Egg / Egg (1970) | 極私的洋楽生活
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なんだか記事を書くきっかけが訃報だらけですみませんが、キース・エマーソンが亡くなった事で当然ながらEL&Pが話題にのぼりましたね。EL&Pの名前が出ると、私は一方でこのバンドの事を思い出します。エッグ、です。

 

 

ほぼ活動の開始時期は一緒、国も同じイギリス、そしてギターレスのキーボードトリオであることも、クラシック音楽を導入したことも一緒と、かなり類似性のあるバンドです。もっともEL&P結成前のキース・エマーソンのバンド、ナイスのフォロワーであったと思われますので、類似は当然というか意図的だったのでしょうけど。

 

 

 

圧倒的に違ったのは、すでに結成時からスーパーバンドであり商業的な成功が約束されていたEL&Pに対し、エッグは商業的に成功しなかった事でしょう。きらびやかであった音に対しかなり暗めの地味な音洗練されたメロディに対し、どこか泥臭くアングラムードのあるメロディ。商業的に成功する要素は少なかったわけですね。その存在はまるで光と影、陽と陰、対照的であったのは想像に難くありません。でもその陰となってしまった存在が愛おしくなってしまうのですね。
 

 


 
しかし曲のタイトル、垢抜けないですね、時代がかっているというか。この曲のタイトルを直訳すると
 
「無気力マクギリキュディーの歌(または、ジェームズを悩ましてはならない。あなたのソックスはトーマスと石炭地下室にぶら下がっている)」
 
アート気取って訳わからんタイトルつけたけど見事に外しちゃった、みたいな(笑)演奏は変拍子やらインプロヴィゼーション風にそこそこ頑張ってるので逆に痛さが身にしみます。でもそんなハズした英国的ユーモアというか時代の空気感というか、嫌いじゃないんですね。

 

 
このバンドは僅か3枚のアルバムを残して解散していまいましたが、フロントマンのデイブ・スチュワートはその後カンタベリーな人となり、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、ゴング、ナショナル・ヘルスとそうそうたるバンドを渡り歩き、そこそこ名を馳せることとなるのでした。そうした彼の若き日の姿がここにある、その青臭さがまた愛おしかったりして。
 
 
ジャケットのアートはなかなかカッコよかったですね♪