大袈裟なタイトルですが

55年前に作られた作品

子どもの頃多少は見たことが

あるはずの作品を改めてジックリ

視聴して新たな発見があったって

個人的なツマラナイお話です^^;

何でも繋げちゃいますがw

すっと書いているテーマ

当たり前を疑う、

一次情報をチェックする

とも関連しているなぁって

 

 

今、一番の楽しみかも知れない

巨人の星全話無料配信中

毎回6話ずつ、隔週土曜21時更新で

2週間限定配信中。

今回は青雲高校星一徹監督辞任の経緯から

東京都予選を勝ち抜き

甲子園出場を決めるところまでである。

今回は10/21、21時までの配信、ぜひ。

 

子どもの頃はリアルタイムで見たことはない

同時期放映の

タイガーマスクは夢中で見ていたし左差し

後番組の天才バカボンも同様だが

巨人の星はそうではなかった。

縁があったのは

夕方17時半か18時の再放送

暗くなり始めて野球遊びは

解散の時間だが、家には帰らず

自転車こぎやら、壁相手の練習とかで

遊んでいることの方が多かったので

じっくり見る機会がほとんどなかった。

 

7月に記事にした

侍ジャイアンツ左差しと違って

どこか説教臭いって偏見を抱いていたけれど

アラカンになって改めて見ると

細部までよく出来ているのでビックリした。

飛雄馬だけでなくキャラが豊富で

様々な角度から見られるんですよね。

星一徹って意外にまともな人物で

それに感化されて伴大造(宙太のオヤジ)の

腰巾着に過ぎなかった天野監督が

別人のように変わるのも

オヤジ目線だと実に面白いw

 

 

第28話、準決勝はアニメオリジナル。

対戦相手は孤島の高校

四方が断崖絶壁で、まともな平地が

ないところで野球をしていたから

球際に非常に強いという設定の

朝日高校との試合。

長崎出身の平田勝男さんが

(足は遅くとも^^;)

抜群に球際に強かったのは

同じような環境で野球をしていたからだ

と読んだ記憶がある。

 

平田の守備は朝日高校っぽい泥臭さがある

 

朝日高校の球際に強い好守備に

悉くヒットを阻まれて

0対0の展開が続きます。

典型的なシーン

 

 

青雲高校がライトフェンスオーバーの

飛球を放ったものの

朝日高校の外野手が

フェンスを駆け上り見事に

もぎ取ってしまった。

しかし捕球と同時に

身体は外野席に……

アウト

 

でもここで21世紀の大多数の視聴者は

え? スタンドに落っこちたのだから

これってホームランじゃないの?

と思ったのではないだろうか。

youtubeのコメントでも散見される。

 

でも、これはアウトで正しい。

完全に外野スタンド内に着地してから

捕球したのならホームランだが、

完全捕球した後

スタンドに落っこちた場合はアウト。

 

何故ホームランだと思い込むのか。

これは野球漫画の金字塔

ドカベンによる影響が大きいだろう。

 

単行本31巻、他の巻の2倍近い厚さで

最高傑作の呼び声が高く

今では入手もムズカシイという

そのラストシーン

 

秘打・円舞曲・別れ

一旦はピアニストとしての道を歩もうとした

殿馬のナインに対する別れと

サヨナラホーマーをかけたシーン。

捕球したライトの犬神は

最終的にはラッキーゾーンから

落っこちたのでホームランとされた。

 

しかしこのルール適用は誤りなのだ。

犬神はセンターの犬王が追いつくまで

ラッキーゾーンに両足をかけて

かなりの時間もがき続けていた挙げ句に

落っこちたわけだが、これは

完全捕球である。

従ってこの時点でアウトなのである。

 

あくまでも審判が「完全捕球」を

認めるか否かが焦点であって

これだけ長い時間もがいていたら

どう考えても「完全捕球」は

認められてアウトなのである。

 

