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混沌とした毎日の日記
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久々にいい本。

テレビで紹介されていたので興味を持ったが、実際読んでみると受賞もしている実力者のルポライターの方で、しかも文章がうまく読みやすい本だった。

イギリス在住で、子供の学校生活を通してイギリスの社会問題を考察する内容。

正直、こういうのが読みたかったんだよ!という感じでした。

今海外在住の方は少なくないし、アメーバにもブログがたくさんありますが、日本とここが違うなあと言うことを取り上げたものは面白い。そういうのってやはり生活している人じゃないと気づかないところもあるし。

そういうものをぎゅっと凝縮して一冊にまとめた本ですね。

 

まずは通ってきている中学生の貧しさに言葉を失う。学食で昼ご飯を買えない子供たちには、無料チケットが配られている。そういう制度があるほど、貧しい家庭と子供が多いと言うこと。

学校にはしっかりとランクがある。それはもちろん貧富の差と直結している。だから社会問題の縮図がそのまま息子の学校生活に現れてくる。それを10歳の息子さんが実にしっかりと考えて受け止めていて凄いなあと思う。

 

学校にはPTAはないけれども、例えばユニフォームを再利用するボランティアがあり、地域に出ればホームレスを支援する活動もあり、子供たちはその中に自然に含まれていって、いろんなことを考えるようだ。宗教観の違いもあるからだろうけど、日本もPTAやめてボランティアにしちゃえばいいんじゃないかなと思う。

日本ではタブーの社会問題や性教育も授業でばっちりと取り上げる。イギリスの社会自体は問題が少ないわけではないけど、そのことをしっかりと子供にも伝える教育をしていて風通しがいい。

 

こういう学校に通えるのもイギリス生活の醍醐味だと思う。個人的にはうらやましいなあと思いながら読み終えた。