松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~ -34ページ目

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に人生と社会を豊かにしていきましょう。~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第201巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型ですが、本号では、

東海道本線・山陽本線を専用塗装を纏ってブルートレインを牽引して疾走した

EF58形直流電気機関車の優美な姿をお楽しみいただけます。

 

 

それではいつものようにパッケージを解いて、

奥底から第201巻の冊子を取り出しましょう。

 

 

巻頭記事はこのところの通例で、付録模型の車両形式の解説です。

1958年に登場した画期的な近代的寝台客車20系は、後にブルートレインと称され、

鉄道ファンならずとも国民的な人気の的となりました。

そのブルートレインによる特急寝台列車を牽引することになった機関車が、

優美な流線型で人気が高かったEF58でした。

「あさかぜ」「さくら」「はやぶさ」などのヘッドマークを掲げて

20系に合わせたブルーとクリームのツートンカラーも鮮やかに、

東海道本線・山陽本線を疾走していたことでしょう。

 

 

次のページは、京王電鉄1000系の特集です。

旧帝都電鉄にあたる井の頭線向けに開発されたステンレス車両ですが、

前面の上半分が編成毎に7つの色に塗装され、側面の窓下に同色のラインが延び、

"レインボー電車"として親しまれています。

全29編成が運用されていますが、7色×4編成で一つ余る1編成は、

特別に7色ともグラデーションでラインが延びている特別塗装で、

特に人気があるようです。

 

 

更にページをめくると、凍てつく大地を走る気動車の写真が目に飛び込みます。

国鉄の晩年に、宗谷本線の急行のスピードアップを図るために開発された

キハ400形・キハ480形気動車の特集です。

一般形のキハ40系を種車として大出力エンジンに換装して、

座席もリクライニングシートに改装して、

急行「宗谷」「利尻」「天北」に投入されました。

 

 

「日本の鉄道の歴史」シリーズは、江の島電鉄の特集です。

鎌倉の海岸風景をつくったリゾート電車の元祖として、

また地元の人々の日常の足として、一地方私鉄でありながら

群を抜く利用者数を誇る存在になっています。

通称"江ノ電"として親しまれていて、

正に湘南のアイコンといった、趣に溢れた鉄道です。

4ページにわたり様々な写真が掲載されています。

 

 

巻末記事はいつものように「観光列車」シリーズです。

本号では、JR九州が誇る“日本三大車窓"を行く観光特急、

「いさぶろう・しんぺい」の特集です。

ループ線やスイッチバックが連なる山岳路線として知られる肥薩線の

人吉ー吉松間を走る観光特急です。

ビューポイントでは徐行運転、停車駅では観光案内も実施している

速達性とは無縁のJR九州らしい独特に観光特急です。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズは、まだまだ続きます。

 

 

ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ
(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich / 1906-1975)の
交響曲(全15曲)の探訪を先週からアップしています。

弱冠19歳で書いた<交響曲第1番>(1926)が大評判となって、
国際音楽界に衝撃的なデビューを果たしたショスタコーヴィチは、
その後はソヴィエト体制の中での葛藤の中で
したたかに創作活動を続けていきました。

国威発揚讃歌的な作品で単一楽章構成による
<第2番「十月革命」>と<第3番「メーデー」>は、
今では殆ど演奏されません。
巨大な3楽章形式による<第4番>は、
"プラウダ批判"の渦中にあって初演を回避して
長年お蔵入りとなった曰く付きの作品ですが、
今日では名曲の評価が定まってきています。

そして、名誉回復を遂げた<第5番>から、
器楽交響曲の量産が軌道に乗っていきました。
通常の冒頭楽章が欠如したような3楽章構成による<第6番>、
オーソドックスな4楽章構成ながら
巨大な<第7番「レニングラード」>、
冷徹の極みのような5楽章構成の<第8番>、
内外からの期待にパロディックに応えた
<第8番>のミニチュアのような<第9番>と、
40歳を目前にした段階で、既にベートーヴェンと同じ数の
交響曲を発表し終えたショスタコーヴィチは、
あのマーラーも為し得なかった二ケタ番号交響曲の完成という
孤高の境地を歩んでいきます。

