厚田村☆猫家便り -162ページ目

厚田村☆猫家便り

北の日本海に面した小さな漁村に移住してからの日々

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厚田村は人口2千七百数十人の小さな村ですが、観光シーズン中には十万の人が訪れるそうです。
海水浴やキャンプに訪れる人も多く、お盆過ぎの日曜日くらいまで、かなりの人出でした。
そんな時は、海難事故や交通事故も当然多くなり、救急車やパトカー、消防車のサイレン,それに加え捜索や救助のヘリコプターの轟音など、それはそれは賑やかです。
普段、暗くなる前から静まり返る村に慣れてきた耳には、久しぶりの都会の喧騒で、痛いくらいでした。
そんな海も、今は静かです。九月一日から始まる鮭漁に向けて、準備に余念がない漁師さんたちの働く姿だけです。
「今は~♪・・誰もいない海♪~」古い歌を口ずさみたくなるような景色です。

写真上;別狩の丘から望む(手前別狩海水浴場、川向こうが厚田)
  中:厚田港から別狩の丘を望む(上の写真は左上鉄塔手前付近より撮影)
  下:別狩の海水浴場から厚田方向を見る(一人二人いるけど、「今は誰もいない海」)

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晴れの暑い一日でしたが、夕方から低い所に雨雲が張り出してきました。
夕映えに染まった雲が海面に映り、まるでもう一つ空と世界があるようでした。
こんな日は漁船も、優雅で繊細なオブジェのように見えます。
そしてまた、こんな日は、益々ずぼらを決め込んで近間の一箇所でビール片手に撮影です。

写真:‘05年8月23日 午後6:14~6:37

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最初に住み着いた茶トラの4匹の兄弟(内1匹は雌)は、生後二ヶ月に満たない頃親がいなくなりました。そのせいか、後から来た若い雄の捨て猫を慕って、どこに行くのにも付いて歩いていました。
この若い雄猫は、お行儀良く、どの猫に対しても、威嚇することも無く、仔猫に何をされてもじっと我慢。食事も他の猫が顔を突っ込んで来ると、自分は身を引くといった紳士ぶり。
それでシン(紳)ちゃんになりました。
シンちゃんは交通量が多い漁港通りの側で、じっと通り過ぎる車を見ている事が多かったのです。
きっと彼も車に乗せられてきて捨てられたのでしょう。それでも彼は車に乗ることが大好きで、風邪とひどい腸炎になった時も、自ら進んで車に乗り、何度も病院通いをしました。
しんちゃんは二ヶ月近い療養生活を経てすっかり回復し、体重もかなり増えた年末のある日、いつものように外回りに出かけたまま姿を消しました。
どこを探しても、誰に聞いても、春になってあちこちで発見される猫の死骸の中にも、しんちゃんの姿は無く、どこかで生きていると信じています。
きっと、荷台やドアが開いていた車に乗り込んで、どこかまたよその町に行ったのだと、そしてきっと、そこでも紳士ぶりを発揮してると、私は思っています。