客車特急・青大将編成の殿をつとめた展望車=マイテ49〜「国産鉄道コレクション」第111巻 | 松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

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アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第111巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみのNゲージサイズ模型、

本号は往年の客車特急「つばめ」「はと」専用の

通称"青大将"編成の最後尾に連結された戦前製の展望車、

マイテ49形一等展望客車のレトロな姿です。

 

 

いつものようにパッケージを解いて、奥底から冊子を取り出しましょう。

 

 

巻頭記事はいつものように、付録模型車両の解説です。

東海道新幹線開業以前の東京〜大阪間には、客車特急が1日2往復、

「つばめ」と「はと」が走っていました。

三等車・特別二等車(リクライニングシート完備)

・食堂車・一等展望車で構成された、当時としては最も豪華な列車でした。

 

1956年に東海道本線全線電化が達成されると、電気機関車牽引となり、

塗色が淡緑色に一新されて"青大将"というニックネームで呼ばれるようになりました。

その編成の殿(しんがり)を務めていた一等展望車が、このマイテ49という訳です。

 

展望車の伝統は、1960年に登場した初の電車特急、

151系電車のパーラーカー=クロ151に伝承されました。

 

 

さて、ページをめくると、鮮やかなピンク色の

現在的なデザインの路面電車が目に飛び込んできました。

北陸の第三セクターに登場した超低床路面電車、万葉線MLRV1000形の特集です。

 

元々は富山地方鉄道だった高岡軌道線(法的に軌道)と、新湊港線(法的に鉄道)が、

戦後に別々のタイミングで加能越鉄道に移管され、

1980年からはまとめて万葉線と呼ばれるようになりました。

そして自動車の普及による利用者の漸減によって廃止が検討されるようになる中で、

第三セクターの万葉鉄道株式会社として再出発したのです。

 

生まれ変わった万葉線の新施策の目玉として

2003年に初登場したのが、このMLRV1000形です。

先進的なスタイルの超低床2車体連接構造は、

2009年までに合計6編成が落成して、

軌道線と鉄道線を直通する万葉線の主役としてすっかり定着しています。

 

 

更にページをめくると、今度は縁の下の力持ちの登場です。

神奈川臨海鉄道のDD55形ディーゼル機関車の特集です。

港湾地区の物流を支える頼もしい機関車です。

このDD55形の設計のベースは旧国鉄のDD13形でした。

謂わば本家のDD13が国鉄民営化までに全廃された中で、

DD55形が今でも現役で運用されている姿は、

鉄道ファンとして嬉しい限りです。

 

 

恒例の駅舎シリーズは、鉄道そのものは廃線になった後も

まだ生き延びている、十和田観光鉄道の三沢駅舎です。

1959年に建てられ、2012年に鉄道が廃止になった後も、

バスの案内や待合室として利用されています。

ホームも取り壊されずに残っています。

駅舎内の蕎麦屋がマニアには有名で、

地元の人々や鉄道ファンに愛されてきましたが、

昨年暮れで惜しくも閉店したようです。

 

 

そして巻末はいつものように観光列車シリーズです。

本号は三陸鉄道のお座敷列車・こたつ列車の特集です。

2013年に放送されたNHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」

に登場した「北鉄」こと北三陸鉄道は、

三陸鉄道の北リアス線をモデルとしたもので、

実際のエピソードもうまく取り入れられていました。

 

現在、お座敷列車やこたつ列車で活躍しているのは

36-Z1形で、2013~14年に東日本大震災被災車両の

置き換えとして導入されたうちの1両です。

2002年に登場したお座敷列車「さんりくしおかぜ」が

この新型車36-Z1形に置き換えられた際に

「さんりくはまかぜ」となっています。

 

厳しい経営環境の中で踏ん張っている三陸鉄道には、

鉄道ファンならずとも応援したくなりますね。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズはまだまだ続きます。