しかし、<第9番>があまりに軽妙な作品で、
ベートーヴェンの第9のような大作を期待していた
ソヴィエト当局からは"ジダーノフ批判"の対象とされてしまい、
第10番の発表にはかなりの時間を要しました。
<第9番>から8年の歳月の後、1953年にようやく
この<第10番>を発表することができたのです。

現在では、この作品は、<第8番>と並んで
欧米メジャー・オーケストラでしばしば演奏される名曲として
高い評価が定着しています。

#####<交響曲第10番 ホ短調 作品93>#####

<第1番><第5番><第7番>に続いて
オーソドックスな4楽章構成を採用しています。

[第1楽章]
静謐な音楽からじわじわと始る、
ショスタコーヴィチ独特の筆致による
ソナタ形式によって構成される冒頭楽章です。
展開部の痛切な前進は見事です。

[第2楽章]
冒頭楽章が二十数分もあるのに対して、
このスケルツォ楽章は5分足らずしかありません。
しかし、その痛快なまでの存在感は抜群です。

[第3楽章]
この作曲家が、多くの作品の中で使用している
自身の名前のアルファベット表記から抽出した
"DSCH音型"(レ・ミ♭・ド・シ)が、特に明確に
そこかしこから聴こえてきる緩徐楽章です。
静謐な音楽から始りますが、
終盤に大きなクライマックスの達します。

[第4楽章]
ロンド的な快活な性格を持ったソナタ形式による終楽章です。
この楽章の展開部でも、冒頭楽章やスケルツォの狂気に似た
爆発的な漸進的発展が聴かれます。
ユーモアも交えた再現部の後、輝かしい終結部に到達します。
ここでは、自身を象徴する"DSCH音型"が高らかに奏されます。
「体制下の社会における自己の勝利を暗示している」
と見ることもできるでしょう。

YouTube / ショスタコービッチ交響曲第10番 
      カラヤン / ドレスデン 1976ザルツブルク



仕事場のライブラリには、初演者=ムラヴィンスキーの
指揮によるライヴ盤が在ります。

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第6番&10番
   エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
   レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
   1972年&1976年 ライヴ録音
   BMG / BVCX-4007
ムラヴィンスキー盤
##### 「007~ゴールドフィンガー」 #####
1964年作品 監督=ガイ・ハミルトン
タイトル音楽歌手=シャーリー・バッシー
作曲=ジョン・バリー 
作詞=アンソニー・ニューリー、レスリー・ブリカッスィ
ジェームズ・ボンド=ショーン・コネリー
ボンド・ガール=オナー・ブラックマン



第2作「007~ロシアより愛をこめて」の大成功に続いて、
更なる成功を収めたこの第3作「ゴールドフィンガー」
によって、この「007シリーズ」の名声は
決定的になったと言える名作です。
原作=イアン・フレミングの小説では、第7作です。

「ドクター・ノオ」と「ロシアより愛をこめて」では、
犯罪組織「スペクター」との対決という構図が
採られていましたが、この第3作では、
初めてそこから脱却したストーリーになっています。

また、本格的にボンドカーが登場するのも
この「ゴールドフィンガー」が初めてになります。
前作で愛車として登場したベントレーに替えて、
諜報部から支給された特別装備車で、
車種はアストンマーチンDB5です。
ボンドカーは、以降のシリーズでは定番のアイテムとして
定着していきますし、また人気を博していきました。

ストーリーは、メキシコ~マイアミ~スイス~
有名なフルカ峠でのカーチェイス
~アメリカ・ケンタッキー州・・といった具合に、
目まぐるしく世界を飛び回ります。
海外旅行が漸く一般化しつつあったとはいえ
まだ高嶺の花だった昭和40年頃の日本にあっては、
これらのシーンの映像を通して、
海外旅行への憧れを募らせていった面もあったことでしょう。
そして、ハイソサエティーな演出と大人の色気が漂うところも、
このシリーズの魅力の核として定着していきます。

懐かしの名解説者=荻昌弘さんが語る
YouTubeをリンクしておきましょう。



ジョン・バリー楽団による「ゴールドフィンガー」
テーマ音楽のYouTubeもリンクしておきましょう。



映画は楽し! そして音楽もまた楽し!

