ワイナリー "Feudi del Pisciotto" で先にチェクインを済ませ、本日ふたつ目の目的地"Villa Romana del Casale" に向かいます。夫がどうしてもここに行きたいと言いだし、本来ならゆっくりワイナリーのホテルに滞在するはずが古代ローマ遺跡もねじ込んできました。
ぜったい時間かかるぞ。この遺跡。
Google先生の言う通りに行けばワイナリーからまっすく北上し、ピアッツァ・アルメリーナにさしかかった付近から西に移動。約1時間もあれば着けるはずでしたが、ここで一筋縄ではいかないよくあるパターンが発動。ニシェーミの街から出られないんですわ
この道もう3回目〜
後ろを振り返ると、高台にあるニシェーミの街からずいぶん下に降りてきてます。
とにかく下へくだり、そのままピアッツァ・アルメリーナ方面へ繋がる道路へ出たいのですが「今度こそ抜け出せたかも」と、ぬか喜びが続きます。またこれ⬇︎
自然災害であちこちの道路が崩れているため工事中だそうです。先に進めないようバリケードがありますが、他の道なんて急に道路の半分くらい崩れてたりして非常に危ないんです
落ちたらほんとにやばい。
もう一度街へ引き返して、果物屋のおばさんに助けを求めました。「私じゃわからないから」と、近所のおじさんを呼んでくれて、かなり遠回りではありましたが確実に抜けられる道を教わってようやく地獄のループを脱出。いやはやすごいロスタイム
ついにニシェーミの街から、スコーンと抜けた道に出ました。
見渡す限りの濃いグリーン。やっぱ5月の旅はええなあと何度も噛み締めます。
予定していた時刻より多少遅くなってしまいましたが、何はともあれ無事到着。
右の地図にあるパーキングまで来ました。平日にも関わらず沢山の車と奥の方には
観光バスもズラっと。
「もうなんでもいいやん〜」と急いで食べたパニーノ。何がはさまっていたのかもよく覚えていません。予定外にさまよってしまったせいでランチのタイミングを逸してしまい、ここで食べる以外の選択肢がなかったので、そそくさと食べて遺跡へ。
パニーノの屋台以外にもお土産物屋さんなどいくつか露店がありました。看板に「ツーリストガイド」と書かれているのでオーディオガイドかと思ったらガイドさんが待機しているそうです。
駐車場から遺跡まで表示に沿って紫のお花の間を徒歩で移動。
毎週第一日曜は無料開放されていると聞きましたが、あいにく平日に行きましたので、
ひとり10ユーロ払いました。
回廊西側の奥の方にある「小狩猟」のモザイク。狩りの合間に宴会をしたりしています。
杉、カシ、ナラなどこのあたりの昔の植生が分かるのが興味深いところなのだとか。
キューピッドがイルカと戯れたり、漁をしている風景
先に写真を載せた「小狩猟」に対してこっちは「大狩猟」。
言葉通り回廊の端から端までドーンと1枚の絵になっています。
説明によるとガチの狩りではなくサーカスで見世物として行われる狩りを題材にしているそうです。
絵が横長すぎて全体が見えないので、象とか鳥を捕まえている人など所々アップで撮ってみました。
ビキニ女子がスポーツをしているモザイク
タイトルはずばり"ragazze in bikini " ( 直訳するとビキニを着た少女たち)となりますが、実際はビキニとは少し違うようです。陸上競技の時に使用される腰布(subligar)と胸帯(strophium)という軽量の体操着上下セットのような位置付けのものだそうです。時代が時代、古代ローマなので物や人の名前も現在のイタリア語っぽくない響きの単語で、どう発音するのが正しいのか分からず。説明はモザイクの横にあった看板に書かれていたまんま書きました。
それぞれの女性の解説が面白かったのでここから少し、しつこ目になります
【上段左から2番目】両手にダンベルのようなものを持っていますが、走り幅跳びをする際に
勢いをつけるための道具だそうです。
【上段真ん中】見たまんま円盤投げ。円盤には宝石があしらわれていて彼女が貴族階級であることを示しているとのこと。
【下段一番左】勝者に冠を渡す役目の人
【下段左から2番目】レースに使用する車輪とスティックを持った女性(どうやって使うかまでは書いていませんでした)
【下段右側の2人】特に説明は書いてなかったのですが、見たまんまバレーボールとかそんな感じでしょうか。
みなさんのビキニの下、ショーツのたるみ具合を見るとイタリアの水着を思い出しました。
私の主観ですが、お手頃価格の水着は水に入ると、だらしなくたるんでしまうイタリアの水着。
古代も現代もそうたいして変わらんと思うとなんとなく笑いがこみあげてきました
全ての部屋をUPしていたらキリがないので印象に残った部屋だけサクサクいきます。
部屋の名前は"Fanciulli cacciatori"。さあ。なんと訳しましょうか。「少年ハンター」とでも言うのが適当なんでしょうか。男の子が動物を捕まえている構図の絵なのですが、面白いのはちゃんと捕まえられている子だけでなく、鶏に追いかけられたり、ネズミに噛まれたり、うまく捕まえられず逆に逃げ惑っているんです。
誰か大人の人、助けてあげてー。
別荘の主人の個人的なリビング。家族や親しい人とランチをしたり、図書室的な役割も果たしていたそうです。丸で囲まれた中には果実が描かれており、特に秋の果物が多く描かれています。右上のザクロは富と繁栄の象徴で、しばしば花嫁のティアラを飾るために使われていたとの事です。日本にも永遠とか繁栄を象徴するものがたくさんあるので、みな考える事は同じなんですね。
最後に、このヴィラの中で最も格式の高い部屋。別荘の主が謁見をし、奥の一段高いところに
玉座が置かれていたそうです。ここは実際に床の高さまで足場から降りて見る事ができます。
他の部屋のように床がほとんど残っていませんが敷かれている大理石の大部分は地中海沿岸、
他にもエジプトやアフリカ、アナトリア半島から運ばれたものもあると書かれていました。
「かつてはこんなだった」のイラストがあったので比較ついでに。さぞかし立派だったんでしょうね。
ということで見終わったので急いでワイナリーへ帰ります。ワイナリー見学の予定がありますのじゃあー。いそがしい、というか慌ただしい行きと違い、復路は無駄に通行止めに遭う事もなく帰りつく事ができました。
明日はカルタジローネでタイルの階段を登ります