CT検査から4日後。

2010年8月10日。


10:00に内科で予約入ってます。

内科で先日のCTの結果を診ての診察を受け、

手術の担当の耳鼻咽喉科へ行って、手術・入院の説明を受ける・・・

たしかそんな予定です。



さてさて。

10時内科、O山先生。

思ったより早く呼ばれる。


あら。先生。お久しぶりです。

相変わらず優しそうな・・・。

ほっとしますわ。



「転移はないようです」

と、説明される。

CTの私の輪切り画像を一応見せられるが

まぁよくわからず。

ただ、手術のときにリンパから細胞をとって、

調べたら悪性が見つかる・・・ってこともあるにはある、らしい。


では、予定通り手術となりますので、

これから耳鼻咽喉科に行って、診察してもらって

手術の説明などを受けてください、との事。


O山先生、これでさようならなのね。。。寂しい。。。


そうそう。

この時に、私がこのがんセンターに来る前に行った医者、

B内科クリニックにはこちらからお手紙書いておきますって

看護師さんに言われたんだ。

やっぱり、ちゃんと結果はいくようになってるんだね。

ありがたい。



ってなわけで

1階の内科より階が変わって2階の耳鼻咽喉科です。

内科よりは待ってる人、少ないかなぁ。




・・・

けっこう待たされる・・・。




やっと呼ばれ、中に入ると。

お。若い。

担当、O野先生。

内科からきた資料に目を通す。

ふんふん。

「自覚症状ありますか?ないですよね(こんな小さかったら)」

「ないですね」


・・・なんかこの先生、しゃべり方が鼻につくっつーか。



「ちょっと喉の様子を診させてください」

と、突然立ち上がり、私の両鼻にシュ!シュ!


んん??


なんか細い物を・・・



鼻から・・・・



スルスルスルスルーーーー!!




!!!!!



突然すぎるだろ!おい!



隣で見てた旦那もびっくりしてた。



「いやー、すいませんね。私たちがよく使う手なんですよ」



なにが!?突然が!?

まじびっくりしたー!!

初体験だわ。

多分・・・カメラ??

それさえも聞きそびれたわ。



で、喉も外から触り、

「あぁーこれですか。なるほどねぇ。

これは、よく見つけてくださいました、だねぇ」

ですよね。

先生が言うくらいなんだからそれほど小さいんですよね。

小さいうちでホントよかった。


「ぶーこ選手さんの場合はがん自体の大きさも小さいですし、

急いで手術しなきゃならないってものでもないですから。

いつでもいいですよ。いつにします?手術」



そんな言い方あるか?

なんか小ばかにしたような話し方すんなー。



いつでもいいって・・・

「じゃあ8月下旬でもいいんですか」

「あー。そのへんはもういっぱいでして・・・」

それを先に言え!

「手術も毎日できるわけではなく、耳鼻咽喉科は水曜日と金曜日なんですよ。

一番早い日で、9月16日入院の17日手術。次だと・・・9月30日入院の10月1日手術」




びみょーーーーー。



9月ですか・・・。

うちの旦那さま、9月は決算月で忙しいのよね・・・。

9月30日入院はまずナシだな。

9月16日・・・んーー。

旦那とブツブツ言いながら先生の横で相談する。


「今すぐ決めなくてもいいですよ。

今日これから、手術前の検査を一式やっていってもらうので

その結果を聞きにこられる時に最終決定しましょう。

今日は仮予約ってことにしますか?」


そうですね。

んじゃ9月16日入院コースを仮予約だ。



耳鼻咽喉科、これにて終了。

次の検査結果聞きにくる予約を勝手に8月19日に入れられる。

内科ではちゃんと都合を聞いて次回の予約入れてくれたのに・・・

なんか、雑。この科。



さて、この後。

①心電図

②採血・採尿

③レントゲン

をして、終了しました。


いやー。長かった。



ま、とりあえず転移がなくてよかったよ。

手術の日がうまくいかないのがちょっと気になるが。

旦那に「事故がなけれが予定通り8月下旬に手術できたのにね」

とイヤミを言われたぐらいにして。。。

私のせいじゃないモン。

スペイン人のせいだもん。




■本日の支払い


内科   ¥210

(内容)再診料


耳鼻咽喉科  ¥6,250

(内容)診療・検査・画像診断


2010年8月6日(金)


