風に舞い上がるビニールシート
- 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)/森 絵都

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深刻な国際問題でありながら、世界がいまのまま機能するうちは絶対になくならないもの、
戦争・内戦・テロ・暴力にあふれたもの。
そのなかで、ただ「その日一日、生きて眠りにつくこと」だけしか選択肢がない難民を、
風に舞い上がるビニールシートだなんて表現できるひとはこのひとしかいませんね。
保証されてる明日を絶望にしか思えないひとが大勢いるこの国で、きれいごと言って生きていけるこの国で、
自分には何ができるんだろうと考えてもなんにも変わらないけど、
自分には何ができるんだろうって考えることだけは止めません。
それだけが自分となにかををつないでくれる架け橋であるような気がする。
直木賞とるだけあって読後の威力がバチコーンきます。
個人的には「守護神」がすきです。不器用で世渡り下手な頑固まっすぐ人間にはひきつけられるものがあります。
解説の一言がとっても気にいりました。
「お金や命や家族と比較なんてできないけれど、敬愛できる作家の小説とひとり向き合う時間は、
多くの読書家にとって紛れもなく大切なもの。」
うん、そのとおりっ!