松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~ -21ページ目

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に人生と社会を豊かにしていきましょう。~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

マーラーの交響曲の紹介も5曲目になりました。

第1番「巨人」で、青春の息吹とも言うべき門出を飾った後、
第2番「復活」、第3番「夏の交響曲」と、
声楽を伴う巨大な作品が続いた後、
終楽章の声楽が導入されてはいるものの規模は小さくなった
第4番「天上の生活」による過渡期を経て、
いよいよ中期の器楽三部作と言われる
第5番・第6番・第7番に進んでいきます。

この第5番は5楽章構成の規模ながら演奏時間は70分前後で、
明るいフィナーレを持つ明朗な曲調でもあり、
またオーケストラのみで演奏できることから、
演奏機会には特に恵まれている交響曲です。

伝統的に交響曲やソナタ等の絶対音楽多楽章作品の呼称では、
第一楽章の調性を付記する習慣があります。
この曲も「交響曲第5番 嬰ハ短調」と記載されます。
しかし、全5楽章の調性を見てみると、
第一部
 第1楽章=嬰ハ短調
 第2楽章=イ短調
第二部
 第3楽章=ニ長調
第三部
 第4楽章=へ長調
 第5楽章=ニ長調
となっています。

この曲では、いつものマーラー流ソナタ形式による冒頭楽章
に相当するものが、実は第二楽章なのです。
ですから、本当は「交響曲第5番 イ短調」と呼んでよいのかもしれません。
しかしまた、全体の印象を決定づけている調性は、
長大なスケルツォである第三楽章とフィナーレ(第五楽章)を支配しているニ長調です。
バロック時代や古典派の時代に成立した習慣は、
もはや後期ロマン派のマーラーの交響曲に適用することは、
あまり意味のあることではないのかもしれませんね。

第1楽章は、トランペットが所謂“運命動機” を連呼して
印象的に始る重苦しい楽想の中にも哀愁の漂う葬送行進曲です。
本来の冒頭楽章である第二楽章へ導入する序章と考えて良いでしょう。
マーラー自身、この二つの楽章を合わせて第一部としています。

第2楽章は、マーラー流ソナタ形式の応用による、通常の第一楽章に相当するものです。
第2主題の再提示が思いきったモノディになってること、
展開部がマーラーらしく二段構えになってはいるものの規模が小さいこと、
再現部では第1主題と第2主題が渾然一体となって再現されていること、
コーダの直前に終楽章のクライマックスを予感させる
ヴォルテージの盛り上げが挿入されていること、
等によってデフォルメされたマーラー流ソナタ形式と考えられます。

第3楽章は演奏時間20分近くに及ぶ長大なスケルツォです。
この楽章一つで第二部を構成しています。
通常のマーラー流スケルツォは、ABABAcodaといった
常識的な構成の外見を持っていることが多いのですが、
この楽章はまるでオーケストラの即興演奏を聴いているようで、
一言で表現できる構造原理では説明がしにくい複雑さです。
『マーラー流ソナタ形式の影をまとった自由なロンド』
とでも言っておきましょうか。

第4楽章と第5楽章はアタッカで続けて演奏される第三部です。
トーマス・マンの原作による映画「ヴェニスに死す」で、
この第4楽章を中心に背景音楽としてフル活用されて、
この曲の世界的な人気が確立した観もあります。
管楽器と打楽器が全てお休みで、弦楽器セクションとハープのみによって、
連綿としたロマン溢れる音楽が奏でられます。