順調にいってた検査も事故のせいで2週間ズレズレになってましたが、

やっとこさCT検査です。


転移があるかどうか調べます。




事前にCT撮影の際の造影剤使用の同意書にはサイン済み。

でも同意書がいるってことは、副作用や事故がある場合があるって事だよね。

もちろんこれまで健康一直線のワタクシ。

CT撮影だって初めてです。


どんなかしら・・・。




前回、CT撮影が午後からだったから、会社午後休みにして

病院に行く途中で事故にあったので

今回は一日休みにした。


余裕こいてたら数分遅刻。


中央放射線へ向かう。


案内されたとおり、予約券をトレイに入れてベンチで座って待つ。




けっこういるんだなー。CT撮影の人。



この人たち、皆、がんなのかしら・・・。




「ぶーこ選手さーん」


呼ばれる。

次に中に入ってもらいますからこちらでお待ちください、

CT撮影は初めてですか?

金具類ははずしてください・・・


注意事項をうけ、入り口で待機。


私の前の人が終わってでてきた。


「ぶーこ選手さん、どうぞー」


へいへい。



おぉっ。




なんかこの病院に似つかわしくない、最新っぽい機器!!

見た事あるわー、これ。テレビで。

ドーナツのでっかいやつみたいなの。

この真ん中を寝転がって通るんだよね。


そして人がいっぱい。


4人くらいいた?


みなさんから色々説明を受ける。



とりあえずその真ん中に寝る。


服は上着を脱いでキャミソール姿である。


腕は頭の上。


えっ。ワキ丸見えなんですけど・・・でも永久脱毛してるから大丈夫か。



「機械がしゃべりますから、それに従って息を止めたり呼吸したりしてください。

途中、手の甲から造影剤を注入します。体がじわっと熱くなるように

感じるかもしれませんが、それは造影剤によるものですから

心配しないでくださいね。」



はーい。



ぐわんぐわんぐわん。



おおぉっっ。

動いた!

なんか山手線の真ん中に自分がいるみたいだ!

でっかいドーナツのなかで何かが回ってる!


ぐわんぐわんぐわん。


造影剤を注入前に2往復。

注入して2往復・・・だったかな。

なんで注入前も撮影するんだろ。

注入しなくても撮影はできるのかな。

注入したほうが見やすい・・・とかそういう事かしら。




とにかく、息を止めたりして山手線の真ん中を4往復ぐらいして

あっという間に終了。



「もう終わりですか??」と思わず言ってしまったぐらい。


はやっ。



副作用がでたら連絡ください、

造影剤を体外に出すために、お茶や水を多めに飲んでください、

など注意事項が書かれた紙をもらい

本日終了。

この後もフツーに過ごして大丈夫ですって。

運動もしてもいいし。お風呂もOK。

はー。あっさり。



転移がありませんように・・・。



■本日の支払い  ¥9,530

(内容)

画像診断


こんなに軽いノリではありますが、一応がん患者でして。


他のがんの方のブログを見てると

ものすごくショックで家で一人で泣いた・・・とか

もちろん感じ方は人それぞれですけど。



私は前にも書いたように

「ショック」と感じたことは一度もないんです。


それはもちろん私のがんが軽いもので、

しかも初期だし、

転移の心配もほとんどないし・・・

と、がんのなかでもいい条件が揃った(?)がんだからでして。

もっと進行してる方とか、今現在苦しんでいる方が見たら

怒られそうですが・・・でもこれが本心。



なので元々かなりの泣き虫の私でも

この件に関してはまったく涙はでませんでした。




ただ一度。




涙した話。






甲状腺がんと言われ、それ以来まだ病院に行ってない頃だから

7月半ばぐらいかな。


ただ、『がん』とわかっている状態。

ネットで色々自分で調べて知識を得てる頃。



旦那に

「まさか初めての入院が、がんの手術とはねー!

