極私的洋楽生活 -4ページ目
 

 

 

 

 

映画「サタデー・ナイト・フィーバー」によって
もたらされたディスコブーム
日本でもご多分にもれずブームとなった、らしい
1978年の事だ
自分はまだ中学生
曲が流行っていたのはもちろん覚えているが
当然出入りの体験はない
その頃大人であったら、きっと70年代ファンクを
もっと身近に体験していたはずだ
もうちょっと早く生まれたかったといつも思う
 
 
自分がリアルタイムで
ディスコに行くようになったのは1980年代前半
ブームから数年経過した頃
ディスコ文化は円熟期を迎えていた
その頃にヒットしていたダンス・ミュージックが
自分にとって身近な存在なのだ
今やダンス・クラシック
略してダンクラといわれているこの近辺の中に
コン・ファンク・シャンは自分の中で鎮座している
 
 
ある日、会社のOBの方から電話があった
私の元上司で、自分より一回り上の方
サタデーナイトフィーバー以前より
ダンス系ブラックを嗜んできた世代
その方からコン・ファンク・シャンを
観に行かないか、とのお誘いだった
まだ現役であることにまず驚いたが
即ふたつ返事
桜満開の頃に行ってきた
 
 
素敵なディスコ&ファンクパーティだった
観客は自分と同年代以上だったけれど
総立ち大盛りあがり大会(笑)
コン・ファンク・シャンも円熟の
エンターティナーぶりで客乗せも上手く
かつ年齢を感じさせないパワフルな演奏
懐かしさと熱が一体となって
自然に体を動かさせていた
 
 
スタジアムや大きい会場で
ビッグネームミュージシャンを見るのは
やっぱり「ショウ」であり
その良さもあるのだが
こうしたダンス・ファンク系ミュージシャンは
「パーティ」がいい
理屈抜きのフィジカルな楽しさがそこにはある

 

 
 
 
 
 
from album
[Touch]
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なんだか記事を書くきっかけが訃報だらけですみませんが、キース・エマーソンが亡くなった事で当然ながらEL&Pが話題にのぼりましたね。EL&Pの名前が出ると、私は一方でこのバンドの事を思い出します。エッグ、です。

 

 

ほぼ活動の開始時期は一緒、国も同じイギリス、そしてギターレスのキーボードトリオであることも、クラシック音楽を導入したことも一緒と、かなり類似性のあるバンドです。もっともEL&P結成前のキース・エマーソンのバンド、ナイスのフォロワーであったと思われますので、類似は当然というか意図的だったのでしょうけど。

 

 

 

圧倒的に違ったのは、すでに結成時からスーパーバンドであり商業的な成功が約束されていたEL&Pに対し、エッグは商業的に成功しなかった事でしょう。きらびやかであった音に対しかなり暗めの地味な音洗練されたメロディに対し、どこか泥臭くアングラムードのあるメロディ。商業的に成功する要素は少なかったわけですね。その存在はまるで光と影、陽と陰、対照的であったのは想像に難くありません。でもその陰となってしまった存在が愛おしくなってしまうのですね。
 

 


 
しかし曲のタイトル、垢抜けないですね、時代がかっているというか。この曲のタイトルを直訳すると
 
「無気力マクギリキュディーの歌(または、ジェームズを悩ましてはならない。あなたのソックスはトーマスと石炭地下室にぶら下がっている)」
 
アート気取って訳わからんタイトルつけたけど見事に外しちゃった、みたいな(笑)演奏は変拍子やらインプロヴィゼーション風にそこそこ頑張ってるので逆に痛さが身にしみます。でもそんなハズした英国的ユーモアというか時代の空気感というか、嫌いじゃないんですね。

 

 
このバンドは僅か3枚のアルバムを残して解散していまいましたが、フロントマンのデイブ・スチュワートはその後カンタベリーな人となり、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、ゴング、ナショナル・ヘルスとそうそうたるバンドを渡り歩き、そこそこ名を馳せることとなるのでした。そうした彼の若き日の姿がここにある、その青臭さがまた愛おしかったりして。
 
 
ジャケットのアートはなかなかカッコよかったですね♪
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

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豚袋でございます。
 
 
昨年の暮れあたりから大御所ミュージシャンの訃報が続いていますね。モーターヘッドのレミー・キルミスターにはじまり、新年早々誰もが驚いたデヴィッド・ボウイ、イーグルスのグレン・フライ、ジェファーソン・エアプレインのポール・カントナー、EW&Fのモーリス・ホワイト、EL&Pのキース・エマーソン、そして衝撃的なプリンスの死…こんなに続くのはちょっとめずらしいのではないでしょうか。まあ60年代からすでにほぼ半世紀経ち.活躍したミュージシャンが鬼籍に入る頃合いといえばそれまでなのですが…
 