第4楽章の最後にへ長調主和音の第3音=A音(ラ)がそのまま持続されて、
それが第五楽章の調性であるニ長調の属音=A音(ラ)にすり替わって、
終楽章が始ります。
最初はホルンのメロディに導かれて牧歌的な雰囲気で始りますが、
やがて音楽は目まぐるしく場面転換を繰り返して、
何度も何度もクライマックスが押し寄せては引き、
約10分にわたって押せ押せの前進を続けますが、やがて突然の平静が訪れます。
しかし音楽はもう一度立ち上がり、遂には壮大なクライマックス=コーダに到達します。
この楽章は、マーラー流ソナタ形式とロンド形式と
自由なフーガという様々な様式や構成法を組み合わせたものと考えられます。
テーマらしい部分をA、フーガ的な部分をB、として構成を辿っていくと、
第4楽章の引用部をCとしつつも、大筋においてマーラー流ソナタ形式との
近似制が見えてきます。一言でいうならば、「マーラー流ロンドソナタ形式」です。


この交響曲の録音はそれこそ星の数ほど沢山リリースされていますので、
推薦盤を限定することは困難の極みですが、ロマンの放出と自由奔放な闊達さにおいて、
バーンスタイン盤を超えるものはなかなか見当たらないと思います。
私のライブラリーにあるLP盤をご紹介しておきましょう。
(ちょっと変わったジャケット・デザインですよね!)

指揮:レナード・バーンスタイン
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
CBS-SONY / SOC J 33~34

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-マーラー5番・バーンスタイン盤

そして、最近よく聴いているCDが大野和士指揮/バルセロナ交響楽団盤です。
演奏も録音もライブ盤の常識を超える出来栄えの素晴らしいディスクです。
Altus / ALT409


作曲家グループ<邦楽2010>の次回公演のお知らせです。

私=松尾祐孝も出品を予定している演奏会です。

 

 

♫ ♫ ♫ 《音ト遊ブ》 vol.3 〜雅楽器特集 ♫ ♫ ♫

  〜作曲家グループ<邦楽2010>企画展〜

   2026年4月19日(日) 13:00開場 / 13:30開演

     としま区民センター 6F 小ホール

       チケット ¥3,000(当日券・前売り共通)

 

出品作曲家:

 神坂真理子 

 シュムコー、コーリン・クリスティナ

 高橋久美子

 田丸彩和子

 松尾祐孝

 森田泰之進

 

注)出品作品はチラシ画面でご確認ください。

 

公式ホームページ予約フォーム ↓

 

[お問い合せ]  作曲家グループ<邦楽2010>事務局

       TEL: 042-472-3870 FAX: 042-420-1099

                        email : hogakucomposers@yahoo.co.jp

 

〜〜〜〜〜「音ト遊ブ」とは 〜〜〜〜〜

私たち作曲家グループ<邦楽2010>は2010年に発足され現在に至るまで、

ほぼ毎年「音のカタログ」というタイトルで定期コンサートを開催しており、

これまでに邦楽器の魅力を活かした多くの作品がこのコンサートによって生まれています。 

一方で、新シリーズの「音ト遊ブ」は、もう少し実験的で、特定のテーマ持った、

そして観客ともっと近い距離で音を共有することを目的としたコンサートです。

今回vol.3では「雅楽器」にスポットをあてました。 

笙、篳篥、龍笛などおなじみの楽器に加え、大篳篥や声(古代歌謡)も登場します。

雅楽の新しい扉を開くひととき、どうぞお楽しみくださいませ。

 

 

長期間にわたって継続してきた映画「007」シリーズの
私なりの回想記事も、今回で第20作目に到達しました。
ピアース・ブロスナン主演の最終作になります。



###第20作=<ダイ・アナザー・デー>###
2002年 監督=リー・タマホリ
音楽=デヴィッド・アーノルド
主題歌=「ダイ・アナザー・デイ」マドンナ
ジェームズ・ボンド=ピアース・ブロスナン
ボンドガール=ハル・ベリー
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

YouTube / ダイ・アナザー・デイ (字幕版)
         MGMvodJP


シリーズ第20作という記念作品であるため、
これまでのシリーズの場面を彷彿とさせるシーンが、
あちらこちらに登場する辺りも、
このシリーズのファンには堪らない魅力ではないでしょうか。
実際に興業収入も上がり、2002年の世界第5位、
インフレ率換算無しではそれまでのシリーズで歴代最高
を記録したということです。

ストーリーの舞台は、北朝鮮や中国という設定になり、
21世紀に入った時代の流れを感じさせてくれます。

久々にアストンマーチンが本格装備を施したボンドカーとして
大活躍をすると同時に、ボルボ、ランドローバー、
フォード・サンダーバードも登場します。
敵方の車はジャガーです。

主題歌をマドンナが歌ったことでも注目されましたが、
自身が映画本編でもチョイ役で出演しています。
さて、どこに登場しているでしょうか・・・
という楽しみもありますね!

