わいせつなのかアートなのか | デジカメ フォトスタイル

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写真家 小林久人の活動状況や告知など

写真家・鷹野隆大さんの作品が愛知県美術館での企画展「これからの写真」に展示されている。その作品がわいせつ物の陳列に当たる可能性があるとして愛知県警に撤去を求められていた。





美術館と鷹野さんの協議の結果、半透明の布のかぶせて作品は撤去せずに今も展示されている。この対応はすばらしいと思う。警察のいいなりになっていては表現の自由はなくなってしまう。




半透明の布をかぶせた展示は警察への皮肉でもあり来場者に問題提起をしていて新たな作品としても非常に面白い。「なぜこのような展示なのですか?」と来場者が疑問に思う事は実に良いことだ。アートなのかわいせつなのかそれ以外なのかと考えて欲しい。




最近ではろくでなし子(漫画家・美術家)さんやLeslie Kee(写真家)篠山紀信(写真家)さんが逮捕されたのが記憶に新しい。作品がわいせつとして判断されたためだ。しかし今回は逮捕には至っていない。展示も新たな作品として展示されている。もしかしたら今まさに日本の美術が大きく変わろうとしているのかもしれない。




今回の件は作品を展示して警察との摩擦が起きた。そして展示を変えて新たな作品として生まれ変わったときに警察への皮肉と社会への問題提起がされている。これこそ現代アートでここから生まれる議論が今後日本の美術史で語られる事になると思う。




このような問題提起はこれから先も続くと思う。次第に社会にも浸透して今まで言われたいわゆるわいせつがアーティストの表現と理解される事を望む。




会期は9月28日までなので見に行こうと思う。アートなのかわいせつなのかそれ以外なのか自分自身の目で判断したいと思う。





僕の場合は風景写真ばかりなのでこのような事には巻き込まれたりすることはないと思うが、社会に訴えるような作品も作ってみたいと思う。





http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/301249/