一昨日の問題の解答編 | 中学入試と医学部入試の道の駅

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この問題の解答編です。
当時、河合塾大本営からの解答はこんなものでした。


どうでしょうか。まあまあ、なるほどね〜とはいえるとは思うんですよ。でもどうなんでしょうね。本当にこんなふうに解くのでしょうか?

結局、二次方程式は使わないといけないのは確定なんですよ。だから小学生でも解ける方程式
□×□=121
というところに帰着させたわけです。

いやいや、でもこの問題は表を作って答えにサヤ寄せする問題でしょ。
まず、だいたいハーフハーフにしておいて、

30cmと29cmならば、30×30+29×29=1741
31cmと28cmならば、31×31+28×28=1745
32cmと27cmならば、32×32+27×27=1753
33cmと26cmならば、33×33+26×26=1765
34cmと25cmならば、34×34+25×25=1781
35cmと24cmならば、35×35+24×24=1801

と引きずってスクラムトライする問題ですよね。
2乗の計算は少し時間がかかるかもしれないですが、それでも上の模範解答と比較して、どれだけも変わらないような気がします。
もし、この計算に規則性を発見することが出来たならば、もっと速く解けてしまうはずです。
あるいは、何らか縛りに気付いて、全部を計算しなくていいことが分かれば、即断に近くなります。

幼き日の幾太郎は、河合塾御本尊様の模範解答をみて、「何でそんなやり方をせねばならないだろう?」と感じました。表にまとめたり規則性を論述したりすれば、東海中学での解答形式にありがちな、考え方を書く問題でもフルマークになります。

まあ、今になって思えば、河合塾の解答は、スタイリッシュで商売用の見せ物みたいな道具だったんですね。



受験算数のポイントは2つ
・条件整理ができるか
・その条件を基に様々な手段を講じて、解にたどり着くか

今回の問題は、条件整理は簡単です。あとは自分の出来得る手段で解を求めればよいのです。スタイリッシュな手口を魅せる必要なんてありません。

今回の問題で、とにかくどんなやり方でも、解答に辿り着こうと努力できている子供であれば、算数の才能アリです。たとえ、計算間違いをして失敗していたとしても、頑張れたら現時点では合格です。

ではどんな子供が才能ナシか。それは解法が分からないからフリーズしてしまった子供です。算数において、解法なんてのは残渣です。本質ではありませんから。

お母様方の中には、スタイリッシュな解法を上等、地道な解法を下等だと考える人もいますが、全くの間違いだと思います。根拠の理解度が薄いスタイリッシュよりも、根底から生えた地道な解法は有力な武器です。

その上で更に、いろいろな解法をトライアンドエラーしながら見出そうとする子供ならば、もう算数には心配ありません。そういう心があれば、将来の大学受験数学でも、才能を発揮できることでしょう。

一昨日の記事には、
・頑張って解いた
・規則性を使った
というコメントがありました。この子供達は、私の基準では合格ですね。

いくた