 
しかし亡くなって直後のCDの在庫不足や価格高騰にはちょっと辟易いたしますね。特に価格高騰については商売の匂いが漂い、何となく虚しい気分になってしまいます。メディアもここぞとばかりに露出させるようになるのも何となく浅ましく感じてしまうのは私だけでしょうか。そんなこともあってデヴィッド・ボウイに続き天に召されたアーティストをとりあげるのは話題便乗臭い面もありますが、こちらも「現在のところの遺作」が素晴らしいアルバムなのでやはり取り上げさせていただこうかと思います。
 
 
プリンスは敬愛するアーティストのひとりです。特に80年代はリアルタイムでしたのでダーティ・マインドあたりからよく聴いておりました。プリンスは年最低一回はアルバムを出すハイペースミュージシャンでしたので結構多作。なので90年代以降の特にシンボル化してからの作品は聴いていないものも多いですが、それでもファンを自負してはおりました。
 
 
2010年に20Tenというアルバムを出してから4年間沈黙していましたが、2014年に突如リリースされた「ART OFFICIAL AGE」とPrince & 3RDEYEGIRL名義の「PLECTRUMELECTRUM」のダブルリリースで俄然盛り上がったのは記憶に新しいところです。特に自分は後者のアルバムがどストライクで、まるでツエッペリンのプリンス的解釈アルバムと言っていいのではないかと思うくらいロックグルーヴに溢れており好きでした。間髪おかず昨年「HITnRUN Phase One」をリリース。沈黙はいったい何だったのかというくらいの精力的な音楽活動再開でまた目が離せなくなりました。
 
 
プリンスの訃報を知ったのは出張先の神戸でした。付き合いでしこたま飲んでホテルに帰り倒れるように眠り起きた朝、ツイッターのタイムラインを見て初めて知りました。大変大きな衝撃と「またか!何て年なんだ今年は…」という悲嘆が襲ってきました。ほぼみなさんも同じようなお気持ちであったのではと思います。訃報があって後、ここに取り上げる「HITnRUN Phase Two」のCDが出ていることを知り即予約をしましたが、手元に届いたのは少々遅れて5月4日でした。

 

 

 

 

 
一曲目のいきなりのインパクトですぐに引き込まれました。そしてどこか懐かしいプリンスメロディ。80年代のアルバム、「Around The World In A Day」あたりに入っていてもおかしくないのではないかと思うほどファミリアなメロディに驚きました。

 

 
フェーズワンは冒頭こそ自身の「1999」のサンプリングから始まりましたが、過去プリンスのテイストではなくて、「ART OFFICIAL AGE」路線のエレクトロニック(ダンス)ミュージックへの傾倒が強く、アーティスト・プリンスを強く押し出した内容となっていました。対してこのアルバムは、ポップスター・プリンスの復活祭とでも言えるような内容となっているのに気付かされます。
 
 
Prince - Rock N roll Love Affair
 
 
以降の曲もミドルテンポで、ホーンセクションを効果的に使った、王道ともいえるプリンス版オマージュ的ファンクが続きます。打ち込みやエンジニアの手を縮小化したような生音感が特徴的に感じられます。まさに往年のプリンス節を感じさせる仕上がりとなっています。
 
 
タイトルの「HITnRUN」は直訳するに「あて逃げ」でしょうか。このアルバムは「ART OFFICIAL AGE」のようなコンセプトアルバムには入れられなかったアウトテイク&シングル集のようなもののようです。ご存知のようにプリンスは膨大な未発表曲のストックを持っているためコンセプトに沿わないけれども「世に出したい曲」をリリースする必要から、統一感をアルバムに持たせるため「エレクトリックサウンドのフェーズワン」、「ポップソングのフェーズツー」として分けたような感じがします。そしてロッカー・プリンスはサードアイガールとしてのリリースで表現したのでしょう。
 
 
また、こんな軽快なロックンロールまでこなしてしまう音楽性の広さも健在。アルバム全体の躍動感に寄与しているかのようです。
 
 
 
 
プリンスは前述のように膨大な未発表曲のストックがあるので、きっとこれからまだまだリリースが続くのでしょう。このアルバムを「現在のところの遺作」と申し上げたのは、これから何年も遺作が出続けるような気がしてならないからです。未だに発掘音源が遺族の手によって毎年のように出続けているジミ・ヘンドリックスのように。アーティストはある意味幸せですよね、亡くなってなお、作品は永遠に生き続けるわけですから。
 
 
しかしプリンスの死は、今なお死因がはっきりしていないようですね。訃報を目にしたとき、真っ先にドラッグ?というキーワードが頭を一瞬よぎりましたが、プリンスはドラッグやアルコールとは無縁で、しかもヴィーガンというストイックを絵に書いたようなアーティストだったのでそれはないでしょう。だとしたら何が死の原因だったのかファンとしてはやっぱり知りたいところです。今後も彼にまつわる情報はチェックしてしまうのでしょう、きっと。そして遺された音をずっと楽しませていただこうと思います。
 
 
偉大なるアーティスト、プリンス・ロジャーズ・ネルソンの死を悼み、
生前の心豊かにしてくれた活動に最大限の感謝の気持ちを込めて祈りたいと思います。
 
 
R.I.P…