YouTube / 007 ダイ・ アナザー ・デイ /
      From MT Asama-active volcano


この作品の後、ジェームズ・ボンド役は、
大方の予想とは異なる意外な起用に進んでいきます。

《日輪 燦燦》〜雅楽三管の為の幻想曲〜【木の文化の音楽祭】オープニング作品〜

 

私が2025年に(一社)日本木文化学会代表理事&<ワールド・ウッド・デー2025日本大会>実行委員長として

開催を統括総指揮した《World Wood Day 2025 in Japan》の一環として、《EXPO2025大阪・関西万博》会場内

ポップアップステージ北で10月7日〜9日に開催した【木の文化の音楽祭】のオープニングの為に作曲した作品が、

この《日輪 燦燦》〜雅楽三管の為の幻想曲 です。

 

 

松尾祐孝作曲/《日輪 燦燦》〜雅楽三管の為の幻想曲 記録動画

 

この作品は、2025年10月に《EXPO2025 大阪・関西万博》会場内で、

木の文化の国際フェ スティバル《World Wood Day 2025 in Japan》の一環としての企画

【木の文化の音楽祭】 のオープニングを飾る作品として作曲したものです。

『日出る国 =日本』での開催を祝して、タイトル「日輪 燦燦」を冠しました。

木の文化に欠くことの できない太陽の恵みに思いを馳せながらお聴きください。

 

 

###《日輪燦燦》〜雅楽三管の為の幻想曲〜(2025)###

  (EXPO2025【木の文化の音楽祭】オープニング作品)

 

   先行初演演奏会:2025年9月30日(水)18:30開演

      としま区民センター 小ホール

  <邦楽2010>コンサート【音のカタログ】vol.12

 演奏 中村華子(笙) 鈴木絵理(篳篥) 〆野護元(龍笛)

 

   万博会場内公式初演:2025年10月7日(火) 11時開幕

 《EXPO2025大阪・関西万博》会場内 ポップアップステージ北

【木の文化の音楽祭】〜ワールド・ウッド・デー2025日本大会特別演奏会〜

 演奏 中村華子(笙) 鈴木絵理(篳篥) 〆野護元(龍笛)

 

     

 

 

東京の下町にひっそりと佇む、知る人ぞ知るパサースポット、江嶋杉山神社に、

 

この正月もお詣りしてきました。

 

 

西側の書面の鳥居から境内に進んでいくと、社殿が見えてきます。

 

 

コンパクトな境内ですが、池もあり、奥には江島神社(江ノ島)の奥にある祠を思わせるような、

 

岩屋(洞窟)があり、宇賀神などが祀られてもいます。

 

 

南側にも立派な鳥居があります。

 

 

本年2026年の皆様のご多幸をお祈りいたします。

 

 

 

2026年、令和8年が始まりました。皆様の今年のご多幸をお祈りいたします。

昨年2025年は《EXPO2025大阪・関西JAPAN》の開催で盛り上がりました。

私は、その万博にほぼ並行する会期で分散方式による全国展開で主催運営した

《ワールド・ウッド・デー2025日本大会》の一環として万博会場内で開催した

【木の文化の音楽祭】があったため、大阪に何度も足を運んで、万博を満喫しました。

新年にあたり、このところその訪問記を回想しています。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 

《EXPO2025大阪・関西JAPAN》真夏の訪問記 vol.5

〜輪島塗大型地球儀〜

 

