと、誰に
でもあるんじゃないかと、はらちゃんのピュアな心に
心を揺さぶられます。現実がどうとか、それ以前に、
お互いに幸せになりたい、相手を幸せにしたい。そう
思えることが、幸せで、幸せな出会いだということ・・・

はらちゃんを見ていると、「知る」ということは、余計な
ことも知っていくことで、とてもシンプルな言葉が、想
いが、余計な言葉で飾られて、いつしか違う意味にな
って、素直に伝わらなくなっていくのかなあと思えて。
はらちゃんの「問いかけ」は、いつもシンプルで、その
答えに答えようとすると、知っていたようで、本当はよ
く知らずに、知ったつもりでいたんじゃないだろうかと、
自分の中に余計な言葉があふれていることに気づく。
 
楽しいことってのはさあ、その分、切ないんだよね。
楽しい分切ない。切ない分楽しい。

何にでも終わりはあって、楽しいことにも悲しいことに
も、ちゃんと終わりはあって。たぶん、悲しいことの後
よりも、楽しいことの後のほうが、切なさは深くて・・・
その切なさが辛くて、最初から楽しむことから逃げる
人もいるほどに。でも、確かに、切ないから、楽しくて。

はらちゃんのピュアな想いに涙があふれて、人を好き
になることの切ない痛みに、また涙して。どうしたら、
この切ない恋を、やさしく終わらせてあげられるのか、
神様の、さらにその上の神様に、祈るしかない私です。

 
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