輝かしい自分史を残したい団塊世代の男。
スティーブ・ジョブズに憧れるフリーター。
自慢の教育論を発表したい主婦。
本の出版を夢見る彼らに
丸栄社の敏腕編集長・牛河原は
「いつもの提案」を持ちかける。
「現代では、夢を見るには金がいるんだ」。
牛河原がそう嘯くビジネスの中身とは。
現代人のいびつな欲望を抉り出す、笑いと涙の傑作長編。
意外と、面白かったです。
最初は胸くそが悪くて、
このトーンのまま話続くんか~
と少しうんざりしながら読んでいましたが、
読み進めるにつれて、あれ、雲行きが・・?
結局、
牛河原ええやつやん、
で終わっちゃいました。
でも多分そんな私も、
牛河原の口車に丸め込まれた一人なのかも、
しれません・・。
私が書いてるこのブログも、牛河原からしたらもう
自己顕示欲の塊として嘲笑されるんだろうなあ!
ひいーー。涙
もう完全に、ブラックな方の百田尚樹全開、
という感じでしたね。
本を書くやつは頭おかしい!
小説読んでるやつなんて今の世の中おらん!
だなんて、
作家としてどんな気持ちで書いてるんかな~
とか思ったり。笑
後は、百田なんとかって作家は
毎回違うジャンルばっかり書いてて云々・・
みたいな自虐もありました。
いやーでも、この本を読むと、
本の世界に絶望することは間違いなし。笑
文芸誌は今の時代、誰も読まないし買わないけど、
出版社が安く本を出版するための手段、
みたいな説明には、
なるほど~と思いました。
うちらはその文芸誌で、
作家の本の下書きを読まされている、みたいなね。
純文学への当たりもきつかったなあ。
売れなくてもいい、自分の書きたいものを書く!
とか作家は言うけど、
なんでそんな売れない個人の戯言を
うちの出版社で出さないといけないの、と思う・・って。
書きたいなら自分一人で書いて出せよって。
確かにー!笑
まあそんな中でも、百田さんは
日本で数少ない、
本だけで生きていける人気作家の一人
なことは、紛れもない事実。
結局、売れてる人が正義なんですよね。
読者からしたら、
面白いものを書いてくれる人が一番。
勝ち、ですね!笑