 

"空の広場"と"ポップアップステージ北"の近くに「夜の地球 Earth at Night」という

パビリオンがありました。予約無しで入館できたので、暫し日差しから退避する為もあって

入ってみると、日本の伝統工芸をアピールする興味深い内容の展示館でした。

 

 

その展示の中で特に印象に残ったものが"輪島塗大型地球儀"でした。

正確には、作品自体の名称が【輪島塗大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」】とのことで、

直径1メートルに及ぶ大迫力の地球儀が展示されていました。

 

 

この漆黒の地球儀は、2024年1月1日の能登半島地震でも奇跡的に無傷で残った

「復興シンボルの一つ」となっているもので、

「対立や分断を超えて他者に思いを巡らすことの意味を世界に向け伝えていきたい」

との願いも込められているということです。

 

参考資料リンク:

 

さて、再び大屋根リングの屋上に戻って、一周踏破を続けました。

 

 

上と下の写真はサウジアラビア館です。

 

 

続いてインドネシア館の木の使用に目を惹かれました。

 

 

《EXPO2025大阪・関西JAPAN》真夏の訪問記、明日以降もまだ続きます!

 

 

 

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第217巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型ですが、本号では、

五能線の観光列車=ノスタルジックビュートレイン専用色を纏った

華やかな装いの50系客車オハフ50形の姿をお楽しみいただけます。

 

 

それではいつものようにパッケージを解いて、

奥底から第217巻の冊子を取り出しましょう。

 

 

巻頭記事はこのところの通例で、付録模型の車両形式の解説です。

国鉄が最後に製作した一般型客車、50系客車によって運行されていた時期の、

五能線の観光列車=ノスタルジックビュートレインの特集です。

展望デッキ付きの専用編成を使用し、DE10形機関車牽引で運転されました。

 

 

次のページは、常磐線中距離輸送のエース、JR東日本E531系の特集です。

JR東日本発足当後に新製投入された415系が長らく活躍してきた、

常磐線の近郊形電車を置き換えるべく誕生したE531系は、

走行性能や経済性に優れ、二階建てグリーン車も加わって、

充実した大所帯になってきました。

 

 

更にページをめくると、今度は気動車の姿が目に飛び込みます。

国鉄末期に、非電化の地方ローカル線向けに製造コストを抑えた上で

性能を向上させた気動車、キハ37形が登場しました。

しかし、量産には至らずに少数派となりました。

JR東日本に引き継がれて久留里線で引退した3両が、遠く岡山県に転じて、

水島臨海鉄道で新たの活躍を始めたのでした。

 

 

「鉄道と旅路」シリーズは、上田電鉄別所線の特集です。

信州最古の温泉に向かう地方私鉄ですが、

台風災害などの苦難を超えて復活したローカル電車です。

現在は元東急のステンレス車両が活躍しています。

 

 

巻末記事はいつものように「観光列車」シリーズです。

本号では、JR東海381系ワイドビューで運行されている特急「しなの」の特集です。

国鉄型381系に続く新たな振り子式として開発され、1995年から量産開始となりました。

E381系は「しなの」の他、「ひだ」「南紀」「伊那路」「ふじかわ」「東海」

にも投入され、活躍しています。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズは、まだまだ続きます。

 

 

マーラーの交響曲についての記事を続けます。

第2番「復活」、第3番「夏の交響曲」と、
声楽を伴う巨大な作品が続いた後、
「今度もまたどのような大作が誕生するのだろうか」
という期待(と不安?)を抱きながら、
固唾を呑んで初演に臨んだ当時のミュンヘンの聴衆は、
大きな肩透かしを食らうことになったのです。
第1番「巨人」とほぼ同じ程度の、演奏時間55分規模の
4楽章構成の交響曲に落ち着いたのです。
実際に、ミュンヘンでの初演では、
終演後にブーイングが飛び交ったそうです。

