灰色の虹 | ありのす

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昨日の夜は久々に小説を一気読み。

貫井徳郎氏の「灰色の虹」でした本

昨年、DNA鑑定で冤罪が判明し、19年ぶりくらいに釈放された方、いらっしゃいましたね。あの事件を髣髴とさせる冤罪事件の話。

ただ、内容は全くのフィクションですし、その事件とはまったく似ていませんが。


「乱反射」という作品もそうですが、全体としてのテーマが、個人が少しずつ積み重ねた怠慢や軽犯罪が、結果として一人の命を奪ったり、冤罪事件に発展するというもの。

あと、日本ならではの社会的制裁の重さですね。

どこに責任があるのか一見分からないけど、確実に標的にストレスを加えていくところが日本社会の怖いところかも。


成果を急ぐ刑事に無理やり自白させられた主人公は、無実にも関わらずそのまま犯罪者に仕立てられ、人生を滅茶苦茶にされてしまいます。

そして、その復讐として、事件に関わった刑事、裁判官、弁護士などを次々と襲っていく。という話なのですが。


今日本の司法の硬直ぶりが話題となっているだけに、フィクションと笑い飛ばせない怖さがあるな汗なので、この主人公のやっていることは決して正しくないのですが、結構共感できてしまいました。


特に刑事からの自白の強要。こんなのは実際あったことがときどきニュースになりますし。

取調室の録画記録って必要かも。と考えてしまいますカメラ


ハッピーエンドではないので後味がいいわけではないですが、それ以上に司法の問題点を炙り出した力作だと思いますクラッカー