幾太郎の医学部受験指導簿⑦〜天才には誰も勝てない〜 | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

幾太郎が医学部受験指導を始めて18年が経過して、医学部に進学した教え子は116人になりました。

いろいろな生徒がいました。

読者の方にいろいろとご参考にしていただけるように、プライバシーの観点から若干フェイクもいれながら、特集していきたいと思います。

 

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私がこれまでに指導した生徒の中で、最も優秀だったのは医学部志望者ではなかった。

 

彼のお兄さんの受験を見届けた後、彼の指導を任されることになった。親御様からは優秀だとは聞いてはいなかったので、私は教え始めて驚いたものだ。本当に異常なほど理解力が高い生徒であった。

少し教えただけで、様々に応用が可能であった。計算力も驚くほど高く、勉強に関しては欠点が見つからないものであった。

志望していたのは、東大理Ⅰである。医学部には興味はなかった。

 

春期の模試ではまだ慣れていないのか、ちゃんと現役生らしくE判定を取ってきてくれた。

本人は言ったのだよね。「センターの化学が苦手で、時間も掛かっているし、78点しか取れなかったから対策をしたい」

私は、化学のセミナーをあげた。「これをちゃんとやっておけば大丈夫」

 

そして、夏期の模試の後に彼は言った。「まだまだ、時間ばかり掛かってしまって、うまくいっていません」

私は言った。「それはいかんね。ところで何点とれたの?」

彼は言った。「一応・・・100点」

 

そう、彼は煽って言っているわけではない。本気で言っているのだ。東大志望としてセンター化学は30分以内で満点必須だと、真剣に考えてやっているだけ。でも現役生が夏期の時点では・・・それは厳しくないか?

 

東大の過去問を演習していても速いんだよね。読み取りも計算も。東大数学ではイライラする計算もたくさんあるのだが、全然ストレスを感じていないように、どんどん解き進めることができる。

現役生なのに、浪人生しかしらないような解法も知っていたりして。私が聞いたのだよね。「どこでその解法を教わったの?」

彼は答えた。「(幾太郎)先生に教わったよ」

・・・私は教えた覚えがないのだが・・・。何となく言ったことを全部覚えているのだろうね。

 

春期模試ではE判定だったが、夏期にはB判定、秋期はもちろんA判定。

入試の結果は・・・センター94%で、二次も圧勝。理Ⅲでも合格圏だった。

 

お母様は、私が家庭教師になってから、模試の判定が上昇したので、私の指導が良かったのだと思っていらっしゃったが、そんなことは全くない。私はただ眺めていただけ。

 

いくた