十二国記 | ありのす

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このところはまっている本。

小野不由美の有名なファンタジーシリーズですが、3年前に知らないうちに新刊が出てて、内容の順番に全部読みなおしてみた。

そもそも、ほぼホラー作品のように読める「魔性の子」が1作目なのだけど、これ、今見てみるとシリーズ最新刊の内容に即しているので、結構後半の方になるのかな。

発行順になんとなく読んでいるとその辺の流れがなんかよく分からない。あとがきに書いてあった案内の順番に読んだらようやく分かったという感じ。

 

そして、最初にぶつかるのが主人公が異国(日本)に生れ、本来の世界に戻されてからの壮絶な戦いというか、まあそもそもよく分かってないうちにいろいろ危害を加えられる状態が続くので、物理的にも精神的にもかなり辛い。読んでても辛い。というのが第1巻。

この辺で「しんど・・・」と止めてしまうと、後半のなんとか盛り返すあたりの楽しいところを読まずに終わってしまうので勿体ない。

 

内容的にはこの陽子さん篇を読む前に、「東の海神―」あたりを楽しく読むか(これはもう、面白すぎて私は水戸黄門みたいな感覚で読んでた。)、「図南の翼」でとりあえずの世界の仕組みを学習(これもまた逆の意味で楽しい。動物好きな人お勧めかも)するか、予習があるとすんなり理解できるのでは、と思う。でも陽子さんと同様、訳が分からないまま放り込まれるという読み方ができるのは、理解してからは逆にできないからね。

 

で、どたばたを経てとにかく国がなんとか成立し、国内を何とか平定し、そこから最初の「魔性の子」の流れが別の国の視点で出てきて・・・というのが全体の流れですね。国が12個ある世界なのだけど、基本的には陽子さんの国と、もうひとつの恵まれない北方の国がメインになります。

 

今回最新刊「黄昏の岸 暁の天」を読むと、その12ある国の王様がいろいろ出てきたりとようやくインターナショナルな展開に(でもそもそも、外交というのがあまり盛んでない世界らしいけど)なってくる。

この世界では王様はとある仕組みで国民の中から選ばれるのだけど、彼らがすごく個性的でユニークな人々だというのがこの辺でようやく分かってきます。実際彼らの会話だけで結構楽しめるのですが。

 

小野さんというと、ホラー大作が有名な作家さんですが、軽妙な会話とか見ているとこの方、全然コミカルな方もいける。そしてホラーに重要な、情景や人物描写ももちろん巧みでらっしゃるので、がっつりのめりこめるシリーズになっています。

まあ、モデルとしては中華風世界なので、難しい漢字が多用されています。これで漢字検定したら大変やね・・。とうてつ、とか未だに何がどうなってるのかわからん。

 

アニメにもなったしマンガもあるんだろうけど、文章のうまい方なので原作をお勧めしたい。

秋には新刊が出るらしい。全国のファンが固唾をのんで待っていると思う。