LED ZEPPELIN / LED ZEPPELIN Ⅳ(FOUR SYMBOLS)(1971 | 極私的洋楽生活

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豚袋でございます。

 

昨年末あたりから仕事がたて込み更新頻度がみるみる落ちていき、追い討ちをかけるように3月からは異動もあって更に更新どころか楽しみにしている皆様のブログへの訪問もできないほど余裕がなくなってしまいました。本当に拙ブログをご覧になっていただいている皆様には大変申し訳なく思っております。そんな多忙と不義理と混乱のなかながら、当ブログも何とか本日、一周年を迎える事ができました。1年間もやっていて記事数が未だ
100も行かない遅筆ブログ(笑)ながらも続けてこられたのは、ひとえに皆様の寛容と忍耐の賜物と心得ております^^;ありがとうございます。今後とも末永くお付き合いいただけますよう、お願い申し上げますm(_ _)m

 

 

やっぱり節目はこの人たちの記事で決めなくてはと思いました。ブログをやって良かったと思うことのひとつは、この人たちのディープなファンの方々がいかに多くいらっしゃるかを、身をもって知ったことでした。ことZEPPに関しては自分の周囲にコアなファンの方がおらず、その喜びを共有できる人がおりませんでした。ところが、かいじんさん、SGTさん、まささん、epitaphさんはじめ、ZEPP愛に溢れ求道していく方々に出会うことができ、自分もファンを名乗るにはおこちゃまレベルである事を知るとともに、喜びが共有できる事の嬉しさを教えていただきました。自分にはまだまだZEPPに対しての知識はたりませんが、「愛する事」は誰にも等しく与えられた権利。自分の愛を語るに、そこには一点の曇りもありません。何だかわからない根拠をもって、今後もワタクシなりのZEPP愛を語っていきたいと思います。

 

 

さて前置きが長くなりましたが、久々のZEPP記事です。ZEPPは後追いながら私が唯一、アルバム発売順に聴いていったバンドでございます。当ブログ唯一の時系列レビューとなっておりますのでお時間が許せば過去記事もご覧下さいませ。
(リンク↓)

 

 

 

 

このツェッペリンの4枚目のアルバムがリリースされた年は1971年。豚はまだ7歳でした。尾崎紀世彦の「また逢う日まで」や南沙織「17才」など日本はやっと歌謡曲の新しい波が起きはじめた頃で、海の向こうではもうこんな素晴らしい音楽が当たり前に存在していたのも知るよしもないくらい幼いころのことでした。ZEPPのデビューが1968年とするとわずか3年で4枚のアルバムを出した事になりますが、今の時代では考えられないほどのハイペースではないでしょうか。しかも前作「Ⅲ」で見せた音楽的志向の本質を更にすすめて昇華するという劇的な進化をとげ、字義どおりの金字塔アルバムを作り上げてしまったのですから。

 

 

アナログ盤に針をA面に落とした瞬間からグイッと引き込まれます。「Black Dog 」、「Rock and Roll」という彼らのハードロック的な本領が発揮された名曲にはいつ何度聞いても心躍らさせられます。前期ツェッペリンの集大成ともいえる曲調はわかりやすく、またある種の完成美をかもしだしていた事も事実だと思います。そしてこのアルバムは何といっても名曲「天国への階段」が入っている事で有名です。この曲がある故に大ヒットしたことは間違いないでしょう。

 

 

Stairway To Heaven

 

 

イントロのアルペジオの見本のようなアコギの爪弾きによる静かな導入。フォーキーで暗喩に満ちたリリック。徐々に迫り来る曲調のダイナミックな転換。エモーショナルで華麗なギター・ソロ(何度コピーしようとしたことか)。終焉に向かってはハードな野獣のような咆哮で一挙に登りつめる。静から動へのその劇的ドラマティカルな構成と、彼らにしか作りえないエッセンスが満載。何と素晴らしい曲なのでしょう!この曲が終わるとA面が終了します。もうB面などどうでもいいと思わせるほどの怒涛の流れがA面にありました。そのせいか若い時分はB面は流して聞く程度の聞き方しかしてなかったと思います。おなかもいっぱいだったのでしょう。

 

 

しかしながら、耳も肥え音楽を熱だけでなく冷静に俯瞰することができるようになり、またこの後のZEPPのアルバムを聴いた後で振り返ってみると、「Ⅲ」と同様このB面がその後のロック・グルーヴ化していく後期ZEPPのプレリュード的な意味を持っていたことに気がつかされます。B面トップの「Misty Mountain Hop」から「Four Sticks」にかけてのリフとドラムによる時間的な経過のマジックは、延々とトリップへと誘い「Going to California」のアコギによって再び安堵させ、「When the Levee Breaks」のバッドトリップ感覚はリフの作り方の上手さによって独特の「うねり」を出すようになってきている。このあたりが、彼らを凡百のバンドと決定的に差別化される要因であると思います。彼らの作り出すいわゆるロック・グルーヴはこのアルバムをもってほぼ完成していたといわざるをえないでしょう。今ではすっかりB面をかけることが多いような気がします。

 

 

彼らはオリジナル・スタジオ盤はコーダを除いて8枚ありますが、この4枚目はちょうどその真ん中のアルバムという事になります。彼らのアルバムのなかで、最高のビッグセールスを記録したのはもとより、(全米チャートに合計234週間ランク・インし、2300万枚以上を売り上げたモンスターアルバム)ノンタイトル・ノンクレジットという挑戦的ともいえる行為すら、彼らの神格化に結果として一役買うことにしてしまうという凄さを感じずにはいられません。そしてその自信は次の「聖なる館」にむけての実験性に繋がっていくのだと思うのでした。

 

 

Misty Mountain Hop

 

 

 

 

When the Levee Breaks