二人の小説家 | ありのす

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またまた本の話。
やっぱり時期なのか、読書に集中しやすいんです。
いろいろあってこのシルバーウィーク、どこにもいけなそうなのでシラーそれに最近宿がとれにくいし(外人観光客が増えてるからだそうです)。

本屋じゃなく図書館で予約したら、一番目だったのかあっさりと借りれてしまったのが村上春樹「職業としての小説家」。
中身は今まであまりなかった、まとまった自伝というか、小説について語った文章をまとめたもの。
もっと軽いエッセイとかはあったけど、今まで知ってた内容をもっと突っ込んだものになってます。

学校についての章とか、結構面白かったです。最初のデビュー作の成り立ちも、文章の構築方法とか、初めて聞いた話でした耳

で、同時に借りてあったのがたまたま、森博嗣の「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」。
別に何の意味もなかったのだけど、同時に読んだら中に共通することと、逆のことが書いてあってなかなか面白かった。

まず、本検索で気づいたのだけど、森博嗣には「小説家という職業」という著作があるんですね汗村上春樹の本を探していたら同時にでてきました。

かたや生涯小説家、かたやすでに小説家を引退したと宣言する工学博士ですが、たとえば原発についての意見は大きく違います。
村上氏は以前からスピーチにもあるように、今の日本の体制で原発を推進することは反対。
森氏は、原発をよく知らないのでと判断を保留しているようですが、推進派の意見をきかない闇雲な原発反対派の一方的な態度もそれはそれでよくないのではと汗両方きちっと聞いてからというニュートラルな意見のようです。

でまあ、言ってることは違うようですが、突き詰めていくと、今は何でもすぐ白黒つけたがるが、考えることにある程度時間をかけることは必要、という点では共通してるみたい。
日本人が陥りやすい短絡的思考、情報過多の環境に警鐘を鳴らしているところは同じように感じました。

理系と文系で、成り立ちも作品もまるで違う二人の小説化が指摘するのが同じような問題というのは、やはり日本の問題って顕著で根深いのだなとシラー
読み比べみたいになりましたが、面白い体験でした。