初入院は出産の時だと思ってたのに」

と私が言ったら旦那が


「おこちゃまはもうダメですね。

がんですからね」


と言った。





わかるんだ。


旦那の言いたいこと、伝えたいことはわかるんだ。



もし、今後がんの手術・術後の治療・・・などのせいで

もしかしたらもう子供は望めないかもしれない。

でもそれでもいいんだよ。

大丈夫だよ。

今までもいなかったし(うちはもう結婚5年目)、楽しくやってるし。

だからいいんだよ。

ぶーこさん、気にしなくていいんだよ。





って事を伝えたいんだ、旦那さんは。


うちの旦那は亭主関白で。

それでも昔に比べれば口数も増えたし(言わなくてもわかるだろ?系)、

まぁ口下手ってのもありますが。



そんな旦那の精一杯の思いやりの言葉なんです、これは。





でも悲しかった。




そんな事、先生にも言われてもいないし、

もちろん聞いてもいないし。

だってまだ「がん」って言われたばっかりだし。


「無理」って言われてもいないのに

なんでそんな事いうの!?





だーーーーー。




涙が。






「なんで泣くんだっ??」


「だって、だって・・・まだそんな事決まってないじゃん!

ふぇーん!!」





がん告知から初めての涙。






結局、調べたところ、

まぁ甲状腺がんはまず手術をしてから、

放射線やったりなんやかんやってのは

術後の経過を診てからなので、人それぞれなんだそうだ。

これまた同じ甲状腺がんの人のブログ見ても

子供産んでる人もいるし、

内科の先生のHPなどでも、先生と相談しながら子作り計画・・・

などなど書いてあったので、大丈夫なんだろう、と勝手に安堵している。


ただ、旦那が「無理にいいんだよ」と言ってくれた

(言ってはいないか。。。テレパシー)事が

今になってさらに安心して。気負わなくて。



今はまず、がん克服。

戦いに勝って。


それから考えよう。

旦那と二人でも楽しいし。

近所に子供いっぱいいるし。

私たちの間に子供が必要ならきっとできるでしょう。




と、今は思ってます。


2010年7月23日


CT検査の予約日。

13:30の予約だったので、仕事は午後休に。

W科長はもちろん事情を知ってるから「いいよいいよ」だけど、

他の皆は(午後休なんてめずらしいね)と、きっと思ったことでしょう。


12:30に仕事をやめ、

更衣室で私服に着替え、

金具系は×だから、ちゃんとワイヤーなしのスポーツブラみたいの

してきたし。


駐車場で「マックでお昼食べて病院行ってきます」と

旦那にメール。

今日は旦那も会社休み。

でもCT撮影なんてついて来てもしょうがないから

こなくていい、と言っておいた。

携帯でマックのクーポンをチェックして

「よし、行くかー!」

と、駐車場を出発。

会社を出て、マックに行くまでにバイパスをくぐるのですが、そこで・・・




まさかまさかの


「交通事故」です。





え?


いえ、違うんです。


私が交通事故起こしたんです。



自転車に乗ったスペイン人の青年にぶつかったんです。




マジ、どうしようかと思った。





青年のほうが一時停止で、一時停止している車の影から

止まらず突っ込んできたものですから・・・




幸い(?)骨などは折れておらず、

大事には至らなかったけれど、

(もちろん私の車は大変なことになりましたが・・・)

