天空の蜂 | ありのす

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というわけで前々項あたりに書いたとおりチケットあたったんで行ってきました。天空の蜂。

正直、無料で見るのが申し訳ないような出来でした。胸倉つかまれるような作品でしたクラッカー
なんかこう、CMのやりかたがいつもと同じになっちゃってるせいか、おっさん二人が喧々囂々しながら事件が解決するんだったっけ(原作既読ですが20年前の作品だから忘れました)、とかステロタイプなことを思いながら見たら、最後まで全く息をつかせない展開で汗
2時間半あっという間、というわけでもないのですが、途中でちょっと休ましてほしいくらいのみっちり感。

あと、メインの目的はそもそも綾野剛の映画が見たくて応募したし見に行ったんだけど、ファンの人は見たほうがいいですね。
正直汚れ役久し振りだったんで、楽しみではあったんですけど、予想を裏切るくらいの怪演で。ところどころで見せる空虚な薄わらいが、あっこれこれ!と思わせる。
そんなに出番の多い役ではなかったんですが、最後の蜂の陽動のシーン、実はここまでどろどろの血まみれの格闘になるとか思ってなくて、見てて痛かった・・・ショック!相手役の落合モトキさんも、いい役者さんですねー。嵐のニノにちょっと似てるような。
今若手でここまでリアルな演技できる人たちあんまりいないのではないでしょうか。
オフィシャルで主役の二人も、このシーンは印象的と言ってましたが、本当力が入ってました。痛かったけど目が釘付け。

実はこのシーンまでにあんまりそういう展開がなくて油断してましたがあせる堤監督作品ですよね。ギャグも好きだけど(今作品ギャグはほとんどなし)、血みどろシーンも大得意な方でした。忘れてました。
剛君は最後まで殺気ダダ漏れ状態です。主演に、演技の前も手とか震えてて怖いといわれてましたが、うん、だろうねって感じでした。でも正直、この作品では結構共感できる役でもあった。
ツイッターとか見てても、本木さんと綾野君、この二人に評価が割に集中してるみたいであせる本木さんの目も最後のほう凄かったんで、まあ妥当な評価だなと。

そっちに評価が集中するのは、この映画の態度的なところが、案外反原発に偏らず、かといって原発賛成でももちろんなく、わりにニュートラルな見方を保っているからということもあると思います。
この原作自体は20年前に震災事故を予見するような内容でしたが、だからといってやみくもに反発すればいいというものでもない、無関心なのが一番よくないと。
堤監督のせいか、わりに社会的な題材を扱っているのに見かけほどガチガチになってなく見やすかった。

しかし、ラストのシーンは正直蛇足かと。子供の目のアップで終わるくらいでよかったんじゃないかな。震災の光景を映画でちょこっとだけ使われるっていうのはちょっと抵抗がある。向井さんもね、どこで出てんの?って思ったら一番最後だったし。

で、中でちょっと笑わせたのは佐藤二朗さんと、手塚とおるさんと(濃いー)、自衛隊時代の雑賀さんの頭!綾野君の丸刈り初めてみたけど、頭が不思議な形してんなーDASH!かつらなのかな?
彼、頭がむしろ横に長いというか、才槌頭というか。
頭の横幅が意外にあるんだよね。前からそうは思ってたけど。

この映画以外に興行成績が振るわないみたいですが、まあなかなかの力作でお勧めです。そんなに堅苦しくないので、エンタメとしても一級クラッカー