私が学習指導員になったのは2004年、29歳の頃。
当初から中学受験指導を担当していたのだが、最初からうまくいっていたわけではない。
とにかく、何もかもが足りなかった。学習指導力も、受験に対する知識も、経験則も。
普通ならば、知らないことは教えらえれないのですが、「分からない」を連発していては、指導員としてダメでしょう。
しかし、私は知らないことでも教えられていたのですよね。
知らないことの教え方、
質問対応するときにすぐに答えてあげられないことが分かったら、まずはこのように生徒に告げる。
「こんな問題が分からないのは、ちゃんと読んでいないからだぞ。まとめ事項はちゃんと読んだのか?先生が読んでいくから、しっかりと聞いていろよ!」
そして、噛んで含むようにゆっくりとまとめ事項を読むのです。そして、読んでいるときに自分が理解をしていくのですね。その後に、そんなことは当然のことだと言わんばかりに教えていくわけです。
当時、こんな教え方をしているのにも関わらず、小5の女の子のお母様からこんなことを言われたことがあります。
「娘は先生のことを神様のような人だと思っています。何でも知っていて教えてくれると言っています。本当にありがとうございます」
こういう言い方は良くないのですが、小5くらいだったらだまくらかすのは難しくはありません。
本当に詐欺みたいなこのやり方ですが、実は今でもワザと使うことがあります。特に理科系の教科は、生徒からの質問は、ゆっくりと読んであげるだけで(あるいはちょっと抑揚を付けて読んであげるだけで)解決してしまう場合が多いのですよね。
私の得意技・・・ゆっくり読むだけという教え方は、実は効果的なものだと今でも思います。
そんな風にやっているうちに、一年経過した頃には、中学受験の学習内容も、東海地区に存在する塾ごとの特徴も、だいたいわかるようになってきました。
しかし、最初のうちの受験実績は散々なものでした。そりゃ~そうですよね。最初のうちに私がやっていたことは、塾のテストで点数を取らせる勉強でしたから。受験に関する知識な無さ過ぎて、受験対策にはなっていなかったのですよね。
上に登場した小5の女の子も、受験は全然ダメでした。あの頃の生徒は27歳くらいになっている計算ですが、申し訳なかったなと感じることもあります。
やっぱり、駆け出しは、ダシをかけただけのかけうどんなのですね。まだまだ豪華なうどんとは差があるわけです。
いくた
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