幽霊のような子 / トリイ・ヘイデン | 趣味は読書です

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ひたすら読んだ本たちの記録

 

この子はまるで幽霊みたいだ――私立のクリニックを辞め、

ふたたび教育の現場、小学校の情緒障害児クラスの

教師となったトリイにとって、

八歳の少女ジェイディは

いままで出会ったどの子より不可解だった。

周りが何をやっても、ジェイディは顔色ひとつ変えず、

だれとも一言も話さない。まったくの無反応なのだ。

何よりもトリイを驚かせたのは、その病的な姿勢だった。

体をほとんど二つに折りまげ、

上目づかいにこちらを見上げる姿は異様なほどだった。

だが、ある日トリイは偶然の機会に、

まっすぐに立つジェイディの姿を目撃する。

あの異様な姿勢は、

口に出せない問題をかかえる少女の、

助けを求める悲痛な叫びなのか?

つぎつぎと予期せぬ反応を見せはじめたジェイディが、

少しずつ心を開いて語りだしたのは、

陰惨な性的虐待をくりかえす

忌わしいカルト集団の存在だった!

相談する相手もない孤独と不安のなかで、

自信を失ったトリイは真実をつきとめ、

ジェイディを救うことができるのだろうか?

情緒障害児との心の交流を綴り、

読者の圧倒的な支持を得てきた著者の、

新たな衝撃と戦慄に満ちたノンフィクション。

 

 

 

と、もうあらすじで全てが説明されている感じですが。

久しぶりのトイリ・ヘイデンを読みました。

これまでの、The支援教育!みたいな内容ではなく、

今回は、いかに虐待からその子どもを救うか、

がメインでしたね。

だってもう開始数ページで、

ジェイディ普通にしゃべってますからね!

しゃべらんかったんちゃうんかい!!って。笑

 

逆にここから残りの数百ページ、

どう物語は動いていくんやろう?

と思いましたが、

ここからはまあもどかしかったですね。

ジェイディが(多分)受けている異常な性的虐待の全貌が

ジェイディの言葉から明らかになっていくのですが、

他の大人がそれを中々受け入れない!

なぜなら他の大人達は、それを

本人の口から聞いたわけじゃないから。

トリイにだけ言ってるからね。

ここが今回の難しいところでしたね~。

 

最後はついにジェイディが勇気を出して

物語は終わりましたが、

悔しいのは、特に父母が逮捕されたりはなく、

真相は闇の中、ということ、、。

これが、幼い子への虐待の一番悔しいところですよね。。

例えば、

その日力尽くでも誰か大人が保護して家に帰さなければ

命が助かるかもしれないのに、

色々手続きを踏んだり確たる証拠がないと動けない・・

これはかなり昔の話なので

今はもうちょい進歩してるかもしれませんが、

もう少し、幼い子どもを守る法律が整備されることを願います。

 

次は、

「ヴィーナスという子」

を読みます。

今作は、衝撃的な内容ではありましたが、

支援教育の物語特有の、

その子どもが本当の力を発揮していく過程で感じられる

心を揺さぶるような感動はなかったので、

次は期待です。楽しみです!

 

 

 


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