ああああ 勘違い
まじでーーーーっ」
「いやはやマジですよ!!
マジ!!
あいつさー
携帯と間違えて母ちゃんのコンパクト
持ってきてんよーっ」
「ええー
ありえねーーーっ
テクマクマヤコンかよ~
普通コンパクトと間違えるって言ったらさ
コンタクトくらいっしょ
あいつ馬鹿くせーっ」
「だろー
ウケるーーーーっ」
「そうそう
そう言えばこんなこともあったぜ!
あいつさ
足指ソックスはいてんだけどさ
いっつも指がどっか2本入ってんだぜ
一か所ぷらぷらだからさ
折れた!
って思っちゃうつーの
むしろ折れって感じだよ」
「ばかだねー
おれなんかさ
そうならないようにさ
一か所にティッシュつけてふさいでるもんね」
「あ!
それいいじゃん!
おれもやろーーっ」
「そうそう!
思い出した!!
こないだあいつんち行ってさ
トイレ借りたんだよ!
そしたらさ
レバーのところに札があってさ
何かなーってみたらさ
『小 → バナナ半分くらい
大 → バナナ2本分』
って書いてあんのよ!
マジビビったねありゃ!」
ああ 感ちがい!
「まじでー!?」
「うん、まじなんだよ!
あいつさー
携帯とようかん間違えて持ってきてんだよー
チョー馬鹿じゃね~」
「あほかー
全然違うじゃん!
ようかんと墓石だったら間違えるけどさー
あいつ馬鹿じゃね~」
「そうなんだよ!
他にもさ
あいつんちさ
麦茶の入れ物にさ
麺つゆいれてんだぜー
遊び行くとよ
いつもそれに氷入れてだしてくんだぜー
塩分とりすぎちゃうって
まじかんべーん!」
「それすげーわかる!
コーラと思ったらさ
アイスコーヒーでさ
すげーショックみたいな!」
「あるあるー」
「おれもあるぜ!
あいつさ
歯が欠けてるからさ
どうしたん?
って聞いたらさ
黒ごま豆腐だよー
って母ちゃんが持ってきたのがさ
実は石でさ
思わず食っちゃったんだってよ~
ばかかー」
「まじかよ!
あいつんちこえ―なぁ
そう言えばさ
あいつんち行った時さ
母さんがすげー化粧して出てきてさ
『あついでしょー
カフェオレだけど飲みなよ』
って出してきたんだけどさ
それなんだったと思う?」
「えー
何々?
気になるぅ」
「それがよー
『カフェオレ』って持ってきたのがさ
『カフェラテ』なんだぜー
ちょー受けるっつーんだよ」
「ぐえええ
まじかよ!
それ全然違うじゃん!!
こええーよ
震えて来たよーーー」
ラリホーってさ 寝てる間に攻撃するんだよね 僕ならお金だけ取って逃げるね
銀紙を噛み続けるピーすけ
表現できない痛みに耐え続ける・・・
「うぐぐぐぐ
だ が し か し
こ れ で み よ ちゃん
を・・・
うぐぐぐ」
頭が割れそうだ
部長のラリホーはまだ続いている
いっそのこと
眠りに身を任せてしまった方が楽なのか・・・
ああ
みよちゃん
僕はもう君のもとへ向かうことはできないかも
しれない・・・
半分意識を失いかけながら
みよちゃんを見る
あああ!
すっかり眠りこけているみよちゃんは
鼻ちょうちんをだしながら
頭を上下に動かしていた
振り幅がどんどん大きくなってくる
危ない!
このままでは机に置いてある剣山に
頭が刺さってしまう!
なんとかみよちゃんのところまで
たどり着かねば
銀紙も噛み続けたせいで効果が薄れてきた
効果があるうちに動かなくてはならない・・・
みよちゃんまでは1m
って近い!
手を伸ばせば届く距離だ
届きそうで届かなかったみよちゃん
そのみよちゃんがすぐそばにいる・・・
思えば
いつもみよちゃんを見ていた
ミスコピーをして笑ってごまかすみよちゃん
電話の転送ができなくていつも切っちゃうみよちゃん
お昼の注文に2時間も悩むみよちゃん
昨日と同じ服を着てきてお泊りを演じるみよちゃん
そんなみよちゃんを意識し出したのは
いつ頃からだろう
ああ
あれは5年くらい前だった
突然の雨にふられ
僕は雨宿りをしていたんだ
そこにやってきたのがみよちゃんだった
その当時は名前も知らなかったけど
僕は一目彼女を見ただけで
恋に落ちてしまっていた・・・
びしょびしょに濡れたブラウスからは
下着が透けていた・・・
僕は自分の上着を脱ぐとそっと彼女にかけてあげたんだ
ほおを赤らめるみよちゃん
僕はその顔を見ていられなくて
その場から走り去ってしまった
それから3年
僕の会社に新入社員として入ってきたのが
のちに
みよちゃんと呼ばれる彼女だったのだ