このところ自分自身の邦楽器作品の紹介を続けてきました。

今日は、2020年の12月に初演された作品の紹介です。

 

 

この写真の五つのガラス製のボウルは、実が楽器です。

クリスタルボウルと呼ばれるものです。

一般的には瞑想やヒーリングに用いられる効果音発生音具

のように思われているかもしれませんが、ステキな音色と

確かな存在感を持つ楽器として認識して良いと思います。

 

2019年に、クリスタルボウルの若き使い手、鈴木充子さんに

知己を得ることができたことによって、私はこの楽器に注目しました。

先ず第一弾として《天空悠遊》〜笙とクリスタルボウルの為に〜を書き、

2020年1月に二つの演奏会で初演されました。

そして第二弾として、今日ご紹介する作品、

《天空悠遊Ⅱ》〜箏とクリスタルボウルの為に〜というが、

2020年12月に初演されました。

 

持続音が主要な魅力であるクリスタルボウルと、

第一弾では同じ持続音を特徴とする笙の協演でしたが、

この第二弾では、対照的な撥弦楽器である箏との協演になっています。

持続音と撥弦楽器の音の粒子は、実は思いの他融け合うもので、

二つの楽器が協演することによって神秘的な時空が生成されていきます。

かなり特殊な、特徴的な音空間が生成される作品ですが、

美しい響きに包まれることができます。

初演は、新進気鋭の箏奏者=青木里加さんの協演を得て、

素晴らしい演奏になりました。

 

 

###《天空悠遊Ⅱ》〜箏とクリスタルボウルの為に〜###

       (作曲年2020年 初演2020年)

 

初演演奏会:2020年12月24日(水)19:00開演

      東京オペラシティリサイタルホール

        【深新會第36回作品展】

  演奏 青木里加(箏)

     鈴木充子(クリスタルボウル)  

 

国際木文化フェスティバルの日本初開催の各種イベントの回想を続けています。

《World Wood Day 2025 Japan》(《ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会》)

(略称:WWD2025)は、2025年3月から11月にかけて、長期分散開催されました。

SDGsにも繋がる、地球環境持続的保全の根幹にも関わる"木の良さ"(Wood is Good !)を

スローガンに掲げる、IWCS国際木文化学会(本部USA/CA)とJWCS(一社)日本木文化学会が、

ワールト・ウッド・デー 2025 日本大会実行委員会を組織して開催した国際フェスティバルでした。

皆様のご注目、ご来場、誠にありがとうございました。

 

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3月20日開催の<オープニング・コンサート>に続いて、3月21日から27日にかけて、

埼玉県にある"ものつくり大学"を会場として開催された、国際交流制作ワークショップの回想です。

世界各国から集結した参加者の皆さんは、"ものつくり大学"で制作を行いました。

ここで誕生した作品の多くは、後に11月21日〜24日に開催となった

WWD2025成果発表展示会【木の展覧会】(会場:東京・築地本願寺)で、

多くの皆様にご覧いただくことが出来ました。

 

国際青少年木工交流キャンプ(IYAFMI)

