鶴亀算に関する疑問 | 中学入試と医学部入試の道の駅

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いつもいつも鶴亀算については思っている。鶴亀算に面積図を使う必要性が分からないんだよね。
まあ、鶴亀算は積の関係が成り立つ量についての問題なので、面積図を使うことはもちろん悪くはない。でも面積図なんて大風呂敷が必要とは思えない。実際、32年前に私が受験したときには、面積図を使った解法がなかったとは言わないが、割とマイナーな解法だったことを覚えている。

優秀な生徒ならば、面積図を作った後にやる計算処理だけで解答するだろうし、もっと優秀ならばその計算すらしない。適当に合わせて終わりにする。私がかつて指導した日能研の優秀な生徒は、鶴亀算には適当に答えていた。そりゃそうだろうよ。鶴と亀が何匹かを答えるなら、適当に連れてこればいいのは当然だ。

それに面積図は意外と汎用性が低い。マイナスになる鶴亀算には使えなくはないが使いにくい。その場合には、結局差分計算によるサヤ寄せが必要になる。それなら最初から差分計算にしておけばいいんじゃないかな。

鶴亀算は中学に入れば、連立方程式に変わる。面積図は連立方程式の加減法にあたるのだが、それを正しく関連付けられる生徒は、既に面積図なんて使っていないと思うんだよね。鶴亀算は面積図命だと思っている人は、その時点で鶴亀算を理解していないんだと感じる。

結局、面積図は受験産業での見せ方の一つだと思っている。つまり商売道具ね。

食塩水の濃度とか平均算とかは、面積図を使わないと難しいけれど、本当ならばなるべく使わずにやりたいんだよね。逆比とか陰量とか使って。でもそれだと結局天秤算になってしまうけど。

いくた