去年の私の生徒には九浪生がいて、とうとう合格を掴んで医学部に進学していった。36歳の再受験生もいて、医学部に進学していった。
今年も多浪生や再受験生を受け持っている。
そういう人達をどう思われるだろうか。
国公立医学部の中でも偏差値の高い大学、例えば旧帝大医学部などでは、現役合格率が非常に高い。東大理Ⅲは年にも依るが70%くらいは現役だ。
そういった層と比較すると、多浪生や再受生は全く頭のレベルでは歯が立たない。そういう人達が医師を目指すことに対して、どのように思われるだろうか。
偏差値が高いことは、良き医療人になるための補助となる一つのファクターであることはやはり間違いないとは思う。しかし、必須ではないよね。
多浪生は自分の能力の足りなさを何度も噛み締めている。幾度も下された不合格の宣告は、自分の魂を抉り取られるようなものだったろう。それでも立ち上がり、道を掴んだ。
再受生が再受を決意することには、大きな勇気が必要だったろう。周りは若い衆ばかり。入学しても若手ばかり。そんなところに入ってやっていこうとする決意は、私達が想像するものとは異なる強さを持っている。
良き医療人になるためのファクターは様々あるだろう。学力優秀なことも、体力があることも、弱者の痛みが分かることも、目的達成のための強い意思があることも、
一つ一つが責任ある医療人になるための補助となっていくことだ。
コロナの最初の頃に、KO卒の研修医が、打ち上げでハメを外してチャンチャカチャンというニュースがあった。まあkidsだから仕方ないか。
kidsを医者にすること自体が間違っているんだよね。ニセエリート意識のあるサンシタでは、どの世界でも役には立たないだろう。
もちろん間違ったエリート意識のない素晴らしい人格者の若者もいる。そういった人達が未来の医療も、将来のテクノロジーも担っていってほしいと願っている。
そして、巣立っていった少し晩成型だった新入生にも、その経験まで活かした素晴らしい活躍をしてほしいと祈っている。
いくた
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