ワールド・ウッド・デーは、木材が環境に優しく再生可能な究極の天然素材であることを周知し、                 持続可能な社会の実現のために木材が果たす重要な役割について世界的に広く認識されるために、                  毎年開催される文化的イベントです。                                            WWDは、世界中の木材に関係する職人や愛好者が生活の様々な側面で                             木の素晴らしさを探求するための重要かつ最適なプラットフォームとして機能しています。
この目標に向けて、WWDとIYAFMIは、                                               世界中の若者が個人または共同で独自の木製作品を設計および製作する才能を披露する場を提供します。                 お互いに技術を共有し、交換し、学習することで、様々な文化や影響を認め合い、理解が急速に深まり、                  参加者間での強い絆が生まれることを望みます。
将来的にさらなるリーダーシップを発揮する機会が提供され、広く求めらるようになることでしょう。
2025年のIYAFMIは日本で開催され、イベントの大きなテーマは「木とともにエコな暮らし」です。
このイベントは、埼玉県行田市にあるものづくり大学で、3月21~27日に開催されました。

 

詳しくは下にリンクしたサイトをご覧ください。↓

 

 

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毎年の3月21日は、IWCS国際木文化学会が提唱する World Wood Day であり、

国連が制定している 国際森林デー でもあります。

また、10月8日は日本の「木の日」です。

概ね、この3月21日から10月8日にかけての約半年間の会期の中で、

全国各地で各種イベントの断続的な開催を展開する分散開催方式で、

《World Wood Day 2025 Japan》/《ワールド・ウッド・デー2025日本大会》

を開催しました。皆様のご注目、ご来場、ご協力、誠にありがとうございました。

 

 

英語サイトはこちらです。

https://www.worldwoodday.org/2025/

 

明日以降も、各イベントを紹介する記事を連続掲載していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第200巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型ですが、本号では、

現在はJR東日本新潟車両センターとなっている国鉄上沼垂運転区で、

グレードアップ改装を実施されたクハ481形200番台の、

上沼垂色をまとった颯爽とした姿をお楽しみいただけます。

 

 

それではいつものようにパッケージを解いて、

奥底から第200巻の冊子を取り出しましょう。

 

巻頭記事はこのところの通例で、付録模型の車両形式の解説です。

JR発足後、485系をはじめとしする数多くの電車・気動車は、

グレードアップ改装を施されて更に活躍を続けました。

JR東日本新潟車両センターの481系特急形直流電車は、

白地に青色と水色のラインが爽やかな「上沼垂色」の新デザイン外装を纏って

活躍を続けましたが、2017年まで全廃となっています。

 

 

続くページは、養老鉄道600系の特集記事です。

近畿日本鉄道養老線の運営が新たに設立された養老鉄道に移管されたのは、

2007年でした。車両も旧・近鉄のまま引き継がれたので、

移管当初はあまり大きな話題になりませんでした。

しかし時が経って、今では往年の近鉄電車が未だに現役で活躍している

路線ということで、鉄道ファンの注目を集めています。

その車両群が600系という訳です。

 

 

更にページをめくると、カナダの蒸気機関車の写真が目に飛び込みます。

H1b形蒸気機関車の特集記事です。

大陸横断ルートを含む広大な路線網を保有している

カナディアン・パシフィック鉄道で、

車軸配置2C2「ハドソン」の旅客列車のエースとして設計されて

1929年に登場したH1a形は、期待通りの性能を発揮して、

翌年に増備された一群がH1b形という訳です。

1960年に無煙化が完了したカナディアン・パシフィック鉄道でしたが、

21世紀に入って、2816号機が動態復元されたというニュースもあります。

 

 

「鉄道建築」シリーズは、京都鉄道博物館の特集です。

1972年に梅小路蒸気機関車館として、有名な扇形庫を中心に開館した後、

2014年に大幅な拡充の上でリニューアルオープンしたのが京都鉄道博物館です。

梅小路機関区の扇型庫や山陰本線二条駅を移設した駅舎などの歴史的な建物と、

新しい展示スペースが複合した、国内屈指の鉄道ミュージアムとなっています。

 

 

巻末記事はいつものように「観光列車」シリーズです。

本号では、ディーゼル機関車が牽くトロッコ列車、

わたらせ渓谷鐵道"トロッコわたらせ渓谷号"の特集です。

渡良瀬渓谷の沿って足尾へ向けて、変化に富んだ渓谷の風景を楽しめる

観光列車で、人気に応えて新たに"トロッコわっしー号"も増発されています。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズは、まだまだ続きます。

