贋作里見八犬伝 | ありのす

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休みのあいだに幾つか本を読み終わったけど、やはり桜庭一樹は今回もよかったアップ

直木賞後第1作みたいに、たまに青春恋愛物みたいなほうにコケますが(個人的にはそう思われる)、この人は伝奇かかせたら今の作家ではイチバンじゃないかな合格


表紙に贋作と書いてあるとおり、八犬伝を下敷きにした別物というか。

原作では里見の英雄伝みたいになってるところ、この人々の設定がかなり変わっています。

犬と人の混血(というのはありえないけど)はどうなるかというのを作者なりに検討した結果なんでしょうね。


そのせいか、英雄伝というよりは伏(犬人)たちの運命のはかなさとか、凶暴さとかのほうが目に付く。

犬人の特徴は必ずしもいいところばかりではないのですが、それがとても桜庭作品らしかった。

彼女の作品の刹那的なところ、ものがどんどん移ろっていく、あるいは衰退していくところを克明に描くあたりがとても好きですねー。


書き様によっては何冊にもなりそうだったけど、結構簡潔にまとまってました。

このいきおいでいろんな「贋作」かいてもらってもよさそうな感じですグッド!

源氏物語とかねー。