親の気持ちと子供の考えと | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

またまた今期の生徒の話。

彼は一浪っぽい一浪生。まだまだ高校生の雰囲気が抜け切らない。そんな感じだった。
数学は才能が見え隠れする実力の持ち主だった。なかなか得点には反映されてこなかったけど、授業中には光る部分もあったな。

最初は鳴かず飛ばずの成績であったが、幼さが解消されてくるとともに、身の入った実績を上げてきた。数学の定期試験は、優秀者が掲示されるのだが、9月の試験では掲示されるまでになった。本人からも間違いではないかと言われたが、間違いなく上げてきた成績であった。

でも全体的な成績からみると、医学部合格まではあと一年かかるだろうというのが大方の予想であった。お父さんも成績がまとまってきたことは評価してくれていたが、今年はチャレンジ、という話になっていた。

ところが彼は実は医学部に関心があまり強くないのである。むしろ他にやりたいことがあり、そちらに進みたい様子。
お父さんの考えと生徒の考えが異なってしまっている状態。そんなとき、どうするべきだろうか?


これが中学受験であれば、子供を言いくるめて親御様の意向に沿うようにする。まあ12歳の子供であればそうすることも可能であろうし、その方が合理的で無難だろう。
しかし大学受験、殊に医学部受験である。医学部なんて希望もしないで進学したら、進級できるわけないじゃん。そうしたら、もう取り返しのつかない事態に陥るわな。

結局、医学部受験と並行して他学部受験も準備することとなった。直前期に彼からの質問は全て他学部の入試問題であった。

そして彼は他学部に合格。進学が決定した。

スタッフの話によると、秋から成績が伸び始めた原因は、
医学部受験に縛られて抑圧されていたが、秋にお父さんから他学部進学を許可されて気持ちが楽になったからではないか、
ということであった。

でもお父さんは最後まで医学部にこだわっていたと思うんだけどね。これは仕方ないでしょ。

いくた