机上の空論、という言葉がある。
どういう意味なのか念のために調べてみると
頭の中だけで考えられた、実際には役に立っていない理論や計画、
使えない案や意見を表します
と書かれている。
体感を伴っていない意見だったり考えも
これに入るのかな、と思う。
自分が経験もしていないのに
良いとか悪いとか判断したり
正しいとか間違ってるとか言ってみたり。
強烈な思い込み。
これも言ってみれば、机上の空論、なのかもしれない。
私の中にもたくさんの「机上の空論」が渦巻いていました。
なんの疑問も持たずに
これはこういうものだ
こういうことは悪いことだ
こういうことをする人は間違っている
と思い込んでいたから。
そんな風に体に染み込んでしまっていた「空論」を
壊していくような経験をこの２年間ほどしてきました。
その始まりとなるある行動を起こしたのは
今から約1年半前、2018年7月末のこと。
その時の私は「家出中」。
と言っても、実家に私1人が帰っていた状態。
夫の不倫発覚から５ヶ月。
この頃は、まだ私も修復しようとしていて。
その想いとは裏腹に、うまく運ばないアレコレ。
言い訳したり、私のせいにしたりする夫。
心が張り裂けそうな日々が続き、アルコールに逃げる日も多かった。
オンナとしてもそうだけど
人としても全否定されているように感じられ
毎日のように泣いていた。
ちょっと記憶が曖昧で覚えていないのだけど
確か、何かあったはず。
家出をしよう！と決意させた何かが。
あ、そうだ。
夫がまた嘘をついたのでした。
なんてことない嘘。
そんなの言えばいいのに、っていう嘘。
不倫を知った時に強調したのは
「わたしは嘘をつかれるのがすごく嫌いだ。」
ということでした。
嘘をつき続けられたのがショックだったし
嘘をつけない人だと思っていたからこそ
2年もの間、平然と嘘をつき通せたことにそら恐ろしさを感じました。
何度か
わたしに隠していることあるよね？！
秘密にしていること、あるでしょ？？
と聞いたのだけど。
でもまぁ、
うん、実は彼女がいるんだー。えへへ。
なんて言えるわけないか。
だけど、その後ついた小さな小さな嘘。
嘘をつく必要もないこんなことで嘘をつくのだ。
この人は、まだまだ嘘をついているんだろう、いろんなことで。
わたしがそう思ってしまったのもまた、仕方のないことだろう。
また小さく胸が疼いた。
また小さな傷が胸に増えて行った。
不安だった。
どうなってしまうのだろうか？？
家出をして、効果があるのだろうか？？
心許ない暗然とした世界。
今、振り返るとこの時のわたしは
きっと勘づいていたんだろうと思う。
夫婦間のことは、良いようには進まない…と。
そんな未来が見えてしまっていたのだろう。
自信喪失
先の見えない不安
どうなるかわからない恐怖
それらを受け止めきれなくて
逃げたくなってしまって
わたしが足を踏み入れた場所
それは…
（続く）
