うちのおかんは元小学校教諭です。私が生まれてからはずっと専業主婦ですが。しかし、私達兄弟に、漢字一つ計算一つ、教えたことはありません。ただひたすらに赤鬼のような顔で怒りながら
「勉強しない人間は犯罪者になる」
と怒鳴りながら私達三兄弟を育てました。三人とも高学歴となりましたが、その教育方針が正しいとも間違っているとも思っていません。いろいろな方向性の一つであったと感じます。
中学入試の御家庭では、親子共闘の日々を過ごしていらっしゃることだろうと思います。しかし、親子共闘の形式はいろいろとあります。
後方支援に全力を投じている御家庭もあるでしょう。お母さまが一生懸命においしいご飯づくりに精を出して、送迎をしてあげるご家庭。共働きも多い御時世ですから、それだけでも大変な貢献だと思います。
うちのおかんはそれもありませんでしたし。もちろんご飯は普通に作っていましたよ。
勉強の指導を親御様がされている御家庭もありますね。これはすごいことです。受験算数は大人でも難しい内容ですよね。それを教えていらっしゃるということは、これはなかなかできないことです。
どんな形式でも親御様にはAlwaysでいてほしいのです。子供はやる気があるときもありますが、そうでないときもあります。勉強をやらないときにはやるように厳しく言うことは悪くはないです。ただし、勉強にやる気があってもなくてもいつも通りにやってください。いつも送迎しているのならばそうして欲しいですし、いつも勉強を教えているのであればそうして欲しいのです。やる気がないから勉強を教えないとかそういうことならば、最初からやらないほしいのです。
「勉強する気がないなら、受験なんてやめてしまえ!」とか言うのであれば、最初から受験なんて始めない方がいいでしょう。中学受験は親の代理戦争です。その言葉は子供のためを思っているのではなく、親の思うようにいかない気持ちから発せられるもの、極めて親のエゴです。子供が自発的に受験したいと言ってくることは稀ですし、もしそうだとしても親が同意しないと始めらないものですし。
もし親がAlwaysを失うと、子供は逃げ場を失います。無気力になったとき、不安になったとき、不振になったとき、ストレスが溜まったとき、逃げ場はやはり親御様です。親が全面的に味方であれば、子供にはこの上ない御守りとなります。
受験を既に経験された御家庭であればお分かりかもしれませんが、
どんなに優秀な子供でも、
向学心がある子供でも、
一度や二度は逃げ場を欲することがあります。
「受験なんて、もう辞めてしまいたい」
といつでも言える環境があるからこそ、この戦いは継続していけるものです。
いくた