ところがwikiの殿馬一人の項を見ると

珍妙なことが書いてある。

『これは当時のルールであり、

2023年現在のルールでは、

捕球した時点でアウトと見なされ』

違う記述だと

『1978年まではアウトだったが

1979年からルール改正でホームラン』

というのもある。

そんな事実はない

あくまで「完全捕球」の問題であり

そんな改正はないはずだ。

 

分かりやすく例えてみよう。

ホームランを捕球して

スタンドに落っこちるプレーは

過去に例がなかったと思うが

カメラマン席、あるいは近年グラウンドに

拡張された特別席に飛び込みながら

キャッチしたシーンは何度かあったはずだ。

果たしてそれがアウトでなく

ファウルであると判定されたであろうか。

 

 

何故こんな事になったのか

これは後年ドカベンプロ野球編で

ルール解釈の間違いに気づいていた

水島新司先生が同じようなシーンを描き

今度はホームラン。

その際審判に「78年まではアウトだが

79年にルール改正が」と説明させた

ことに起因するようである。

78年というのは31巻が発売された年であり

いわば「シャレ」であろう。

あくまで水島ワールドの中で

整合性をつけたと解釈するのが

面白いのではないだろうか^^

 

これもある意味権威の説明を

鵜呑みにしてしまう典型例と

言えるのかも知れない。

 

何だかんだ言って

水島野球漫画の功績は大きい。

白新の不知火がアピールプレー

第3アウトの置き換えを怠って

1点を取られたシーンは

今でも語り継がれている。

後に現実にはあり得ぬ魔球マンガとなる

「巨人の星」のアンチテーゼとして

野球そのものの面白さを伝えようと

描かれていた「ドカベン」だが

このシーンに関しては

巨人の星の方が正しいのである。

 

巨人の星28話放映は1968年10月5日

今から丁度55年前

ドカベン31巻の10年前である。

確かにドカベンの方がリアルな

野球漫画と言えるが

この頃の巨人の星も

結構リアルで面白いのである。

 

実際にあった珍プレー

レフトゴロ7-5-4の極めて珍しい併殺

これはレフト中谷将大の捕球を

「完全捕球」と審判が認めない

「故意落球」とも認めないからこそ。

認めていれば打者長野がアウトで

走者がアウトになることはない

 

 

★ついでに27話「迷いの失投」

これもアニメオリジナル。

面白いエピソードなのだが

こっちはリアルではないw

 

飛雄馬の内角球を避け損なった

相手チームの四番打者松田シンゴ君

両手が粉砕骨折されて

二度と野球が出来ない身体になってしまう。

 

即野球が出来なくなるのもリアルじゃないが

弟の補欠選手ジロー君が逆恨みをして

飛雄馬を絶壁に呼び出し

いきなり突き落とすのだ。

 

イヤな予感がして断崖に駆けつけたシンゴ君

により間一髪助けられるのだが

その際飛雄馬はこう宣言する。

 

「もう野球は辞ようと思うんです。

もうボールが握れないんだ」

それに対しシンゴ君は激昂する

『お前がそれだけの球を身につけるためには

血のにじむような苦労があったはずだ

そしてまたお前の周りの人たちの

血のにじむような努力があったはずだ

野球部員・監督・親・兄弟

その人たちの命をかけた努力が

お前の剛速球を作り出したのだ』

 

これで飛雄馬は目覚めて

改めて野球に打ち込む決心をする。

飛雄馬の成長譚としては見事なお話。

 

ただねじ曲がった爺さんとしては

ちょっと違う感想も持つのである。

 

自分がリーダーで推し進めていた

プロジェクト、途中で見逃すことの出来ない

瑕疵があった場合、自分の意思だけで

止めることが出来るかということだ。

自分だけではない、周りの人の努力を

いきなり否定する行為に出ることは

極めてムズカシイだろうなと。

 

これを製薬に置き換えてみよう。

薬害がいつまでもなくならないのは

これが原因じゃないのか。

殆どがチームプレーで異議を唱える事って

ムズカシイ、例えリーダーであってもね。

 

ジュバクに囚われて

こうなっているんじゃないのかな。