それでも、怪我ですんで本当によかった。




初の人身事故でかなり動揺し、

旦那に泣きながら電話し、

病院にキャンセルの電話を入れてもらい、

お母からも時間になっても私が病院にこないから電話きてたし、

会社の近くだから会社の営業の人がいっぱい通って皆見てくし、

ってことはW科長の耳にも入るからW科長にも電話して、

するとW科長と同じ部のK主任も現場まで来てくれて・・・・





またW科長に心配をかけてしまった・・・




なーんでこんなことに・・・





現場にかけつけた時「見通しいいじゃん(なんでぶつかるんだ?)」と言った旦那も

その状況を話したら、納得してくれて「もらい事故だな」と。

後日、警察から呼ばれるも、警察でもおとがめなし。

やはり自転車も軽車両扱いですから、一時停止の義務はあるわけで。


とりあえず「おとがめなし」ってことが心を落ちつかせてはくれましたが。






そんなこんなでCTと診察、手術・入院説明は

予約を取り直し、きっちり2週間ずれて

8月6日CT

8月10日診察、説明

となりました。




また延びた・・・。




ちなみに。

事故を起こし、旦那がその事を同居してる旦那のお父さんに伝えるにあたり、

なんで午後休とって、どこに行こうとしたのか・・・の説明が必要になるため、

旦那がこの時にお義父さんに、甲状腺がんのことは言ってしまったのだ。


逆にそれでなんだか気が楽になって。私。

この日を境に近親者にはだいたい伝えたんだ。


私の兄貴夫妻はもちろん、

旦那の弟夫妻、

旦那の大親友のS一家、

会社もお偉方だけには伝えたし。

同じ科の人にはまだもうちょっと・・・。

入院・手術の日が決まってからだな。


色々準備が必要だわー。

物もしかり、心もしかり。


人に伝えるのって、なんだか切ない。


ところで。


3月末に乳がんの手術をしたお母。


それから薬を飲んでいて、それが終わったら7月から8月まで

毎日平日5日間×5週間の計25回、放射線照射を受けることになっていた。


私ががん告知を受けたのが7月8日。

次に(CT撮りに)行くのが7月23日。


平日毎日・・・必ず会うな。

いつから放射線治療始まるんだろう。何時からなんだろう。

放射線治療をする部屋ってきっとCT撮る部屋と近いんだろうな・・・。


黙ったままで鉢合わせはまずい。



野菜をもらいに行く口実に実家に行ってみた。



お母はカレンダーになんでも書き込むクセがある。



ん?7月8日、『がんセンター14時』って書いてあるな・・・。

私が告知された日だ・・・私は13時・・・。


あぶねー!!



やっぱやばいね。

会うね、こりゃ。



で、放射線治療の話を詳しく聞くと、

治療自体は7月26日(月)から5週間。

その前に、放射線をあてる場所を決めてマーキングしたりするのに

2回ほど行かなきゃいけないらしい。

その2回のうち1回が7月23日。


私のCTの日だねぇ。。。。


しかもその日はまだ何時に行くか決まってないらしい。



あ、そう。。。



やっぱその前に言わなきゃだねぇ。


転移の状態や、手術の日程やらなにもかもがハッキリしてから

言いたかったけど、ダメだな。




ふぅぅぅぅ。





言えない。




軽く言おうと思ったが言えない。


またにしよう・・・。






で、日があいて

結局前日の7月22日。



また仕事帰りに実家に寄った。



「私さー。がんなんさ。甲状腺がん」



さらっと言った。

でも心の中はけっこう動揺。

自分を産んでくれた親に「自分はがんだ」と告白することは

なんだかとても罪深く感じるのはナゼだろう・・・。


「え・・・」



お母のほうがモチロン動揺。


ここまでの経緯を話す。

もちろんがんの中ではタチのいいがんで、全然私は大丈夫だという事も。


「だからさー。風邪をこじらせて肺炎になったぐらいに思ってよ!」

「思えるワケないでしょ!!」

「でも私はガンになる覚悟はお母とばあちゃんのでとっくにできてたからさ。

なんとも思ってないよ」

「・・・そんな事言わないでよ」



んー。

どう言ってもなんか暗くなるな。

自分の娘ががんだとわかった親は何をどこまで深く感じ、考え、思うのか。


娘の私には想像もできないほどなんだろうな。



それでも旦那にいつもサバを食べさせられてる話だとか

「親子でがんセンターだよ!明日も会うかもね!」

なんつって話してたら少しは明るくなってきたが。


とにかく私は平気な態度をとるしかないのだ。

態度でわかってもらうしかないのだ。

つかほんとに平気なんだけど。



これでなんとかひとつの問題はクリアした。



あとは明日のCTで転移がないことを祈るのみだな。