第1楽章は、“19世紀終盤に蘇ったモーツァルト” のような
雰囲気の疑似古典派的な佇まいが印象的な可憐な楽想が
総体的に支配します。しかし、そのソナタ形式の扱いは、
やはりマーラー流ソナタ形式を多少省略しつつも
大筋においてトレースしていきます。
後に終楽章の楽想の予告であると判る鈴の音を交えた軽やかな音色の
オーケストレーションによる導入句や、
3楽章のクライマックスの先取りを盛り込んだ
楽想の展開等は、やはりマーラー流れの楽曲構成の手口です。
しかし、「復活」や「夏の交響曲」の第一楽章のような
スペクタクルな冒頭楽章を期待していた聴衆は、
全く意表を突かれる思いであったことでしょう。

第2楽章はマーラー流のスケルツォです。
ABABAcodaといった常識的な構成の外見ですが、
コンサートマスターが半音高く調弦された楽器の持ち替えて、
独奏者的な活躍を与えられながら進行する独自性も持っていて、
「死神の踊り」のようなイメージも感じられる楽章です。

第3楽章は、厳かな緩徐楽章です。
ベートーヴェン「第9」の第三楽章、
ブルックナー「第8」「第9」の第三楽章、
後年のマーラーの「第6/悲劇的」の第二楽章(演奏者の選択によっては第三楽章)、
といったタイプに分類される深淵な楽章と言えるでしょう。
実は想いの他小振りな終楽章がこの後に続いていることを勘案すると、
この緩徐楽章の中に現れる壮大なクライマックスは、
フィナーレの要素を併せ持っていると
考えられるのではないでしょうか。

そして、最後はその問題の第4楽章です。
何と、演奏時間10分にも満たない歌曲仕立てなのです。

歌詞に「少年の魔法の角笛」を用いて、
最初は「天上の生活」というタイトルで単独楽章として発表されたものです。
当初は交響曲第3番の第7楽章に置かれる計画もありました。
しかし結局、第3番の第6楽章が拡大したので、
第7楽章は構想から削除されました。
そして、今度は6楽章構成の「交響曲第4番」の
終楽章「天上の生活」として次なる構想に組み込まれましたが、
紆余曲折の末、4楽章構成の終楽章に落ち着いたという
なかなか興味深い経緯があります。

この交響曲は、しばしば「大いなる歓びの讃歌」という副題を付せられますが、
これはマーラー自身の言で全くなく、
本来は「天上の生活」と言われるべきものと考えます。
また、第2番と第3番と併せて「角笛三部作」として括られることも多々ありますが、
「復活」との共通点はあまり認められませんし、むしろ第5番との共通項が目立ちます。
ですから、「復活」「夏の交響曲」グループと
後続の「器楽三部作」第5~7番を繋ぐ、
過渡期の作品と捉えることが相当と言えるでしょう。

マーラーの交響曲の中では最も規模の小さい作品であるため、
マーラー受容の黎明期から演奏回数には恵まれた作品でした。
しかし、第3番でも第8番でも頻繁に演奏されるようになった
21世紀の今日においては、逆に評価の別れる問題作として
再認識されているのではないでしょうか。

LPレコードの時代から沢山の名盤がリリースされていますが、
ここでは敢えて問題盤を紹介しておきましょう。
レナード・バーンスタインの1987年録音盤です。
何と、終楽章の独唱にボーイソプラノを起用しているのです。
発売当初は随分と話題になりました。

指揮=レナード・バーンスタイン指揮
管弦楽=アムステルダム・コンセルトへボウ
ボーイ・ソプラノ=ヘルムート・ヴィテック
グラモフォン / F32G-20256
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-マーラー第4番バーンスタイン盤
私が子供の頃から見続けてきた映画<007シリーズ>の
想い出をご紹介する記事も、回を重ねて第19作になりました。

###第19作=<ワールド・イズ・ノット・イナフ>###
1999年 監督=マイケル・アプテッド
音楽=デイヴィッド・アーノルド
主題歌=「The World is Not Enough」/ガービッジ
ジェームズ・ボンド=ピアース・ブロスナン
ボンド・ガール=ソフィー・マルソー
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



