ちょっと前にテレビでやったもの。映画館で見て、テレビで見るのも多分2回目くらい。
最近の原作ありきの映画化は、大抵脚本をかなり変えられてしまうので、興ざめなものが多い。
この本は映画化より(ドラマ化よりも)ずっと前に読んでいて、ずっと直木賞とれなかった東野氏がこれで賞とったのも納得の出来でした。
小説も結構ラストがいいんだよ。クールなガリレオがいつもやらないような行動に出ているところが。
映画ではやはりそこのところちょっと変えてありましたが、まあそれはそれで許せる範囲。というか福山ガリレオならこれでもいいかもしれない。
他所でも何度か書いているんだけど、この映画のミソは堤真一さんですね
容疑者ダルマ(石神のあだ名)のイメージを崩さず、顔にでないけど見事に一途な演技でした。
拘置所の天井に空想で4色の塗り分けをしているシーンでいつも涙が
この人すごい才能があるのに、ついにそれを開花させる場所を与えられなかった不幸な天才です。
あと、ホレる相手が松雪泰子さんなので、ものっすごく説得力がございます
賞をとったのはもしかしたらトリックのほうなのかもしれないですけどねー。
友情とモラルの間で板ばさみになるガリレオ先生と、ガリレオの推理に追い詰められて敢えて破滅的な道を選ぶ石神の、はたから見ててもどうにもなんない人間関係にかなりはまりました。
2人とも別に冷たい非情な人間ではないのに、結果的に非情な方向を選択せざるを得ないところが、秀逸な脚本だなと思います
東野氏の秀作といえば今ドラマ化している、加賀刑事ものも面白いです。私はこちらのほうが好きだけど、正直阿部ちゃんだとイメージと全然違います
こっちは何故か最新作からドラマ化してしまいましたが、「赤い指」とくれば、次はいよいよ短編を取り上げるのかも。加賀ものはガリレオよりはるかに多くの短編長編がある作品ですので。
読まれるのなら「嘘をもう一つだけ」がオススメです。