 

 

クラシック音楽の世界には、長い間、
ベートーヴェン以後のシンフォニストが、9曲を越えて、
つまり第9番を越えて、交響曲を完成できないという、
数字の魔力のようなジンクスが厳然と存在していました。
しかも、「誕生した交響曲第9番は堂々たる名曲である」
という結果も伴っていました。

ベートーヴェンのあの<第9>、
シューベルトの<ザ・グレイと>(現在の研究では第8番)、
ドヴォルザークの<新世界>、
未完ながら名作の誉れ高いブルックナーの<第9番>、
そしてマーラーの<第9番>という系譜を見れば、
確かに超弩級名曲揃いです。

まだ壮年期のショスタコーヴィチが既に<第8番>までを
発表していた第2次大戦中から終戦直後の時期、
ソ連国内はもとより世界中の音楽ファンからの、
いったいどのように壮大な<第9番>が誕生するのかという
大いなる興味と注目が、ショスタコーヴィチの
動向に注がれていたに違いありません。

しかし、1945年11月にムラヴィンスキーの指揮で初演された
実際の<第9番>は、5楽章の構成を持っているものの、
総演奏時間は30分に満たない規模というものでした。
ソヴィエト当局としては、
大いなる期待に肩透かしを食らわせれた格好になり、
"ジダーノフ批判"に繋がってしまいました。

現在でも、この作品は、概ねパロディックな問題作として
評価が定着しているように思われます。

#####<交響曲第9番 変ホ長調 作品70>#####

[第1楽章]
ソナタ形式による冒頭楽章です。
第2主題に相当するピッコロによるひょうきんな主題が、
この楽章の性格を決定付けています。
したがって、パロディックな印象ではありますが、
第2次大戦の終結を祝うかのような洒落た音楽でもあります。
筆者の印象としては、ベートーヴェンの<交響曲第8番>
のエコーも感じ取れるように思います。
提示部の繰り返しもあり、新古典主義で闊達な音楽です。

[第2楽章]
一転して、クラリネットのモノローグから始まります。
厭世観が漂う独特の緩徐楽章が進行していきます。
規模は小振りながら、哀切なメロディーが連綿と歌われる
印象深い音楽です。

[第3楽章]
この楽章から終楽章まではアタッカで通奏されます。
先ず第3楽章のスケルツォが始ります。
小粒ながらちょとしたパンチの利いた音楽です。
全音階的な主題と半音階的な主題が好対照を成しています。
スケルツォ・トリオ・スケルツォの伝統的な構成を踏襲した後、
ゆっくりとした悲しげな音楽に収束して次の楽章に続きます。

[第4楽章]
第3楽章と第5楽章を結ぶブリッジ(間奏曲)のような楽章です。
ベートーヴェンの<田園>の第4楽章に相当する存在、
とでも言えましょうか。
突如、トロンボーンとチューバのファンファーレが鳴り響くと、
続いてファゴットのカデンツァが続く構成はユニークですが、
音楽そのものは厳粛です。

[第5楽章]
ファゴットが第4楽章からこの終楽章の音楽を繋いで、
行進曲風でありながら物悲しくもある第1主題となります。
ショスタコーヴィチが得意としたロンド・ソナタ形式に沿って
音楽は次第にヴォルテージを上げていきます。
第2主題が弦楽器セクションによって奏された後、
展開部は、基本の2拍子に3拍子が交錯する
トリッキーな感覚も加えながら発展していき、
最高潮に達したところ再現部に突入します。
提示部とはかなり異なり、再現部では
妙に明るく騒々しく楽天的な音楽が突き進みますが、
最後は更にテンポを上げて第1主題による終結部になります。
ここでも3拍子を交えたトリッキーな感覚を交えつつ
一気呵成に駆け抜けて全曲を閉じます。