この作品では、ボンドガールに超大物女優
ソフィー・マルソーが起用されている所が注目されました。
しかも、その役どころが、ボンドの任務遂行中に、
ボンドによって射殺されるという、
シリーズ中唯一の展開になっています。

また、東西冷戦というテーマは最早存在しない時代に入った
<007シリーズ>ということで、
石油資源を巡る複雑なストーリー展開になっています。

また、長年にわたり秘密兵器の開発者として
軽妙な登場をしてきた「Q」(デスモンド・リュウェイン)は、
この作品が最後となりました。

ボンドカーは、またまたBMWで、
ツーシーター・スポーツのZ8がスクリーンを駆け巡りました。

この作品が、20世紀最後の<007シリーズ>となり、
時代は21世紀に突入していきます。

YouTube / ワールド・イズ・ノット・イナフ (字幕版)
          MGMvodJP

2025年5月に北京現代音楽祭で初演された私の邦楽器作品の近作の紹介です。

 

昨年9月に私の勤務先大学=洗足学園音楽大学で、中国の現代音楽作曲家をお招きして、

日中交流演奏会が開催されました。それに対する答礼として、

今年は洗足学園音楽大学側が、邦楽器を中心とする演目をもって

中国を訪問することになりました。

 

(その演奏旅行はつい先日、5月16日〜20日に実施済です。

 レポートは別の記事シリーズでご紹介しています。)

 

この一連の国際交流の中国側のキーパーソンは作曲家の葉小鋼(YE Shaogang)氏で、

私と氏は1988年に香港で開催された《ISCM-ACL World Music Days 1988 Hong Kong》

で、ご一緒して以来の旧知の間柄というで、私がこの中国訪問のプログラム考案や

新作の作曲を担当することになったのでした。

 

日本の伝統楽器(邦楽器)の多くは、

古の時代に中国大陸から伝わった楽器を起源としていることもあり、

同属楽器が多く存在していますが、共通点はあるものの、

伝来以後の両国での発展経緯に大きな差異があり、

相当に異なる楽器や奏法に発展してきていると捉えることができます。

また、日本独特の時間感覚は、中国音楽のどちらかというと

メカニカルなケースが多い時間感覚とは異なる面が多いように思われます。

今回のこの作品の作曲に際しては、このような視点も含めながら、筆を進めた次第です。

 

 

♪♪♪ 松尾祐孝《たゆたいのとき》

      〜尺八、三味線、箏&十七絃、チェロの為に〜(2025)〜 ♪♪♪

 

    2025年国際交流企画/中国訪問演奏旅行初演作品

    初演奏者:尺八=神 令 三味線=染谷美里 

         箏&十七絃=吉原佐知子 チェロ=藤村俊介

 

    2025年5月17日(土) <北京現代音楽祭>@ 北京中央音楽院

           5月18日(日) 深圳市内ホール

 

♫ ♫ ♫「たゆたいのとき II」(2025) 作曲:松尾 祐孝(1959〜)

                        初演演奏会での解説文 ♫ ♫ ♫

 

この「Wandering Time II」は、私がこの演奏旅行のために書き下ろした最新作であり、

今夜、皆様に初演を披露できることをとても光栄に存じます。

音楽の三要素は必ずしも『旋律・リズム・ハーモニー』ではなく、

根源的には『音・時間・音を音楽と認識できる人間の能力』という

私なりの持論が大きく反映された音楽の進行を、

じっくりと感じながら聴き進めていただけるだろうか。

日本の伝統音楽が持つ独特の時間の認識、例えば全く音が鳴らない時間である“間”は、

“無”や“弛緩”ではなく、むしろ『真空のエネルギーに満ちた緊張した時空』で

あることなどを、この曲の進行から感じていただけると幸いです。                    

                               (記:松尾祐孝)