この終楽章には、ユダヤ民謡の旋律が
パロディとして含まれているそうです。
ナチス・ドイツの崩壊によってもたらされた
第2次世界大戦の勝利を描き、
また同時にユダヤ人の解放を意図した終楽章である
という解釈もあるということです。

何れにしても、一筋縄では捉えきれない内容と意図を包含した
ショスタコーヴィチならではの問題作です。

YouTube / スヴェトラーノフ指揮:
      ショスタコーヴィチ:第9交響曲


仕事場のライブラリーにあるCDは、この2枚です。

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第7番&第9番
   レナード・バーンスタイン指揮/シカゴ交響楽団
   グラモフォン / UCCG-4101/2
バーンスタイン盤

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第3番&第9番
   エリアウ・インバル指揮/ウィーン交響楽団
   DENON / COCO-70825
ショスタコーヴィチ交響曲第3&9番
「007~ロシアより愛をこめて」
1963年作品 監督=テレンス・ヤング
タイトル音楽=From Russia With Love
       (インストゥルメンタル)
ジェームズ・ボンド/ショーン・コネリー
ボンド・ガール/ダニエラ・ビランキ



2012年ロンドン五輪の開会式の演出にも登場した
ジェームズ・ボンドを主人公と映画「007シリーズ」の、
第2作は、日本の初公開時には「007危機一発」という
邦題がつけられていました。

イアン・フレミングの原作では、東西冷戦の状況を反映した
英国秘密諜報機関対ソ連特務機関の対立のいう図式ですが、
映画では政治色を避けたのでしょうか、
前作(「ドクター・ノオ」)からの因縁の構図を踏襲して、
犯罪組織「スペクター」を宿敵とした構図になっています。
暗号解読機の奪取を巡る抗争という点が、
実に時代を感じさせてくれます。

世界中の人々の憧れ=オリエント急行を舞台とした
スリリングなストーリー展開は、この映画シリーズの中でも
最高傑作という定評もあるようです。

この作品は、1963年の世界映画興行収入ランキングで
第1位になるという大ヒットとなりました。

テーマ音楽のYouTubeをリンクしておきましょう!


映画は楽し! そして音楽もまた楽し!

洗足学園音楽大学は、邦楽器の部門を擁しています。

音楽学部(大学)に現代邦楽コース、

大学院(音楽研究科)に器楽専攻和楽器(通称:和楽器専攻)、

そして付属医研究所として現代邦楽研究所があります。

それらが日常的に協力・協働しながら、学部生・院生・研究生たちが切磋琢磨しています。

 

その邦楽器部門のカリキュラムの要の一つとなっている合奏授業の、

後期成果発表演奏会として毎年恒例の《邦楽 冬の演奏会》が、

今年は来たる12月20日(土)に開催されます。

皆様のご来場をお待ちしております。

 

近年の邦楽器部門は、単に邦楽・邦楽器の学びの場としてのみならず、

海外から(特に中国から)の留学生のアプローチも多く、

東アジアの同属楽器の比較研究の拠点としても機能している、

現代邦楽コース&現代邦楽研究所です。

どうぞその成果の一端をお楽しみください。

 

♫ ♫ ♫ 邦楽 冬の演奏会 ♫ ♫ ♫ 

2025年12月 20日(土)

  • 14:30 開場
  • 15:00 開演

シルバーマウンテン1F

入場料

  • 無料
  • 小学生以上入場可

【出演】
川田 健太・郭 雅文・李 覃琛・胡 焱文・蒋 佳君・張 順順・鄭 啓源・林 彩葉・李 芊媛・西川 瑚音花(学生)
碓井 由希子・磯部 桐笛(現邦研 研究生)
産形 典子・谷富 愛美(助演)
吉原 佐知子(現代邦楽コース統括・客員教授)

 

【司会】      
森重 行敏(現代邦楽研究所 所長)

 

プログラム

<箏・三絃 二重奏> 秋さやかに 作曲:池上眞吾

<箏・十七絃 二重奏> クリスタル 作曲:吉崎克彦

<十七絃・三絃 二重奏> 海鳴り 作曲:石井由希子

<笛・琵琶 二重奏> 流遍の譜 作曲:石高琴風

<大合奏> ファンタジア 作曲:沢井忠夫  箏ソロ 川田健太 

 

備考

来場を希望される方は事前予約をお願いいたします。

なお、受付は定員に達し次第終了とさせていただきます。

 

予約サイト

 

このところ自分自身の邦楽器作品の紹介を続けてきました。

今日は、2020年に初演される予定だった未発表作品を紹介しましょう。

 

この作品は、2019年7月に初演した

《音・音 / Sound Sound Ⅴ》

        〜箏とオルガンの為の幻想曲〜

の新ヴァージョンです。

まず、原曲となる最初のヴァージョンを、あらためて紹介しておきましょう。

 

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勤務先の洗足学園音楽大学の今年度の大学院2年生に

箏専攻学生とオルガン専攻の留学生が在籍しているので、

その二人が協演できるステージを創出しようということに

なって、この作品が誕生する運びになりました。

 

箏(素朴な木製弦楽器)とオルガン(大規模な金属製管楽器)

(注:オルガンは鍵盤楽器ですが、発音メカニズムは管楽器です)

という対照的な二つの楽器のための二重奏作品ということで、

音と音の対照を奏者と聴き手の双方にとっての共通コンセプトとなる楽曲シリーズ=

"音・音 / Sound Sound シリーズ"の第5番として作曲することにしました。

 

オルガンは笙を思わせる音色を中心に繊細な演奏を見せつつ、

箏はその音色と機能を存分に発揮しつつ、両者が対照や融合を繰り広げていきます。

 

箏パートは、中国の箏=古箏でもトレース可能にしてあるので、

オルガンと古箏の二重奏で中国でも演奏していただけたらと、

作曲者としての願いも込められています。

 

このシリーズの今までの軌跡は、

《音・音 / Sound Sound 〜二群の邦楽合奏の為の二章》

《音・音 / Sound Sound Ⅱ

        〜トランペットとオルガンの為に》

《音・音 / Sound Sound Ⅲ〜笙とコントラバスの為に》

《音・音 / Sound Sound Ⅲ-b 〜笙とリコーダーの為に》

《音・音 / Sound Sound Ⅲ-c 

        〜バンドネオンとコントラバスの為に》

《音・音 / Sound Sound Ⅳ 

         〜尺八、二十絃箏、打楽器群の為に》

となっています。

そして

《音・音 / Sound Sound Ⅴ》

        〜箏とオルガンの為の幻想曲〜

の誕生となりました。

更に明日初演予定だった最新作が、

《音・音 / Sound Sound Ⅴ-b》

        〜二面の箏とオルガンの為の幻想曲〜

という訳です。

近い将来にあらためて初演の機会を設定するつもりです。

 

・・・・・・・・2019年の初演演奏会・・・・・・・・

     邦楽演奏会「和のいろは」
[日時]7月27日(土) 開場13:30 開演14:00
[会場]洗足学園音楽大学シルバーマウンテン1F 入場無料
 

 

今度は、この作品の箏パートを箏二重奏に改変して

新しいヴァージョンを創ることにしたという訳です。

大学院生にもう一人の箏専攻生が居るので、

オルガンと箏二面で演奏できるヴァージョンを用意して、

2020年3月15日にサントリーホール・ブルーローズで開催となる

〖洗足学園音楽大学 大学院スペシャルコンサート〗

で初演ということになっていたのです。

しかし、新型コロナウィルス感染拡大抑止策の中で

演奏会そのものが開催中止となり、初演も見送りになりました。

近い将来にあらためて初演のご案内ができるように、私自身も願っているところです。

 

(開催中止になった明日の演奏会のチラシの表紙です)